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7320 日本リビング保証

東証G
2,780円
前日比
+28
+1.02%
PTS
2,753.1円
14:17 05/07
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.6 6.05 0.36
時価総額 142億円
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日本リビング保証 Research Memo(6):「保証」×「SaaS」融合ビジネスの新業態で事業成長を加速化(1)


■成長戦略

日本リビング保証<7320>の業界ポジション
同社では、各種製品・サービスを製造・販売する企業に対して、保証を中心とするアフターサービス(修理・点検など)をOEM提供してきた。このアフターサービス機能の企画・設計から各種オペレーション運営まで、トータルソリューションを提供できることが最大の強みである。特に、「保証」については、専門的な知見と大手損害保険会社との連携により最適な制度設計・運営を得意としている。

1. 「保証」×「SaaS」融合ビジネスの取り組み強化
同社では創業以来、住宅領域での保証サービス(HomeworthTech事業)をコア事業として展開してきた。また、サスティナビリティの潮流のなかで、住宅以外の領域でも、企業が取り扱う製品のアフターサービスへの関心が高まっており、非住宅領域への保証サービス(ExtendTech事業)を推進している。

X-Tech(クロステック)というビジネス用語がある。代表例として既存の金融サービスを革新するFinTechが挙げられる。X-Techとは、既存業界のビジネスとAIやビッグデータ、IoT、SaaSなどといった先進的なテクノロジーや新業態とを結びつけて生まれた新たな製品やサービス、あるいはその取り組みを指す。

これまで積極的投資を行ってきたデジタル開発基盤を生かして、各業界独自の商習慣を捉えたVertical SaaSの開発を加速化している。同社は、「保証」×「SaaS」融合ビジネスによるアフターサービスDXを幅広い業界で展開することで、さらなる事業成長を目指している。

(1) デジタルプロダクトの投入
現在、「おうちマネージャー」「おうちアルバム」「My Warranty」の3つの革新的なデジタルプロダクト(スマートフォンやタブレットなどのデバイス上で起動するソフトウェアまたはアプリ)が市場に投入され、アプリの利活用が進められている。

「おうちマネージャー」は2021年10月にリリースされた住宅事業者と住宅オーナーをつなぐモバイルアプリである。具体的には、住宅事業者ごとに発行する専用電子マネーの積立・決済が可能なほか、メンテナンス依頼受付や情報発信がモバイルから簡単に利用できる。2022年7月からはメルディアグループのオーナークラブ会員向けに提供がスタートするなど、既に多くの案件を受注している。

「おうちアルバム」は2022年11月にリリースされた新築施工、点検やメンテナンスといった住宅のあらゆる履歴を動画で管理できるアプリである。メンテナンスによる資産価値向上に寄与する。

「My Warranty」は2023年6月にリリースされ、延?保証の「申込受付」から「保証管理」「修理対応」まで、保証業務の一元管理を行うアプリである。例えば、購入した電化製品等の保証書管理(デジタル対応)や修理対応もスマートフォンから簡単に依頼でき、保証サービスが身近に使える便利さがある。一方、電化製品メーカーでは、お知らせや他の保証商品案内を通知できるようになり、顧客接点の機会が圧倒的に広がる。

(2) 「アプリ」と「保証」とのクロスセルでSaaSビジネスの拡大強化
アプリ(デジタルプロダクト)は、保証サービスとセットで提供することにより、保証サービスの利用拡大を支援する。住宅領域では「おうちマネージャー」、非住宅領域では「My Warranty」が基幹アプリとなり、保証サービス利用を促進する。一方、他社アプリにも連携可能なSaaSを提供することにより、顧客企業のアフターサービスDXに貢献する。また、アフターサービスDXの機能については、今後引き続きアプリの新規開発計画を予定している。

同社では、保証ビジネスの新たな可能性として、「My Warranty」を活用した新市場の開拓を進めている。例えば、保証加入情報や履歴を管理できる強みを活かし、フリマアプリを中心とした“セカンダリーマーケット”(中古市場)への応用が考えられる。

(3) 新興テクノロジー企業との提携・M&A強化
同社の提携・M&Aに関する基本スタンスは、事業シナジーを得られるのであれば、提携・M&Aを積極的に実行するとの考えである。提携・M&Aの判断基準は、最も儲かる事業ドメインで相手先企業との価値観や企業文化が共有・一体化できることをポイントとしている。

2022年10月、Seed SaaS DX Fund(ベンチャーキャピタルであるGazelle Capital(株)が運営)へ1億円出資した。同出資は直接の成果(M&Aによる売上貢献、キャピタル貢献)を生むものではないが、同ファンドを通じて、アプリ開発ベンチャーなどの動向を常時ウォッチングする体制を整え、M&A推進を加速化するのが狙いで、同社経営陣のDXへの本気度が伝わってくる。

既に資本業務提携先4社(カメラブ(株)、ネットスマイル(株)、RUN.EDGE(株)、(株)TECH MONSTER)を活用した新事業展開も本格的に着手している。同社では「動画の記録・分析・活用を通じたリアルサービス領域のDXサービスソリューション」の開発と実証実験を行っている。2022年2月には、カメラサブスクリプションサービスのカメラブ(株)と資本業務提携を締結した。他にも、AI業務自動化ソリューションサービスのネットスマイル(株)や映像検索・分析技術のRUN.EDGE(株)ともそれぞれ資本業務提携契約を締結、DXサービスソリューションの共同開発を進めている。直近では、2022年9月に(株)TECH MONSTERと資本業務提携契約を締結し、アプリインストール不要なオンライン現地調査サービス「おうちLIVEアシスト」を共同開発している。

今後さらに、技術やプロダクトを有するスタートアップテクノロジー企業との積極的な提携・M&Aも視野に入れている。

(4) デジタル投資のさらなる強化
デジタルプロダクトの開発推進に向けてデジタル投資を一層強化する。特に、デジタル人材開発への投資(採用と研修などによる育成)強化を図っている。デジタル人材採用は積極的で、今期も多数の中途採用実績があり、優秀なデジタル人材が確保されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《AS》

 提供:フィスコ

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