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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6845 アズビル

東証P
4,340円
前日比
+48
+1.12%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.2 2.75 1.68 2.65
時価総額 6,141億円
比較される銘柄
オムロン, 
富士電機, 
三菱電
決算発表予定日

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PCNET Research Memo(6):ITサブスクリプション事業の年平均成長率は30.3%


■業績動向

3. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は成長率が高く、市場規模も大きいほか、ストック収益化や持続的成長が可能であると言える。個人向けと異なり、法人向けPC市場はサブスクリプション(中長期レンタル)・リース・購入といった保有形態があるが、サブスクリプション型の比率が年々拡大している。パシフィックネット<3021>のサブスクリプションは故障対応などのPC管理といった保守サービスを含んでいるほか、中途解約は月単位で可能、さらに経理処理はオフバランスで費用も平準化されるため、企業にとってはメリットが大きく、利用が拡大している。同事業はコロナ禍でも着実に成長し、年平均成長率は30.3%となり、2023年5月期も順調に成長すると見込まれる。

2022年5月期においては、売上高が3,493百万円(前期比18.6%増)、セグメント利益は406百万円(同21.2%減)だった。前述の通り減価償却費が先行する事業であるため、売上高は半年後辺りから順次計上となる事業特性がある。2022年5月期は今後の市場拡大を踏まえて、人材・設備・デジタル化へ先行投資のほか、サブスクリプション資産の取得を前期末比1.5倍と大幅に増やしたことからセグメント利益は減益となった。とはいえ、今後の利益成長に向けた先行投資を主因とした減益であるため、弊社ではネガティブに捉える必要はないと考える。

(2) ITAD事業
ITAD事業は規模ではなく、収益性の向上、環境変化への対応力強化を現状は事業方針としているため、これに向けた収益構造の改革を実施している。使用済みのIT機器の回収台数は、コロナ禍による影響は大きく使用済みIT機器の排出が大幅に鈍化した。また、2022年3月のまん延防止措置解除後、商談は一部回復するものの、部材の需給ひっ迫の影響により、企業の新品調達が難航したことにより、回収台数が想定よりも減少した。これにより、売上高が1,939百万円(前期比10.4%減)、セグメント利益は574百万円(同23.9%減)だった。なお、「PCNET Auction」は2022年3月にグランドオープンを完了し規模拡大が期待される。

(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業については、ワイヤレスガイド機「イヤホンガイド(R)」の製造販売・レンタル・保守・メンテナンスを手掛けている。「イヤホンガイド(R)」は送信機と受信機からなる小型無線機で、通常では案内が難しい環境でも快適に内容を伝え聞くことができ、観光業界で利用されるワイヤレスガイドでは90%以上の圧倒的シェアを有する製品である。売上高は78百万円(前期比37.2%減)、セグメント損失が66百万円(同33百万円の損失)と、コロナ禍による観光需要の減少の影響を受けて大幅な減収となった。しかし、国内旅行や法人での需要開拓が進んでいるほか、2022年4月以降は需要が回復傾向にある。依然としてコロナ禍は続くが、制限付きとはいえ観光客の受け入れも再開しており、漸次的に事業環境も回復していくことになると弊社では見ている。

また、これまでも世界遺産に認定された多くのエリアで観光案内利用などに採用されているが、2022年6月には世界農業遺産に認定されている「大崎耕土」をガイドレシーバーで案内するため、一般社団法人みやぎ大崎観光公社にて「イヤホンガイド(R)」が採用された。このほか、企業における活用として、アズビル<6845>ではazbilグループにおけるマザー工場として稼働する湘南工場の新生産棟や、研究開発拠点である藤沢テクノセンターにおいて、外部企業・団体向けに紹介している見学受け入れの際のコミュニケーション促進を目的として採用している。建設業界ではタワーマンション工事における連絡ツールといった活用も増えており、工場・施設見学、美術館・博物館、セミナー会場、国際会議での同時通訳、スポーツ会場での解説など幅広いシーンでの利用が増えている。状況は引き続き不透明ななかで早期の本格回復は厳しいと考えられるものの、利用範囲の拡大によって緩やかながら回復傾向を見せてくると弊社では考えている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《ST》

 提供:フィスコ

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