貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6702 富士通

東証P
2,347.0円
前日比
-16.0
-0.68%
PTS
2,358円
22:01 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.1 2.46 1.19 1.49
時価総額 48,609億円
比較される銘柄
NEC, 
日立, 
パナHD

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SI Research Memo(3):データベース開発支援ツールはデファクトスタンダード(2)


■事業概要

3. ERP事業
ERP事業では完全Web型ERPパッケージ「GRANDIT」の開発、導入販売を行っている。「GRANDIT」は13社のIT企業が参画したコンソーシアム方式で運営されているERPパッケージのことで、システムインテグレータ<3826>は2004年のコンソーシアム結成時より「GRANDIT」の企画・開発に携わり、普及拡大に貢献してきた。「GRANDIT」の顧客ターゲットは年商数百億円規模の中堅企業となり、導入社数はコンソーシアム全体で1,000社超まで拡大している。「GRANDIT」の特徴は、完全WebベースのERPであり、バージョンアップ時におけるクライアント側でのメンテナンスが不要なこと、また、スマートデバイスにも対応可能なことが挙げられる。ハードウェアに依存しないため、Webが動作する環境であれば、どこでもシステムの利用が可能となる。また、13社それぞれの技術ノウハウが「GRANDIT」の製品開発に生かされるため、機能面での競争力も高い。2018年にリリースした最新版の「GRANDIT3.0」では、新たにRPAもラインナップに追加するなど日々進化を続けている。

同社の導入実績は百数十社と、コンソーシアムの中でトップの実績を誇っており、2016年、2017年と2年連続で販売実績No.1の企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を受賞している(累計5回受賞)。「GRANDIT」の基本機能を補完するアドオンモジュールとして製造業向けの「生産管理アドオンモジュール」や「継続取引管理アドオンモジュール」を、ソフトウェア業界向けには「OBPM」と連携させた「プロジェクト管理テンプレート(ITテンプレート)」などを自社開発している。

2018年の国内ERP市場は前年比2.9%増の1,129億円になったと見られる。大企業を中心に基幹システムの再構築が進んでおり、2019年以降も1ケタ台の安定成長が見込まれている。ERPベンダーは顧客規模別に棲み分けが成されており、大企業向けではSAPやOracleが強い。同社の顧客対象は従来、中堅企業向けが中心で競合品は富士通<6702>の「GLOVIA」やオービック<4684>の「OBIC7」などであったが、ここ最近は顧客ニーズの多様化に伴い受注案件も大型化する傾向にある。従来は100百万円規模の開発案件が多かったが、最近は機能追加等のニーズが増えたことにより500百万円規模の案件が増えている。売上総利益率は製品構成や仕様などによって変わるため一概には言えないが平均すると20%台の水準となり、営業利益率では8%前後で推移している。また、2019年2月期のストック売上比率は21.4%となっている。

4. その他
その他部門には、新規事業が含まれる。既に売上に貢献しているサービスとしては、2018年1月にリリースしたプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」がある。プログラミング言語に依存しない共通スキルであるアルゴリズム力を問う問題を難易度別(6段階)に組み合わせてオンラインで出題・採点し、受験者のスキルレベルを可視化するサービスとなる。技術者採用時のスクリーニングや社員向け教育研修ツールとして、また、外注先企業を選定する際のスキルチェック用としての利用が見込まれている。また、多言語に対応しているため外国人採用やオフショア企業選定の際にも活用することができる。2019年2月末の導入社数は50社近く(学校含む)と順調に拡大している。

料金プランは、従量制と年間契約の定額制に分かれている。定額制で一般企業の場合(標準プラン)、年間基本料30万円に、利用人数に応じて年間利用料が付加される(最低利用料金は30人以下の場合で24万円)。プログラミングスキル判定サービスの競合としては、(株)ギブリーの「track(トラック)」がある。同社サービスとの違いは、カバーする範囲が上流の設計分野からプログラミング分野まで広範囲にわたり、サービス料金も基本料金で月額10万円からと高価格設定となっている点が挙げられる。

その他、まだ売上貢献はしていないもののAI技術を活用した新サービスとして、2018年3月にリリースした「AISI∀-DR(Design Recognition)」、同年10月にリリースした「AISI∀-AD」がある。「AISI∀-DR」はディープラーニング技術を使って、システム画面から設計書をリバース生成するサービスとなり(特許取得済み)、「OBDZ」と連携して活用することでシステム画面から設計書作成までをワンストップで実施することが可能となる。サービス形態はオンプレミス型とクラウドサービスによる月額課金型で提供している。

また、「AISI∀-AD」はディープラーニング技術を使った画像認識による異常検知システムで、製造ラインの外観検査工程での需要を見込んでいる。従来、人が目視で検査していた工程をAI技術によって自動化する。ディープラーニングは、学習に最適な環境が整備されているMicrosoft<MSFT>のAzureクラウドを利用し、異常検知処理は高速リアルタイムに判定できるエッジコンピュータでAI判定する仕組みとなっている。検査対象物や精度などが顧客によって異なるため、個々の案件ごとに仕様を固めていく必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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