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6627 テラプローブ

東証S
5,160円
前日比
-130
-2.46%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.38 3,821
時価総額 479億円
比較される銘柄
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シキノHT
決算発表予定日

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テラプローブ Research Memo(3):主要サービスはロジック製品向け、半導体テストサービス


■事業概要

1. 事業内容
テラプローブ<6627>は台湾PTIグループの一員であり、半導体製造工程におけるウエハテスト及びファイナルテストの受託を業務としている。半導体製造工程における、ウエハテスト(前工程)、ファイナルテスト(後工程)どちらのテスト工程も受託しており、単に、顧客から指定された装置、治具及びテストプログラムによる、量産品のテストを受託するだけでなく、蓄積したノウハウを生かしてプログラム開発やプローブカード等の治具の設計の受託、デバイスの開発段階から量産段階までの一貫サポート及び提案も行う。具体的な顧客及び製品分野としては、国内・海外の半導体メーカーやファブレス企業等からのロジック、メモリなどの半導体製品のウエハテストが中心であるが、ファイナルテストの獲得、拡大にも注力している。同社は自動車産業向け品質マネジメントシステム(IATF16949)の認証を取得しており、日本と台湾の両拠点で、高品質が求められる車載半導体のテスト受託を強化してきた。

2. サービスラインナップ
同社のサービスはテストオペレーションサービスとテストディベロップメントサービスに大別されている。テストオペレーションサービスは、上記のようにウエハテストとファイナルテストを提供している。テストディベロップメントサービスは、顧客の仕様に合わせたオーダーメイド型のテストサポートサービスである。

(1) テストオペレーションサービス
主力のテストオペレーションサービスは、顧客である国内・海外メーカー、グループ会社からのテスト受託を中心に行われる。多様な半導体製品の需要増加に伴い、様々な要件に対応できるテストサービスである。オペレーションは国内最大規模のテスト専用クリーンルームにて、24時間体制で行われる。テスタ、プローバー等の装置を利用し、仕様を満たしているかどうかの電気的検査を行い、品質の良否判定を行う。オペレーションにはテストに使うテスタやプローバー、プローブカードを扱う高度なノウハウが必要だが、同社には多数のエンジニアが在籍し、経験に基づいた多くのノウハウを保有している。そのため、最適なリソース配分による作業効率性の向上や、欠陥の原因を特定する技術的解析のサポートを提供することができる。

(2) テストディベロップメントサービス
テストディベロップメントサービスは、顧客の仕様に合わせたテストを行うために、装置の選定や治工具設計開発、テストプログラミングを提案するとともに、その後の運用や保守までの総合的なサービスを提供している。半導体メーカーのコストを抑えたデバイスを考慮したテスタ・治工具の妥当性評価など様々な顧客の要望を調査・分析したうえで、顧客のニーズに適したトータルテスト・サービスを提供する。

3. 特徴・強み
同社の経営環境には、中・長期的な世界的な半導体関連需要の拡大という追い風がある。半導体製品は今後も市場成長が期待され、IoT製品、AIや自動運転、5Gなどの分野を支えるキーデバイスとして重要である。同社のテスト受託事業が強みを発揮できる理由として、多様な半導体の量産に対応できる技術・経験と規模をもっていることが挙げられる。また、最適な検査装置の選別、柔軟性や高度化が求められる環境で、顧客からの様々な要望に対して、改善・改良を行いながら取り組む企業文化がある。半導体メーカーの要望を丁寧にヒアリングするビジネススタイル、豊富な設備を最大限活用することができるノウハウが挙げられる。

同社は、九州事業所という国内最大規模の半導体テスト受託工場を持っている。

半導体製品は、製品の仕様に応じた測定装置が必要であり、かつ、技術革新と性能向上の速度が速いため、同社はそういった必要性に対応するため、継続的な設備投資をしている。既に最新のものを含む1,000台以上の多様なテスタを持ち、テスト受託可能な半導体製品の範囲が広い。2022年12月期の設備投資額は約142億円に上る。

同社は創業以来、一貫してテストサービスを専門的に行ってきた。そのため豊富な知識・経験と技術がある。まず、国内トップクラスの、蓄積された豊富なデータを所有している。そのデータを基にした分析を行い、不具合の原因究明や改善提案が可能である。また、エンジニアの育成にも力を入れ、育成期間を5年と想定して、企業目標の達成に必要なスキルの習得を促してきた。その結果、経験と知識が豊富なエンジニアが多く在籍する同社は、高い工程設計力と開発力・技術提案力に定評があり、国内だけでなく世界各国のメーカーからも信頼を寄せられている。

同社はPTIのグループ会社であり、事業拡大を推進するうえで、同社自身によるテストサービスだけでなく、新サービスでの連携も進んでいる。近年はウエハテスト工程以降の組み立て工程も一貫して受託する、いわゆるターンキーサービスの提供も行っている。日本文化の思慮深さと台湾文化の積極性が組み合わさり、サービスにも多様性を内包するシナジー効果が発揮されている。

半導体産業には国策の一面があり、半導体産業に参入するには高度な技術力と多額の資金が必要であること、継続的な研究開発の負担があること、市場が巨大で競争が激しいことが挙げられる。そのため半導体産業は、一度市場に参入した企業が長期的な優位性を維持しやすい産業とされており、この業界構造も同社の事業が安定性を持つ側面として挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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