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6089 ウィルグループ

東証P
1,069円
前日比
-4
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.9 1.52 4.12 17.94
時価総額 246億円
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ウィルグループ Research Memo(3):主要3事業が揃って2ケタ増収増益を達成


■業績動向

(1) 2016年3月期連結業績

ウィルグループ<6089>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比38.2%増の45,028百万円、営業利益が同52.2%増の1,429百万円、経常利益が同54.6%増の1,468百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同26.4%増の692百万円となり、過去最高業績を大幅に更新した。主要3事業が揃って2ケタ増収増益となったほか、その他事業も黒字に転換するなど、すべてのセグメントが好調に推移したことが要因だ。

販管費が前期比35.4%増と大幅に増加したが、これは事業規模の拡大に伴う人件費や採用費の増加が主因となっている。また、当期はクリエイティブバンクのほか、国内外合わせて8社をM&Aで取得したことで、のれん償却費が前期比88百万円増加している。当期純利益の増益率がやや低くなっているが、これは特別損失として投資有価証券評価損を110百万円計上したこと、非支配株主に帰属する当期純利益が前期の20百万円から79百万円に拡大したことなどが要因となっている。なお、EBITDAマージン(償却費控除前営業利益率)はその他事業の収益改善が進んだことにより、前期比0.5ポイント上昇の3.8%となった。

a)セールスアウトソーシング事業
セールスアウトソーシング事業の業績は、売上高が前期比33.0%増の17,359百万円、セグメント利益が同17.2%増の1,219百万円となった。国内の携帯電話販売台数は4年連続でマイナス成長となるなど市場環境は全体として頭打ちの傾向となっているが、SIMフリー端末の台頭や光コラボなど新規商材が増加していることもあって、販売スタッフの需要は底堅く推移している。こうしたなか、同社の売上高が好調に推移した要因としては、既存顧客のインストアシェア拡大と、業務請負案件が増加したことが挙げられる。顧客企業では市場が伸びないなかで販売費用の効率化を目的に派遣企業の絞り込みを進めていることも、同社のシェアが拡大している要因になっていると考えられる。また、クリエイティブバンクの収益が第2四半期より加わったほか、当期より開始した官公庁向け人材サービスも売上増に貢献した。

利益面では、利益率の高い業務請負の比率が上昇したことで売上総利益率が向上し、人件費や採用費、のれん償却費などの増加を売上総利益の増加で吸収して、2ケタ増益を達成した。なお、四半期ベースで見ると当第4四半期が前年同期比で減益となったが、これは前年同期に入っていた高採算案件がなくなったことが主因となっている。

b)コールセンターアウトソーシング事業
コールセンターアウトソーシング事業の業績は、売上高が前期比21.8%増の9,938百万円、セグメント利益が同22.5%増の641百万円となった。スマートフォンの普及拡大や高機能化を背景に、端末の動作説明やサービス内容の説明を行うオペレーターの需要が拡大していることが要因となっている。また、ハイブリッド派遣を推進することでインストアシェアも拡大しており、四半期ベースでも右肩上がりの増収増益が続いている。

c)ファクトリーアウトソーシング事業
ファクトリーアウトソーシング事業の業績は、売上高が前期比37.3%増の10,346百万円、セグメント利益が同32.9%増の568百万円となった。総菜やコンビニエンスストア向けのスイーツ、弁当など中食市場の拡大を背景に、食品製造業向けの受注が好調に推移したほか、営業拠点の拡大や物流業界などその他業種向けの受注獲得も進めたことが大幅増収につながった。利益面では営業拠点の拡大を進めたことで、人件費や採用費等が増加したものの増収効果によってカバーし、2ケタ増益を達成した。

d)その他の事業
その他の事業の業績は、売上高が前期比92.5%増の7,383百万円、セグメント利益が106百万円(前期は117百万円の損失)となった。2014年3月期より事業を開始した介護人材派遣事業の売上高が前期の5億円から26億円に急増したほか、オフィス派遣も新規顧客の開拓により前期比5.9億円の増収となったこと、また、海外事業も2014年8月に子会社化したシンガポールのScience Consulting 社の業績が通期フル寄与したことで、前期比4.6億円の増収となったことなどが寄与した。そのほか、インターネット、IoTベンチャー企業向けに幹部人材を紹介する「NET jinzai bank」サービスも、近年のIPOブームを背景に順調に拡大した。

利益面では、利益率の高い「NET jinzai bank」を始め、多くのサービスで増益または赤字幅が縮小したことにより、黒字転換している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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