ファーストロジ Research Memo:15年7月期は予想通りの着地へ、成長軌道ながら当面は新サービスへの投資も先行
ファーストロジック<6037>は、投資用不動産に特化した国内最大の不動産ポータルサイト「楽待」を運営している。物件の掲載数の国内シェアは40%を超えてきており、今後は更に知名度の向上によるマーケティングコスト比率の低下などポジティブフィードバックが想定される局面にある。また、不動産投資家がより効率的な賃貸経営をするために、さまざまなパートナーを探せるサービス「大家さんの味方」も新サービスとしてリリース。2016年7月期を投資の時期と位置づけて育成する方針。なお、ヤフーとの提携も同社がカテゴリーNO.1という証で、PV増に寄与すること間違いない。ただし、PVの増加が広告主(物件掲載主)に効果として認識され、収益に結びつくのは早くて2016年7月期の後半という認識が必要だろう。
2015年7月期は売上高で前期比50.4%増の868百万円、営業利益で同54.7%増の424百万円、経常利益で同50.1%増の413百万円、当期純利益で同61.5%増の256百万円と大幅な増収増益が見込まれている。第3四半期までの累積業績は売上高が650百万円、営業利益が359百万円、経常利益が348百万円、四半期純利益が215百万円と高い達成率であるものの、「大家さんの味方」など新サービスへの投資なども先行することから、予想数値の大きな変更はないと想定される。
2016年7月期は引き続き高い売上高成長が予想される。売上高の増加額ペースは現状の延長線上に引いてよかろう。一方、「大家さんの味方」への投資も先行する。今回7月29日のリリース時においては塗装工事の一括見積りサービスの受付を開始した。リリース時点で加盟業者は約300社、全国の市区郡カバー率は90%以上という内容である。今後も同様のサービスメニューを20程度追加するため、売上高営業利益率は現状の50%からやや低下する可能性があるだろう。利益成長が最も加速するのは、早くて2017年7月期となろう。その頃にはヤフーとの提携による効果も収益寄与しているものと想定される。
投資用不動産ポータルサイトという業界は成長段階にある。トップシェアの同社自身が依然としてユニークユーザー増、PV増という段階にあり、不動産業界の広告費なども考慮すれば、業界のパイ自体が拡大すると想定される局面にある。同社が手掛けるポータルサイトなどのプラットフォーム型事業は寡占化が進みやすいというインターネット業界の特性から同社シェアの更なる増大も予想される。「大家さんの味方」については予想を加える段階にないが、それ自体が収益化しなくとも、「楽待」の競争力を高める効果は十分に期待できる。
■Check Point
・ヤフーとの提携による収益寄与は早くて2016年7月期の後半か
・投資用不動産ポータルサイトという業界は成長段階
・インターネット業界の特性からは同社シェアの更なる増大も
(執筆:フィスコアナリスト)
《RT》
提供:フィスコ