貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4776 サイボウズ

東証P
1,625円
前日比
-10
-0.61%
PTS
1,632.5円
23:07 05/08
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
38.2 6.88 0.92 18.74
時価総額 857億円
比較される銘柄
チェンジHD, 
テラスカイ, 
SBテク
決算発表予定日

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USENNEX Research Memo(5):個人向けコンテンツ配信や店舗・施設向け運営支援サービスなどを展開(3)


■会社概要

(3) 通信事業
通信事業では、ブロードバンドインターネット回線の販売代理、オフィスのICT(Information and Communication Technology)環境構築の提案・販売、個人向けMVNOサービス「y.u mobile(ワイユーモバイル)」の提供、個人向けブロードバンドインターネット回線の提供・販売を行っている。ICT環境の構築では、「マルチサービスベンダー」として、Googleやサイボウズ<4776>などのクラウドサービスやモバイルサービス、データセンターサービスといったSaaSに連なる様々なICT商材やソリューションサービスを法人向けに提供している。変化の激しいICT業界で安定成長を続けるUSEN-NEXT HOLDINGS<9418>の強みは、マルチベンダー戦略によるサービスラインナップの幅広さと、1つの窓口ですべて対応できる利便性の高い直販営業にある。また、オフィスで働く従業員のため、「Sound Design for OFFICE」をはじめとするBGMサービスの提案や、従業員の働き方をサポートするための様々なクラウドサービス(SaaSサービス)を取りそろえ、各企業のニーズにマッチした業務環境改善を提案している。競争激化のリスクもあるが、オフィスや業務店がデジタル化や業務効率化、セキュリティ対策のニーズを強めているため、高成長サービスとして期待が大きい。

オフィス向けブロードバンドインターネット回線では、取次から好採算の自社光回線サービスへとスイッチを進めるとともに、業務店向けにアップセル商材として販売を強化している。ほかに、個人向けMVNOサービス「y.u mobile」はシンプルな料金プランによりサービス提供開始以来好調で、個人向けブロードバンドインターネット回線はテレワークなどで利用場面が拡大している。通信事業の強みは、店舗サービス事業とのシナジーや250社にのぼる代理店による販売促進にある。不動産業界とのネットワークも強みで、大手賃貸住宅では入居者向け通信回線を一括提供している。

(4) 業務用システム事業
業務用システム事業は子会社のアルメックスが行っている。「テクノホスピタリティ(technology×hospitality)を世界へ」をスローガンに、最新のテクノロジーを駆使した製品やサービスによって、顧客とその先にいるエンドユーザーに「究極のホスピタリティ」を提供することを目指している。一般ホテルやレジャーホテル、総合病院・クリニック、ゴルフ場などに向けて、自動精算機やフロント業務管理システム、飲食店向けにはオーダー端末やオペレーティングシステムなど、省人化・省力化に対応した最新機器の開発・製造・販売を行っている。このほか、ランニング収益となる保守/メンテナンスやソフトウェア更新サービスなども行っている。国内対象施設への納入実績はクリニックを除き高いシェアにあり、なかでも自動精算機は同社によるとトップシェアだと言う。同事業の強みは、ファブレスメーカーとして、機器やシステムの開発から販売、メンテナンスまでを独自で行っているところにある。

市場環境に関しては、患者の利便性向上に向け動き出した医療業界や、ウィズコロナのなかで旅行支援政策による国内旅行や入国制限緩和によるインバウンドの回復が続くホテル業界において、DXによる省人化・省力化へのニーズが高まっている。なかでも同社のオンライン資格確認対応の顔認証付きカードリーダー「Sma-paマイナタッチ」は、非接触フレームに加えて健康保険証や公費医療券などカードベースの各種証明書の読み取りが可能な独自機能を搭載しているため、総合病院から中小クリニックまで好評である。ゴルフ場や小売、ペットクリニックなど隣接市場においても同社機器に対する親和性から大きな需要があると考えられており、中期的に比較的高い成長が期待されている。しかしホテル業界や医療業界などでの需要拡大が期待されたが、後述するように、短期的には新紙幣発行までの様子見や急速な繁忙により出遅れている印象である。

(5) エネルギー事業
エネルギー事業は2016年の電力販売の自由化を受けて立ち上げた事業で、業務提携している東京電力ホールディングス<9501>(以下、東京電力)から、相対で仕入れた低リスクの高圧/低圧の電力を、「USENでんき」を通じて東京電力エリア外にある同社顧客の業務店(低圧電力)や商業施設(高圧電力)に販売している。さらに、「USEN GAS」を通じた都市ガスの取次販売、LEDや業務用エアコンなど使った省エネなどのコンサルティングサービスも行っており、店舗サービス事業における新規顧客の獲得やクロスセルのきっかけとなる商材として注力している。

取次モデルの「USENでんき」に対して、自社調達モデルの「U-POWER」の提供を2022年3月に開始した。企業や店舗のSDGs対応や環境保全意識の高まりを受け、グリーンエネルギー比率が異なる低圧3プランと市場連動型/ハイブリッド型の高圧2プランを用意し、店舗や施設のエネルギーのグリーン化を支援している。特徴は、自社調達モデルのため電力卸価格高騰時に顧客への価格転嫁が可能で売上総利益が逆ざやとなるリスクがなく、取次モデルより収益性が高いところにある。足元ではエネルギー価格の高騰などを背景に既存の地域電力との競争が激化して立ち行かなくなる新電力が多いなか、「U-POWER」は自社調達ゆえの供給能力やSDGs対応、全国一括契約が好評で、「USENでんき」解約意向の既存顧客の足止めや退出した新電力の受け皿として非常に好調に推移している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《YI》

 提供:フィスコ

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