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4249 森六ホールディングス

東証P
2,708円
前日比
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.6 0.55 3.69 30.86
時価総額 419億円
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決算発表予定日

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森六 Research Memo(7):2023年3月期2Qは客先の減産で営業損失だが想定内(1)


■業績動向

1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
森六ホールディングス<4249>の2023年3月期第2四半期の業績は、売上高69,378百万円(前年同期比10.2%増)、営業損失42百万円(前年同期は953百万円の利益)、経常利益330百万円(同71.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失615百万円(前年同期は2,419百万円の利益)となった。営業損失であったが、営業外収益に為替差益426百万円を計上したことから経常損益では利益を計上した。しかし、当期純損益では、一部子会社の繰越欠損金に対する、繰延税金資産を計上しなかった影響で税負担が増加し、当期純損失となった。また前年同期に特別利益として投資有価証券売却益を計上したことから、前年同期比では金額は大幅減となった。設備投資額は4,077百万円、減価償却費は4,097百万円、研究開発費は1,485百万円であった。

事業セグメント別では、樹脂加工製品事業は為替の影響もあり増収となったが、急激な生産変動による稼働ロスとインフレ影響により生産効率が悪化したことから営業損失を計上した。ケミカル事業は、ナフサ高騰に伴う販売価格の上昇と為替の影響もあり、増収増益となった。

(2) 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2023年3月期第2四半期末における流動資産は78,068百万円(前期末比1,010百万円増)であったが、主に現金及び預金の増加649百万円、売上債権の増加886百万円、在庫の減少577百万円による。固定資産は63,887百万円(同3,820百万円増)であったが、主に設備投資による有形固定資産の増加4,474百万円、政策保有株式の売却等による投資その他の資産の減少677百万円などによる。これらの結果、資産合計は141,955百万円(同4,830百万円増)となった。

流動負債は59,442百万円(同3,480百万円増)であった。主に買入債務の減少197百万円、短期借入金等の増加4,301百万円などによる。固定負債は9,176百万円(同80百万円増)であった。主に長期借入金の増加398百万円、繰延税金負債の減少488百万円などによる。これらの結果、負債合計は68,618百万円(同3,561百万円増)となった。なお、長期借入金と短期借入金を合計した有利子負債残高は30,753百万円(同4,700百万円増)であった。

純資産合計は73,337百万円(同1,269百万円増)であった。親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少1,366百万円、その他有価証券評価差額金の減少470百万円、為替換算調整勘定の増加3,822百万円などによる。この結果、2023年3月期第2四半期末の自己資本比率は50.8%(前期末51.6%)となり、50%を維持した。

2023年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは3,109百万円の収入となった。主な収入科目は、税金等調整前四半期純利益の計上464百万円、減価償却費4,097百万円、売上債権の減少1,184百万円、棚卸資産の減少2,128百万円などで、主な支出科目は、仕入債務の減少1,537百万円などとなっている。

投資活動によるキャッシュ・フローは、4,062百万円の支出となったが、主に設備投資による有形固定資産の取得による支出4,043百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは553百万円の収入だったが、主な収入科目は長短借入金の増加(ネット)1,514百万円、主な支出科目は配当金の支払額751百万円などであった。この結果、現金及び現金同等物は633百万円の増加となり、2023年3月期第2四半期末残高は18,992百万円となった。

2. 事業セグメント別動向
(1) 樹脂加工製品事業
2023年3月期第2四半期の樹脂加工製品事業の売上高は54,599百万円(前年同期比9.9%増)、営業損失884百万円(前年同期は110百万円の利益)であった。半導体供給不足や上海ロックダウンの影響による主要顧客の減産があり、為替影響を除くと、実質的には減収であった。利益面では、生産台数が減少するなか、北米を中心とした急激な生産変動による稼働ロスやインフレの影響により、営業損失を計上した。

営業利益の増減要因(前年同期比)を分析すると、減益要因は、為替による業績への影響で156百万円減、生産変動による影響で735百万円減、自社調達品の影響で341百万円減、賃上げによる影響で76百万円減、エネルギー価格の高騰で114百万円減、運賃の上昇で15百万円減、頻繁な生産計画変動による原材料の上昇で232百万円減、同様に生産計画の変動による労務費の上昇で292百万円減、研究開発強化により63百万円減、その他費用の増加で59百万円減などであった。増益要因は、金型の売上により304百万円増、コスト改善により300百万円増、減価償却費により261百万円増、特殊要因(前期にメキシコで発生した緊急対応)の消失で224百万円増などであった。この結果、営業利益は、前年同期比で994百万円減少した。

(2) ケミカル事業
2023年3月期第2四半期のケミカル事業の売上高は14,779百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益は953百万円(同3.9%増)となった。

営業利益の増減要因(前年同期比)を分析すると、モビリティでは自動車の減産の影響やスマホの低迷により36百万円の減益、ライフサイエンスは製品の販売増に加えて価格転嫁が進んだことから78百万円の増益、ファインケミカルも同様に価格転嫁の影響もあり153百万円の増益、ものづくりでは原材料費のアップに対して販売転嫁が遅れたことから116百万円の減益となった。加えて、販管費が104百万円増加(内訳は、人件費49百万円増、旅費交通費35百万円増、運賃保管料15百万円増、交際費9百万円増)、さらに為替の影響(増益要因)が61百万円あったことから、営業利益は35百万円増となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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