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4215 タキロンシーアイ

東証P
651円
前日比
+3
+0.46%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.7 0.68 3.38 7.06
時価総額 635億円
比較される銘柄
UBE, 
積水樹, 
東応化
決算発表予定日

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タキロンCI Research Memo(3):様々な分野の樹脂製品に対応


■タキロンシーアイ<4215>の事業概要

1.事業内容
(1) 建築資材事業
建築資材事業本部では、美観・快適性・利便性・意匠性を追求した耐久性の高い製品や、防災・減災に対応した製品などを製造販売している。また、製造工程を省エネ化し、リサイクル材・バイオ系原料を導入するなど、カーボンニュートラルを推進しており、顧客の安心・安全へのニーズに応えるサステナブルな住環境と都市環境を創造している。同事業は住設建材事業と床・建装事業に大別され、住設建材事業では、住宅建築に欠かすことのできない雨どいや排水ますといった水処理製品や、脱炭素社会に最適なポリカーボネート樹脂製高断熱中空パネル「ルメウォール」など、住宅・非住宅を問わず使用される建材を幅広く扱っている。床・建装事業では、プールサイドやマンションの廊下・階段などで使う、人の安全を守る防滑性ビニル床シートのほか、インテリアや建築物の意匠性を高める化粧フィルムなどを扱っている。

同事業の強みは、ポリカーボネートの成形・加工技術、ポリカーボネート建材国内随一の製造能力、ポリカーボネート採光建材や防滑性ビニル床シートなどトップシェアを有する製品群、建装材を機能化する総合的な開発力、欧州生産拠点によるグローバル展開、などにある。こうした強みを背景に、水災対策製品として新たに、軽くて丈夫なプラスチックの特性を生かした箱型簡易止水板「フラッドセーフボックス」を開発した。近年頻発する豪雨など異常気象による浸水に対して、接地面・躯体・連結部からの漏水を抑える底板やパッキンを備え、組み立てて並べて置くだけで設置でき、簡単に収納できるという特徴がある。このため、緊急時の備えとして、自治体やマンション、工場などに提案をしているところである。

(2) 環境資材事業
環境資材事業では、農業の生産性を高める農業用資材や、社会インフラの機能や安全性を支える土木資材などを製造販売している。事業はアグリ事業とインフラマテリアル事業があり、アグリ事業では、野菜や果実の栽培に最適な環境を提供する高機能農業用フィルムや包装資材、灌水チューブなどの資材を扱っている。インフラマテリアル事業では、施設の長寿命化や災害対応力を高める防水・遮水シート、水膨張性止水材、高密度ポリエチレン管といった、社会インフラを支える土木資材の製造・施工を行っている。

同事業の強みは、業界シェアの高さ、生産技術力、営業体制・顧客サポート力、製販から設計・加工・施工までの対応力などにある。こうした強みを生かし、太陽光パネルの下に敷いて太陽光を反射することで高効率な発電が可能になる多機能シート「マルチライニング」を開発した。輻射熱を抑えて火災リスクを軽減し、防草マットとの一体加工で20年以上の防草効果を発揮するうえ、遮水機能により土壌の保護や災害・環境汚染の予防にもなり、低コストで安心・安全な太陽光発電の管理をサポートすることができる。

(3) 高機能材事業
高機能材事業では、グローバルに建設が進む半導体工場や製造装置向けに、工業用プレートや制電プレートなどの樹脂プレートなどを提供している。ほかに切削材料、ナノ材料、エンプラ素材、高品質メガネ向けアセテート板なども扱っている。カメラなどに使われるマイクロモータも製造しており、医療・ロボットなどの新市場の開拓を進めるとともに、ギアやエンコーダといった高機能製品のラインナップ拡充も図っている。さらに、環境配慮型製品の開発にも積極的に取り組んでいる。

同事業の強みは、業界で長年蓄積してきた技術力、顧客ニーズに合わせた高機能化、豊富な品揃え、強固な販売ネットワーク、高い品質とブランド力、などにある。こうした強みを生かし、リサイクル材料を99%使用した業界初の環境配慮型ポリカーボネートプレート「PCECO」を開発した。耐衝撃性や透明性はバージン材と遜色ないうえ、原料調達から製造までに排出されるCO2を約90%削減、「エコマーク商品」に認定されている。

(4) 機能フィルム事業
機能フィルム事業では、日常生活で触れる機会の多いシュリンクフィルム(熱収縮フィルム)やジッパーテープなど軽包装材料を主力商品に、欧米を中心にグローバル展開している。「ボンセット」は同社のシュリンクフィルムのブランドで、ペットボトルのラベルやキャップシール、成形品など様々な用途・内容物に用いられている。「サンジップ」も同社のジッパーテープのブランドで、食品や医薬の包装用パウチなど多くの分野で使用されており、特に食品向けはコロナ禍で衛生観念が高まったことを受けて需要が拡大した。

同事業の強みは、長年蓄積された製造加工技術とノウハウ、独自の配合技術で様々な用途に合わせて製造した多様な製品、グローバルな最適地生産・販売体制、BCP対応、金型の内製化によるきめ細かな対応、生分解やモノマテリアル、バイオマスによる環境配慮型製品の開発、などにある。こうした強みを生かし、ペットボトルのラベルを剥がして捨てる習慣のない米国向けに、環境配慮型ラベル用シュリンクフィルム「Bonpet Renew」を開発した。ペットボトルからラベルを外さなくてもリサイクルできるため、米国におけるペットボトルのリサイクル率向上に貢献すると期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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