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4170 カイゼン

東証G
260円
前日比
+10
+4.00%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.39 33.17
時価総額 43.9億円
決算発表予定日

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KaizenPF Research Memo(1):企業のDXや社会課題解決に貢献するDXアクセラレーションパートナー


■要約

Kaizen Platform<4170>は、ミッションに「KAIZEN the World なめらかな働き方で世界をカイゼンする」を掲げ、DX(Digital transformation)を通じて世界をカイゼンし、社会課題を解決することを目指している。SaaSとコンサルティングとプロフェッショナルサービスを組み合わせることで、顧客企業のDX課題解決や社会課題解決に貢献するDXアクセラレーションパートナーである。

1. 顧客体験DXで企業課題のカイゼンを支援する「KAIZEN PLATFORM」サービス
顧客体験DXで企業課題のカイゼンを支援する「KAIZEN PLATFORM」サービスとして、動画ソリューション、UX(User Experience=顧客体験)ソリューション、DXソリューションを提供している。さらに、2021年8月に(株)ディーゼロを子会社化してWebサイト制作・改善、2022年10月に(株)ハイウェルを子会社化してSES事業を加えた。なお、セグメント区分を2023年12月期第1四半期より変更し、グロース(従来のUX/DXソリューションのうちディーゼロを含むWebサイト制作・改善及びCRM改善、集客改善の動画ソリューション)と、トランスフォーメーション(従来のUX/DXソリューションのうちDXに関するコンサルティング/ワークショップ、及び子会社化したハイウェルのSES事業)の2区分とした。組織及び提供サービスも再編し、上流(コンサルティング)から入り下流(制作・BPO・SES)で稼ぐ体制を構築した。そして、グループシナジーによりリカーリング売上(継続収益)の拡大とARPU(Average Revenue Per User=1ユーザー当たりの平均収益)の向上を推進している。

2. グロースハッカー(成長請負人)ネットワークを活用したビジネスモデルが特徴
同社の「KAIZEN PLATFORM」サービスのビジネスモデルは、プラットフォーム上でグロースハッカー(Webサイトの効果や収益を高め、企業やサービスを成長させる施策を行う成長請負人)と呼ぶデジタル専門人材のネットワークを活用していることを特徴・強みとしている。顧客の課題やニーズを踏まえて、同社従業員のPM(プロジェクトマネジメント)の下、最適なグロースハッカーのチームを組成して顧客の課題解決に取り組む。グロースハッカーネットワークにはクリエイターやエンジニアなど様々な領域の専門スキルを持つ人材が在籍しており、それぞれの専門領域や得意分野に基づいて役割を割り当て、フルリモートでプロジェクトを進める。過去に実施してきた1,200社超、5万件超の豊富な改善事例とデータ蓄積も最大限活用して、プラットフォームを通じてフィードバックしながら改善を進めている。

3. 2023年12月期第2四半期累計はEBITDA減益・営業損失
2023年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比49.4%増の2,103百万円、EBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却額+株式報酬費用)が同74.3%減の43百万円、営業利益が85百万円の損失(前年同期は43百万円の利益)、経常利益が86百万円の損失(同27百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が104百万円の損失(同0百万円の損失)だった。売上面は既存事業の成長にハイウェルの新規連結も寄与して大幅増収だが、動画ソリューションにおけるクライアントポートフォリオ戦略転換の影響、ハイウェルの新規連結に伴う人件費の増加などにより、EBITDA 減益・営業損失だった。ARPUはグロースが前年同期比2%減の3,270千円、トランスフォーメーションが同37%減の3,969千円だった。グロースは集客改善(動画ソリューション)におけるクライアントポートフォリオ戦略転換の影響、トランスフォーメーションはハイウェルの新規連結により、いずれもARPUが減少する形となったが、下期からの反転を想定している。

4. 2023年12月期通期はEBITDA増益・営業黒字予想
2023年12月期通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比68.7%増の4,500百万円、EBITDAが同26.5%増の200百万円、営業利益が30百万円(前期は102百万円の損失)、経常利益が3百万円(同127百万円の損失)、親会社株に主帰属する当期純利益が0百万円(同285百万円の損失)としている。将来の成長を見据えて人材拡充などの先行投資を継続するが、クロスセル・アップセル戦略の進展に加えて、子会社ハイウェルの通期連結も寄与して大幅増収、EBITDA増益、営業黒字予想としている。第2四半期累計は集客改善が回復途上のためEBITDA 減益・営業損失だったが、クロスセル・アップセル戦略によるリカーリング売上拡大やARPU向上が進展し、下期からの回復により通期会社予想の達成は可能と弊社では考えている。

5. グループシナジーでARPU向上目指す
同社は中期経営計画を公表していないが、成長に向けた基本戦略として、DX市場の中でも特に非対面ニーズが高く、市場成長性の高い営業・マーケティング・カスタマーサービス分野のDX市場をコアターゲットとしている。また、グループシナジーやクライアントポートフォリオ転換を推進し、大企業向けを中心にリカーリング売上拡大やARPU向上を加速させる方針としている。DXの進展にあたっての最大のボトルネックは人材不足だが、同社には、プラットフォーム上で専門スキルを持った1万人超のグロースハッカーネットワークを構築している強みがある。さらなる成長戦略として顧客の課題に合わせて提供サービスを再編・拡充する方針だ。このためM&A・アライアンスも積極活用する方針である。

■Key Points
・顧客体験DXで企業課題のカイゼンを支援する「KAIZEN PLATFORM」サービスを提供
・2023年12月期第2四半期累計は販管費増加などでEBITDA減益・営業損失
・2023年12月期通期はクロスセル・アップセル戦略を加速してEBITDA増益・営業黒字予想
・グループシナジーでARPU向上を目指す
・中長期成長ポテンシャル大きい、ARPU向上の進捗状況に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YI》

 提供:フィスコ

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