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4055 ティアンドエス

東証G
1,694円
前日比
-7
-0.41%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
26.7 5.80 0.50 1.56
時価総額 129億円
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ティアンドエス Research Memo(8):顧客ファースト、オンリーワン技術、経営基盤強化の3本柱


■中期の成長戦略

● 企業価値向上に向けた具体的施策
2022年11月期~2024年11月期の3年間でティアンドエス<4055>は、収益基盤であるソリューションカテゴリーを着実に成長させながら、そこから生まれたキャッシュを安定分野である半導体カテゴリー、成長分野である先進技術ソリューションカテゴリーに重点的に投資し、企業価値の向上を目指す考えだ。

具体的には、以下の3つの観点から事業を推進する。

(1) 顧客ファーストの推進
・半導体工場を有する顧客との強固な関係を維持する
・NAND Flashメモリ工場の今後の計画的な増設に対応するため、安定的にエンジニアを派遣する体制を整える
・事業領域に特化せず、開発バリューチェーン全体を網羅し、顧客の要求する技術及び人材提供モデルに柔軟に対応する

上記の基本的な方針の下、地方拠点の拡充やメモリ工場増設への対応、人員採用(年間10%の人員増)、エンジニアの養成、徹底的な品質管理とトラブルゼロに取り組んでいる。これらの各種施策は、総じて順調に進行していると弊社は見ている。人員採用に関しては、労働市場におけるエンジニアの需給が逼迫気味ななか、2022年11月期の増員率が前期比2.9%と苦戦を強いられたものの、2023年11月期以降に巻き返しを図る計画である。具体的には、優秀な人材を確保するために人材開発室を新たに設置したほか、コーポレートサイトの採用ページのリニューアルも実施している。これらの施策によって、新規採用を強化する方針だ。

(2) Only One Technologyの獲得
・東北大学との研究開発を継続し、他社との差別化を図る
・研究成果として期待されるスピントロニクス技術を活用したソフトウェア開発業務を受託し、収益化を図る

上記の基本的方針の下、長期的視点にたったR&D体制の強化や東北大学との共同研究契約更新、AIアルゴリズム研究支援のための知見の増強に取り組んでいる。サポイン事業(中小企業庁による戦略的基盤技術高度化支援事業)や共同研究を推進しているほか、東北大学とは3本の共同研究契約を更新するなど、総じて順調に進捗していることがうかがえる。加えて、先進技術ソリューションカテゴリーにおけるAIアルゴリズム研究支援業務が大幅に伸長し、業務を通じて最先端の知見が蓄積されている状況だ。

(3) 経営基盤強化
・ガバナンスの強化を図る
・今後の事業拡大のため、優秀な人財の獲得と育成を図る
・経営効率向上のためのDX推進を図る
・サステナブル経営の推進を図る

上記の基本方針の下、内部監査体制(J-SOX)への対応強化や人材育成の機能強化、社内システムのDX推進、サステナブル経営の推進に取り組んでいる。特に、人材育成の機能強化に関しては、人材開発室の新設によって、教育体制の強化を図る。顧客ニーズに対応できる人材リソースを提供するために、新規採用に加えて既存人材の教育にも注力する構えだ。そのほか基幹システムの導入によるDXの促進など、生産性の向上にも積極的に取り組んでいる。

また、業績拡大の手段として、M&Aも検討している。同社の事業とシナジーを見込める企業があった場合は、買収の選択肢として浮上してくることになりそうだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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