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3930 はてな

東証G
744円
前日比
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PER PBR 利回り 信用倍率
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時価総額 22.8億円
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はてな Research Memo(1):テクノロジーソリューションサービスをけん引役に、2024年7月期以降は成長加速


■要約

はてな<3930>は、2001年設立のインターネットサービス企業である。Webサイト上にユーザーがコンテンツを作成・投稿し、他のユーザーが閲覧するUGC(User Generated Content)サービスで市場をリードしてきた。国内最大級のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」やブログサービス「はてなブログ」などのコンテンツプラットフォームサービスをベースに、その技術・ノウハウを生かして、コンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービス等へと展開している。売上高の5割弱をSaaS等のストック型収入で占めている。

1. 2023年7月期第2四半期累計業績の概要
2023年7月期第2四半期累計(2022年8月~2023年1月)の業績は、売上高で前年同期比2.7%増の1,568百万円、営業利益で同46.2%減の99百万円と増収減益となったものの、会社計画に対しては順調な進捗となった。広告収入が低迷したコンテンツプラットフォームサービスと、大型顧客の運用停止等の影響を受けたコンテンツマーケティングサービスがそれぞれ減収となったものの、マンガビューア「GigaViewer(ギガビューワ)」やSaaS型サーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を中心としたテクノロジーソリューションサービスの増収でカバーし、売上高は半期ベースで過去最高を更新した。利益面では、データセンター(以下、DC)利用料やサービス開発推進のための外注費・業務委託費等の増加が減益要因となったが、事業費用については想定の範囲内であった。

2. 2023年7月期業績の見通し
2023年7月期の業績は、売上高で前期比4.0%増の3,184百万円、営業利益で同54.8%減の147百万円と期初計画を据え置いた。売上高は、テクノロジーソリューションサービスが同11.2%増と2ケタ成長を持続するものの、コンテンツプラットフォームサービスが同10.5%減、コンテンツマーケティングサービスが同3.5%減とそれぞれ減収見込みとなっている。コンテンツプラットフォームサービスはアドネットワーク広告単価の急回復を見込まず、広告収入、課金収入ともに下期も上期並みの水準が続くと見ている。また、コンテンツマーケティングサービスは「はてなブログMedia」の運用件数が計画の144件(前期末比16件増)に対して第2四半期末で129件に留まっていることに加え、1件当たりの平均売上高も想定を下回っており、通期ではやや計画を下回る可能性がある。なお、テクノロジーソリューションサービスは「GigaViewer」のアプリ版で大型案件を受注していることや「Mackerel」の成長により、下期も順調な成長を見込んでいる。一方、費用面では人件費で同6.7%増、DC利用料で同18.5%増、その他費用で同14.5%増を計画している。人員については第2四半期末時点で通期採用目標数に到達(内定受託者含む)しており、2024年7月期以降の成長に向けた体制強化が順調に進んでいる。

3. 中期成長見通し
同社は中期目標として、2025年7月期に売上高40億円突破を掲げている。2024年7月期以降は3サービスすべてで売上を拡大し、年率15%増と成長を加速していく考えだ。けん引役となるのはテクノロジーソリューションサービスで、特にマンガビューアの高成長を見込んでいる。「GigaViewer」はWeb版の導入を中心に進め、2023年2月末時点で15社21メディア(Web版「GigaViewer for Web 」20メディア、アプリ版「GigaViewer for Apps 」1メディア)に導入されるなど好調に推移している。同社はWeb版導入メディアへのアプリ版導入や、アプリ版の機能拡充(ポイント、課金機能等)を推進することで、2024年7月期以降の課金・広告出稿代理(レベニューシェア)の拡大を目指している。一方、低迷が続いているコンテンツプラットフォームサービスは、「はてなブログ」で良質なコンテンツを増やし、書き手の収益化を支援する新たなサービスの導入について検討を進めている。コンテンツマーケティングサービスでは、運用件数の拡大とメディア当たり売上単価の向上のほか、SNS公式アカウントの運用支援などに領域を拡げていく。これらの戦略を推進することで2024年7月期以降は売上成長率が加速し、営業利益率も上昇に転じるものと弊社では予想している。

■Key Points
・マンガビューワ「GigaViewer」は新たに1媒体の大型案件を受注
・2023年7月期業績は期初計画を据え置き、2024年7月期以降の成長を見据えた投資を継続
・テクノロジーソリューションサービスがけん引役となり、2024年7月期以降は2ケタ成長へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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