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3878 巴川コーポレーション

東証S
908円
前日比
-30
-3.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.1 0.71 1.65 17.17
時価総額 94.3億円
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決算発表予定日

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巴川紙 Research Memo(5):2026年3月期目標の営業利益2,000百万円を前倒しで達成


■業績動向

1. 2023年3月期の連結業績概要
巴川製紙所<3878>の2023年3月期の連結業績は売上高34,170百万円(前期比4.2%増)、営業利益2,052百万円(同3.5%増)、経常利益2,151百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,451百万円(同12.1%減)となった。同社は2022年7月22日に期初計画を増額修正し、売上高34,500百万円、営業利益1,500百万円、経常利益1,550百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円としており、予想に対し売上高では未達成も、営業利益は552百万円増額での着地となり、中期経営計画での2026年3月期営業利益目標2,000百万円を前倒しで達成することとなった。この要因は、トナー事業で新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が緩和され売上高が回復し、利益面では構造改革や固定費削減が進み、円安進行もあったことが寄与している。

営業利益の増減要因分析では、主に、増販影響が6億円、為替影響が9億円、その他抄紙機停機等のコストダウンによる2億円の利益増加要因に対し、原燃料価格の上昇による15億円の減益影響等があり、営業利益は微増益となった。なお経常利益については、持分法適用関連会社の収益悪化から、持分法による投資利益が176百万円(前期比283百万円減、61.7%減)となり、営業外損益が229百万円悪化し経常利益は減益となった。

2. セグメント別業績
(1) トナー事業
トナー事業は、売上高13,531百万円(前期比10.0%増)、営業利益2,093百万円(同74.7%増)となった。売上面では、引き続き市場の需要動向が堅調で受注が増加、為替の円安効果も寄与した。利益面では原燃料高の影響はあったものの、販売価格の是正、円安による海外関連の売上の嵩上げ効果などもあり、大幅な収益改善となり増益を確保した。

(2) 電子材料事業
電子材料事業は、売上高5,634百万円(前期比8.0%減)、営業利益186百万円(同80.8%減)となった。上期まで好調に推移した半導体、電子材料市場が調整局面に入り需要が低迷、光学フィルム関連は前年の一過性特需の剥落で販売が減少、全体で減収となった。利益面では光学フィルムの減収、半導体関連事業の市況悪化が響き大幅減益となった。

(3) 機能紙事業
機能紙事業は、売上高10,769百万円(前期比5.6%増)、営業損失は72百万円(前期は162百万円の損失)となった。売上面では既存事業が縮小のなかで、一部成長商品の拡販、また一部で価格改定効果もあり増収を確保した。利益面では2019年12月に実施した7号抄紙機の停機、2022年3月の9号抄紙機停機を含む構造改革で利益計上を目指したものの、原燃料調達価格上昇の影響から損失縮小ながら黒字化には至らなかった。

(4) セキュリティメディア事業
セキュリティメディア事業は、売上高3,985百万円(前期比1.4%増)、営業利益224百万円(前期比12.9%減)となった。売上面では通帳類等主要製品の需要が引き続き停滞したものの、カード関連などの拡販で増収を確保した。利益面ではエネルギー価格の上昇、一部棚卸資産の処分などで減益となった。

(5) 新規開発事業
新規開発事業は、売上高54百万円(前期比44.7%減)、営業損失499百万円(前期は438百万円の損失)となった。なお同事業の売上は、試作、テスト需要に限定され、量産化の後は各事業の売上高、利益に含まれることになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《SI》

 提供:フィスコ

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