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3878 巴川コーポレーション

東証S
908円
前日比
-30
-3.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.1 0.71 1.65 17.17
時価総額 94.3億円
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決算発表予定日

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巴川紙 Research Memo(1):2024年1月に巴川コーポレーションに商号変更予定


■要約

1. 特殊紙製品を原点に「電気物性評価技術」を生かし抄紙、塗工、粉体、粘・接着分野の新技術を生み出し成長
巴川製紙所<3878>は、初代社長井上源三郎(いのうえげんざぶろう)氏が電気絶縁紙のドイツ製見本を手掛かりに1900年初頭より研究開発に着手し国産化に初めて成功したことで、1914年に巴川製紙所を創設した。その後、電気物性評価技術、抄紙技術、粉体技術、塗工技術、粘・接着技術を生かし、数々の製品を創出し成長してきた。近年は既存事業の収益低迷から企業成長の停滞を余儀なくされたが、「抄紙、粉体、塗工、粘・接着」技術に磨きをかけ、「熱・電気・電磁波」を制御する製品群「iCas(アイキャス)」の拡充や環境関連を中心にSDGsに対応する「グリーンチップ」ブランドとしての製品開発を進め、高機能性材料分野へと領域を広げて企業変革を進めてきた。

2. 2023年3月期の連結業績は4.2%増収、3.5%営業増益とトナー事業等の好調で利益計画を上振れして着地
2023年3月期の連結業績は売上高34,170百万円(前期比4.2%増)、営業利益2,052百万円(同3.5%増)、経常利益2,151百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,451百万円(同12.1%減)となった。売上面ではトナー事業が好調に推移、円安効果もあり海外売上の嵩上げも寄与、一方では電子材料事業で下期に半導体向けの悪化があり売上高は2022年7月の修正計画を330百万円下回った。利益面ではトナー事業の増収効果に加えて円安効果、さらには原材料価格の上昇を販売価格の是正などでカバーし、修正計画の営業減益予想に対し552百万円上回って増益を確保した。当初の中期経営計画の目標としていた2026年3月期の営業利益2,000百万円を上回って着地した。

3. 2024年3月期は5.4%増収も新製品立ち上げ費用等の一時費用増で26.9%営業減益予想
2024年3月期の連結業績予想は売上高36,000百万円(前期比5.4%増)、営業利益1,500百万円(同26.9%減)、経常利益1,500百万円(同30.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同58.6%減)とした。部門別売上ではトナー事業及び機能性シート事業が多少の増収を確保、半導体・ディスプレイ関連事業は半導体の不振で横ばい基調等の見通し。利益面では半導体向けの伸び悩みによるMIX悪化に加え、半導体製造装置向けを中心とする新製品立ち上げ費用の支出が佳境に入ることなどでコスト増を見込み減益予想とした。ただし、このコスト増を除けば実質営業増益を確保する見通しとなっている。

4. 中期経営計画を見直し2026年3月期売上高40,000百万円、営業利益3,500百万円に増額修正
同社は2021年5月に新中期経営計画を策定し、2026年3月期の売上高36,000百万円以上、営業利益2,000百万円、新製品売上高比率を16%以上に高めることを目標として掲げた。この目標に対し、既に営業利益は前倒しで達成となった。同社はこれを受けて昨今の経営環境の変化や最新の業績動向を踏まえ、サステナビリティ課題への取り組みや他社との提携、M&Aを通じた成長を含め、経営理念の再定義、明確化を実行することとし、中期経営計画の見直しを行った。具体的には2024年1月に株式会社巴川コーポレーションに商号変更するとともに2026年3月期を最終年度として、売上高40,000百万円、営業利益3,500百万円を定量目標として掲げた。

■Key Points
・2023年3月期の連結業績は4.2%増収、3.5%営業増益とトナー事業等の好調で利益計画を上振れして着地
・2024年3月期は5.4%増収も新製品立ち上げ費用等の一時費用増で26.9%営業減益予想
・2024年1月に巴川コーポレーションに商号変更予定。2026年3月期に売上高40,000百万円、営業利益3,500百万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《SI》

 提供:フィスコ

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