貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3694 オプティム

東証P
897円
前日比
-1
-0.11%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
44.7 7.29 3.02
時価総額 495億円
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

オプティム Research Memo(8):“第4次産業革命の中心的な企業となる”べく、積極的な成長投資を継続


■成長戦略・トピックス

◆中長期の売上成長イメージ
オプティム<3694>は過去数年間、研究開発に注力し「Optimal Biz」や「OPTiM Cloud IoT OS」をベースとする新サービスを立ち上げることで、様々な業界で成果を挙げてきており、中長期ではモバイルマネジメントサービス(「Optimal Biz」)を順調に伸ばしつつ、X-Techサービスを大きく成長させ、業績を飛躍的な発展を目指している。X-Techサービスでは「OPTiM Cloud IoT OS」や関連技術を活用した業界特化のキラーサービスを複数展開しており、アグリテック、デジタルヘルス、デジタルコンストラクション、オフィスDX、マーケティングDX、映像管理DXなどが主要な事業領域である。

◆主要X-Techサービスでの進捗・最新事例
<アグリテック>
農業分野では、ドローンを使った「ピンポイント農薬散布テクノロジー」をはじめ、ドローンを使った施肥や播種、圃場をAIやIoT機器より取得したデータを用いて解析するサービス「Agri Field Manager」、ハウス管理サービス「Agri House Manager」、営農支援サービス「Agri Assistant」、グライダー型ドローンを使った「広域圃場管理システム」などの実証を積み重ねてきた。この結果、上記の機器やサービスがスマート農業を行ううえで必須の“AI農機具”として認められ、対価としてサービス使用料が受け取れるまでになった。「アグリ・コントラクター・サービス」は、これまで開発したハード(ドローンなど)やソフト(AI・IoTによる解析システム等)を活用したサービスであり、ピンポイントタイム農薬散布サービスなど複数のメニューがそろい充実。今後は農業全体のDX(ドローンでの播種、除草、施肥、防除などの一貫したサービス)を拡大する計画である。

<デジタルヘルス>
医療分野では、手術ロボット用システムの展開で成果をあげる。既述のとおり同社は、手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」用ネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS」の共同開発を行っている。「hinotoriTM サージカルロボットシステム」は、泌尿器科領域からはじまり、消化器外科及び婦人科への適応が始まり、本格的な普及期に入っている。また、2023年2月より、同社はマーケティングDXサービス「OPTiM Digital Marketing」及びオンライン診療プラットフォームを統合させ、総合メディカル公式ヘルスケアアプリ「タヨリス」へ提供する。「タヨリス」は約740店舗(2023年2月時点)の「そうごう薬局」など全国で調剤薬局を運営する、総合メディカル(株)のアプリである。「頼られる専門性」「喜ばれる安心感」「生活に寄り添う利便性」の提供をコンセプトとし、お薬手帳機能、オンライン服薬指導機能、服薬アラーム機能、バイタル管理機能などが一気通貫のサービスを提供する。

<デジタルコンストラクション>
建設・土木分野のトピックスとしては、3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」がキラーサービスとして充実度を増している。「OPTiM Geo Scan」は、スマートフォンまたはタブレットで土構造物などの測量対象をスキャンすることで、土木現場で求められる高精度な3次元データを生成できるアプリケーションである。従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大約6割削減することができる。2022年3月には、国土交通省が改定した「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」において、「OPTiM Geo Scan」が国内で初めて要領に準拠したアプリケーションとなった。これにより、あらゆる規模の現場での起工測量から、中間出来高測量、工事の検査に使用する出来形測量など、工事の計画・設計及び施工の開始から検査終了まで建設全体のプロセスを通じて一貫して利用でき、業務効率の改善を実現できる。さらに、周辺機能の強化も進捗している。GNSS測量・杭打ちアプリ「OPTiM Geo Point」(無料オプション)や図化アプリ「OPTiM Geo Design」(無料オプション)などをリリースし、利便性が向上している。2023年5月には、スマホで高精度・長距離 3 次元測量ができる地上型レーザースキャナー「OPTiM Geo Scan Advance」の提供を開始した。これまで前提としていたiPhone や iPad 内蔵の LiDAR センサーは、射程距離が最大 5m のため、測量が難しいケースがあったが、独自の地上型レーザースキャナーにより、長距離や接近が難しい対象の測量が可能となる。

<オフィスDX>
好調なサービスの事例としては、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」がある。契約書の分類・登録、検索や照会・通知、ユーザー・ファイルの権限管理など、一連の契約書管理業務を効率化できる。利用者からは、AIによる検索性向上や期限の自動通知などの評価が高い。「OPTiM Cloud IoT OS」を基盤としているため、安心安全な環境下での契約書管理が可能となる。なお、これらの機能は令和3年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した「契約書AI解析・管理システム」に関する特許がベースとなっている。利用前後の効果測定では、作業時間約90%削減、費用約65%削減(いずれも同社調べ)という圧倒的な効果が出ており、費用対効果の高さが優位性につながっている。また、2024年1月からの電子帳簿保存法対応を見据えたサービスである「OPTiM 電子帳簿保存」も導入が進む。契約書だけでなく帳票書類にも対応して、AIによる管理ができる。画像認識やAI解析において差別化されている点が同社の変わらない強みである。

<マーケティングDX>
「OPTiM Digital Marketing」は、2020年に子会社化した(株)ユラスコアのクラウドCRMサービスをベースに開発したもので、小売業やサービス業の顧客に対して、顧客情報管理、Webサイトのコンテンツ管理、ECサイトの構築及び運営、効率的なメールマガジン配信など、顧客との接点強化に関わる様々な活動を最適化するサービスである。利用者からは、顧客の嗜好や属性に合ったコンテンツを最適なタイミングで配信することで集客や購入を促進する点や、顧客データを一元管理・分析できる点などの評価が高い。今後は、顧客企業からの細やかな要望や大規模なシステム運用に合わせたエンタープライズ版と、中小規模の小売業、医院、建築サービス業などの業種別テンプレートを用意したSMBパッケージ版を取り揃え、同社の18万社以上の顧客基盤に展開していく。2023年4月には、佐賀市のあらゆるサービスを一つのアプリで完結できる「佐賀市公式スーパーアプリ」β版が一般公開された。このアプリは「OPTiM Digital Marketing」の技術がベースとなっており、成功すれば自治体DXへの展開も可能となる。

これらの事例の共通点としては、蓄積した技術の足し算、掛け算により、新領域の開拓や新機能・新サービスの追加が加速している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均