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イグニス Research Memo(1):ライフタイムの長い中・大規模アプリ開発にも注力


イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売を手掛け、主に広告収入を主な収益源とする「無料ネイティブアプリ」の提供を中核事業としている。また、「ネイティブソーシャルゲーム」及び「全巻無料型ハイブリッドアプリ」(30分無料で漫画コンテンツを楽しむことができる)も展開しており、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジションを確立している。日常的に利用する高品質なツール系アプリなどを無料で提供することで、ダウンロード数及びMAU(Monthly Active User)※1の拡大を図ってきたことが同社の成長をけん引してきた。今期からは、これまでの小規模アプリ中心から、コミュニケーション領域などのライフタイムの長い中・大規模アプリ※2の開発にも注力することで収益構造改革にも取り組んでいる。国内屈指の700万規模のMAU(海外を含む)を誇る事業基盤や市場開拓力などを活かして更なる事業拡大を目指す。
※1MAU(Monthly Active User)とは、ある月に1回以上、アプリの利用があったユーザー数(重複も含む)を言う。
※2中・大規模アプリ:同社では開発期間に応じて、無料ネイティブアプリを小規模アプリ(1ヶ月未満)、中規模アプリ(1ヶ月超3ヶ月未満)、大規模アプリ(3ヶ月超)に分類している。

2015年9月期第3四半期(2014年10月?2015年6月期)の業績は、売上高が前年同期比14.5%減の1,120百万円、営業損失が313百万円(前年同期は営業利益350百万円)と減収及び営業損失となった。収益構造改革の移行期に当たる「無料ネイティブアプリ」と「全巻無料型ハイブリッドアプリ」の不振が業績の足を引っ張っているが、第3四半期だけを見ると、順調に立ち上がった「ぼくとドラゴン」(ネイティブソーシャルゲーム)の業績貢献により、売上高は前年同期比17.4%増の613百万円と大きく回復している。損益面では、更なる収益増大を狙う「ぼくとドラゴン」のユーザー数増加に向けたのプロモーション費用の増加から黒字転換には及ばなかったが、5月13日に減額修正した業績予想に対しては想定を上回る進捗とみられる。

2015年9月期の業績予想について同社は、「ぼくとドラゴン」が第4四半期に入っても順調に伸びていることから、売上高予想のみを増額修正した。一方、利益予想を据え置いたのは、主に更なるユーザー数拡大を目指す「ぼくとドラゴン」において、更なるプロモーションを検討していることが理由と考えられる。修正後の業績予想として、売上高を前期比2.3%減の2,000百万円、営業損失を504百万円(前期は営業利益561百万円)と見込んでいる。

小規模アプリにおけるマネタイズの難易度が上昇するなど、急激な環境変化が業績拡大の足かせとなっているが、だからこそ、中・大規模アプリへ移行する方向性は妥当と判断できる。「ぼくとドラゴン」が来期以降の収益源としてめどが立ったことから、更なる収益の柱の育成がポイントになるであろう。既に試行的に運用を開始(リリース)しているものを含めて、ライフタイムの長い更新型アプリが、今後どのような形で収益貢献していくのかに注目していきたい。

■Check Point
・3Qだけで見ると「ぼくとドラゴン」などが好調で増収となる
・将来的な収益の柱を育成するための先行費用が利益を圧迫
・ゲーム領域とコミュニケーション領域が今後の注力分野

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《RT》

 提供:フィスコ

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