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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3675 クロスマーケ

東証P
496円
前日比
-7
-1.39%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.6 1.47 2.62 409
時価総額 99.1億円
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決算発表予定日

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クロスマーケ Research Memo(8):業績拡大、エクイティファイナンス実施により経営指標が大幅に改善


■決算動向

(2)財務状況

クロス・マーケティンググループ<3675>の2015年12月期末の財務状況について見ると、総資産残高は前期末比2,098百万円増加し、9,970百万円となった。Kadence Indonesiaの減損損失計上によりのれん(同100百万円減)が減少するマイナス要因があったものの、売上げの増加、新規連結子会社の増加に伴い受取手形及び売掛金(同1,193百万円増)が増加したことに加えて、利益の増加、連結子会社の増加、11月に実施した資金調達により現金及び預金(同977百万円増)が増加したことが主要因。

一方、負債は、6,025百万円と前期末比で1,050百万円増加した。Kadence株式取得のために借り入れた短期借入金を長期借入金へ借り換えたことにより、短期借入金の減少(同1,290百万円減)で流動負債が253百万円減少したものの、固定負債は長期借入金の増加(同1,157百万円増)により1,304百万円増加したことが主要因。また、純資産は公募増資※2 により資本金・資本剰余金が増加(同576百万円増)したことや、利益計上により利益剰余金が増加(同491百万円増)したために、同1,047百万円増の3,945百万円へ増加した。

※同社は、海外展開のスピードアップのため、投資した資金の返済及び財政状態の安定化を図り、その他の投資に対して機動的に対応できる状態にすることを目的として2015年11月に新株式発行による1,500千株の公募増資(1株384.60円)を実施した。調達額は576百万円で、資金使途は、グループ会社への融資35百万円、子会社設立資金(Cross Marketing Group USA)58百万円、Kadence及びJupiter取得資金返済434百万円、連結会計システム導入、連結決算・税務コンサル50百万円となっている。

キャッシュ・フローについて見ると、2015年12月期末の現金及び現金同等物の残高は2,384百万円となり、前期末比976百万円増加した。営業キャッシュ・フローは801百万円の収入となった。税金等調整前当期純利益1,144百万円、減価償却費208百万円、減損損失173百万円の計上が増加要因となったことによる。投資キャッシュ・フローは18百万円の支出となった。定期預金の払い戻しによる増加要因があったものの、子会社株式の取得、無形固定資産の取得による減少要因があったためだ。また、財務キャッシュ・フローは204百万円の収入となった。短期借入金の純増減額、長期借入金の返済による支出がマイナス要因となったが、長期借入金による収入と公募増資による収入がプラス要因として働いた。

M&Aの積極展開による借入金の増加や新規連結の結果による借入金の増加などにより健全性を表す指標である流動比率や自己資本比率は2014年12月期までの過去2期間にわたり大幅に低下していた。しかし、業績の拡大、公募増資による資金調達を昨年11月に行った効果に加え、Kadence株式取得のために借り入れた短期借入金を長期借入金とする借り換えを行ったことにより、安全性を表す流動比率は前期の95.9%から2015年12月期は157.0%へ、自己資本比率も37.8%(前期は同34.5%)へ改善。さらに、業績拡大により収益性を表すROA、ROE、営業利益率のいずれの指標も改善した。また、ネットキャッシュも支出幅が縮小し改善。ただ、有利子負債残高はJupiterのM&Aもあり、2014年12月期末の2,671百万円から2,837百万円へ166百万円増加しており、その削減が今後の課題として残る格好となった。しかし、2015年2月にR&Dを連結子会社化したことで当面の大型M&Aは一巡したとみられること、キャッシュ・フローが収入を確保しやすい事業構造であることを考慮すると、財務状態は改善傾向が続くと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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