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3673 ブロードリーフ

東証P
566円
前日比
-16
-2.75%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1,257 2.24 7.63
時価総額 554億円
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決算発表予定日

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ブロドリーフ Research Memo(3):月額サブスクリプションへの移行開始により減収・営業損失も、想定以上の結果


■業績動向

1. 2022年12月期の業績概要
(1) 損益状況
ブロードリーフ<3673>の2022年12月期の連結業績(IFRS)は、売上収益が13,833百万円(前期比33.0%減)、営業損失が2,897百万円(前期は3,395百万円の利益)、税引前損失が3,005百万円(同3,233百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失が2,431百万円(同2,173百万円の利益)となった。

営業損失となったが、これはクラウドソフトウェア「.cシリーズ」への移行により当初から予想されていた結果であり、懸念される内容ではない。むしろ当初予想(売上収益12,300百万円、営業損失4,800百万円)を上回っており、主要KPIも計画に沿って進捗していることから、比較的良好な決算だったと言える。

営業利益の増減要因を分析すると、増益要因としては、売上原価の低下407百万円(ただし、「.cシリーズ」のリリースに合わせてクラウド償却費は347百万円増)、人件費減401百万円(主に前期に発生した一過性の法定福利費の減少)、その他費用減406百万円(主に業務効率化による事業運営費、営業経費の減少)などであった。一方で減益要因としては、売上減6,819百万円、サービス基盤費の増加(主にクラウドサービスのITインフラ費用増加)63百万円、子会社のタジマに対する減損損失615百万円などであった。タジマに対して減損損失を計上したのは、クラウド型への移行を当初計画より前倒しで進めることにしたからだ。現金の流出を伴うものではなく、前向きな減損処理と言える。

(2) 売上区分別状況
クラウドサービスの売上収益は2,628百万円(前期比46.7%増)となった。中分類(内訳)では、クラウドソフトウェア「.cシリーズ」への移行が順調に進んだことから、ソフトウェアサービスは1,958百万円(同79.6%増)となった。一方で、自動車リサイクル部品の市場全体における取引量の減少が影響し、マーケットプレイスは670百万円(同4.4%減)となった。

パッケージシステムの売上収益は11,205百万円(前期比40.6%減)となった。中分類では、主要業種の整備業及び鈑金業について、従来型の「.NSシリーズ」のリース販売を終了したことから、ソフトウェア販売は3,539百万円(同69.54%減)となった。ただし、その他業種向けのソフトウェア販売は堅調であったことから、予想を上回る結果であった。この予想以上の売上収益が、全体の損失を少なくしたと言える。運用・サポートは7,666百万円(同5.9%増)と順調に推移した。

(3) 主要KPIの進捗状況
2022年12月期末における主要KPIの進捗状況は、堅調に推移したと言える。クラウド化率は6.5%とまだ低いが、2022年12月期が本格的移行への初年度であること、大手顧客の更新(移行)がこれからであることを考慮すれば、問題となる水準ではない。「.cシリーズ」ライセンスも目標に比べれば低く見えるが、クラウド化率と同様の理由で、問題はなく順調と言える。

平均月額売上は目標には達していないが、主に2つの理由による。1つ目は新規顧客(当初は平均月額売上が低い)が堅調に増加したこと、2つ目はクラウド化率などと同様に、平均月額売上が比較的高い大手顧客の更新(移行)がこれからであるためだ。

2. 財務状況
2022年12月期末の財務状況について、流動資産は6,555百万円(前期末比1,849百万円減)となった。主に現金及び現金同等物の減少65百万円、クラウド型への移行が進んだことによる営業債権及びその他の債権の減少1,691百万円、棚卸資産の減少77百万円などによる。非流動資産は26,980百万円(同909百万円増)となったが、主にのれんの減少613百万円、有形固定資産の減少235百万円、開発に伴うソフトウェア資産の増加による無形資産の増加1,223百万円などによる。その結果、資産合計は同940百万円減少し33,535百万円となった。

負債の部では、営業債務及びその他の債務が895百万円減少、契約負債が572百万円増加、短期有利子負債が210百万円減少、長期有利子負債が2,540百万円増加したことなどから、負債合計は前期末比1,511百万円増加し9,873百万円となった。資本の部では、親会社の所有者に帰属する当期損失の計上などにより、資本合計は同2,452百万円減少し23,662百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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