信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3666 テクノスジャパン

東証S
584円
前日比
-2
-0.34%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.9 1.60 3.08
時価総額 119億円
比較される銘柄
コムチュア, 
フォーカス, 
テラスカイ
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

テクノスJPN Research Memo(5):今後の事業拡大に向けた協業や買収などで一定の成果


■主な活動実績

1. TDSEによる第三者割当増資の実施(持分法適用関連会社への移行)
2017年9月27日に、当時、連結子会社のTDSEが、あいおいニッセイ同和損害保険及びNTTデータの2社を主な引受人とする第三者割当増資を実施。それに伴って、TDSEに対するテクノスジャパン<3666>の議決権所有割合は53.37%から43.33%へと低下し、TDSEは同社の連結子会社から持分法適用関連会社へと移行した。

TDSEは、前述のとおり、ビッグデータ解析サービスやAI、IoTなどを主な業務としているが、それらの市場は高成長期にあり、将来的にはデータサイエンティストの不足も予想されていることから、事業拡大のスピードを加速するための資金及び人材の確保に狙いがあると考えられる。特に、あいおいニッセイ同和損害保険とは、テレマティクス技術※などを活用した自動車保険の提供を含め、新分野の商品開発やサービス強化などで連携が期待できるほか、NTTデータについても、TDSE同様、AIビジネスを推進していることから、両社の強みを生かしたソリューションの共同開発等を予定している。

※テレマティクスとは、移動体に移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称。通信やGPS機能を備えた車載機を搭載することで、車両の運行状況を容易に取得できることから、取得データを様々なサービスに活用することができる。


TDSEが連結対象から外れることにより、連結売上高への貢献はなくなるが、持分法適用関連会社として連結経常利益への貢献(持分法による投資利益の計上)は継続することになる。また、同社のグループ会社として、事業戦略上(特に、ERP事業とビッグデータ事業の融合などにおける連携)の位置付けに変化はなく、TDSE自身の成長に向けて大きな前進と評価できる(TDSEの成長は、持分法による利益貢献はもちろん、事業戦略上も同社にとってプラスとなる)。

2. 東洋ビジネスエンジニアリングとの協業強化
2018年3月には、東洋ビジネスエンジニアリングとの協業強化を目的として、東洋ビジネスエンジニアリングの株式(180,000株)※を大株主から取得した。東洋ビジネスエンジニアリングは、同社同様、ERPシステムの構築・導入支援サービスを中心に事業を展開。特に、製造業向けの生産管理システム構築においては自社パッケージシステム「mcframe」で豊富な導入実績を誇っており、同社とは以前からビジネスパートナー契約を締結してきた。今回の協業強化の目的は、1)業界テンプレート構築などにより「mcframe事業」の協業関係強化、2)「SAP事業」におけるアライアンス強化及び大型プロジェクトの受注・遂行、3)製造業向けIoT分野での両社の製品・サービス連携によるビジネスの拡大にある。

※発行済株式総数の3.0%。


3. RPAプラットフォームUiPathの導入サービス開始
2018年1月には、Robotic Process Automation(RPA)プラットフォームを提供するUiPath(株)とリセラー契約を締結し、UiPath(ユーアイパス)の販売並びにRPA導入サービスを開始。その背景には、同社が成長戦略として掲げる「スマート&デジタル化」への取り組みがある。すなわち、その1つである「スマートオフィス」(企業の間接業務の自動化・効率化)の実現に向けて、RPAの活用が重要なカギを握ることから、UiPathとの協業に至ったものと考えられる。

4. 北米でクラウドインテグレーション事業を展開するLirikのグループ化
2018年6月に、米国を中心にSIビジネスを展開するLirikの発行済株式の95%を同社の米国子会社TGCAを通じて取得した※。本件によりLirikは同社の連結子会社(孫会社)となっている。

※それに伴って、TGCAの増資(約4億円)を引き受けるとともに、TGCAも連結対象に追加された。


Lirikは、シリコンバレーで起業し、ERPやCRMのクラウドインテグレーション事業を中心にビジネスを成長させており、グローバルのIT及びAI市場をけん引している北米において、ERP×CRM×AIのビジネスを推進するとともに、Lirikのシリコンバレーにおける人脈やネットワークを生かし、スタートアップを含む最新の技術やサービスの発掘を強化するところに狙いがある。特に、同社にとっては、Lirikの顧客基盤(特に米国西海岸)へのアプローチが可能となるほか、セールスフォース※を軸としたCRM分野の強化にメリットがある。Lirikにとっても、信用補完や日本進出への足掛かりなどに狙いがあると考えられる。また、今後さらに不足が予測されるIT及びAI人材の確保に向けて、Lirikのインド開発拠点を活用していく方針である。

※世界中で優れた導入実績を誇るクラウド型 CRM(顧客管理)アプリケーション。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MH》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均