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3665 エニグモ

東証P
340円
前日比
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単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.29 107
時価総額 145億円
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エニグモ Research Memo(3):2019年1月期上期業績は増収増益、総取扱高、営業利益は過去最高を更新(1)


■決算概要

1. 2019年1月期上期決算の概要
エニグモ<3665>の2019年1月期上期(単独決算)の業績は、総取扱高が前年同期比17.8%増の19,644百万円と順調に拡大した。また、損益の状況についても、2019年1月期より単独決算へと移行※したことから前年同期(連結決算)との単純な比較はできないが、売上高は前年同期(連結)比11.3%増の2,290百万円、営業利益は同37.5%増の938百万円、経常利益は同39.7%増の938百万円、四半期純利益は同43.4%増の651百万円と増収増益となり、総取扱高、営業利益は過去最高(上半期ベース)を更新。また、通期計画に対しても順調に進捗(特に利益面)しており、好調な決算であったと総括できる。

※前述のとおり、子会社(ロケットベンチャー)の全株式を譲渡したことに伴い、2019年1月期から単独決算に移行した。なお、ロケットベンチャーによる前年同期の業績寄与は、売上高が129百万円、営業損失が38百万円であったことから、その分を考慮に入れた実質的な業績の伸びは、売上高が前年同期比18.7%増、営業利益が同30.2%増となる。


主力の「BUYMA」において、会員数及びアクティブ会員数の伸びが業績の底上げに寄与した。会員数は550万人(前年同期比23.6%増)を超え、アクティブ会員数も102万人(同11.8%増)に拡大している。特に、新規会員獲得が好調であったことやリピート率の向上がアクティブ会員数の底上げに貢献した。また、ARPU(1人当たりの年間購入金額)※1についても、「1件当たりの平均単価」及び「1人当たりの平均購入件数」がともに伸びたことにより前年同期比106%と順調に増加している。したがって、2017年10月より実施してきた新マーケティングミックスの効果※2が新規会員獲得やリピート率の向上、「1人当たりの平均購入件数」の伸びなどを通じて、業績の伸びをけん引しているものと評価できる。

※1 総取扱高は「アクティブ会員数」×ARPU(1人当たりの年間購入金額)で構成され、さらにARPU は「1件当たりの購入単価」×「1人当たりの平均購入件数」に分解できるが、それらすべての項目が伸びたようだ。そのうち、「1件当たりの購入単価」はその時々のトレンドの影響を受け、コントロールが難しいため、同社では「アクティブ会員数」と「1人当たりの平均購入件数」の伸びを重要な業績指標としている。
※2 マスキャンペーン(TVCM)の実施(認知度向上、会員数の拡大)→刈取り広告の展開(アクティブ率の向上)→取扱件数向上施策(1人当たりの平均購入件数の向上)を比較的低予算かつショートスパンで繰り返しながら、業績の波をつくらずに持続的な成長に結び付けるマーケティング施策である。


利益面では、新マーケティングミックスの継続実施に伴う広告費など、先行費用の増加があったものの、増収効果や不採算であった「メディア事業」からの撤退により大幅な増益を実現。営業利益率も41.0%(前年同期は33.2%)に大きく改善している。

財政状態については、「現金及び預金」の増加等により総資産が前期末比23.0%増の5,768百万円に拡大。一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同16.4%増の4,628百万円に拡大したことから、自己資本比率は80.2%(前期末は84.8%)と高い水準で推移している。潤沢な手元資金や強固な財務基盤は成長に向けた原動力であると同時に、その有効活用は今後の課題として認識する必要があろう。

2. 四半期業績の推移
四半期業績の推移を見ると、売上高は前期(2018年1月期)に入ってから第3四半期までやや伸び悩み感があったものの、2017年10月より開始した新マーケティングミックスの効果により第4四半期が大きく伸長し、過去最高(四半期ベース)を更新。2019年1月期に入ってからも、繁忙期(季節要因)となる前期の第4四半期には及ばないものの、第1四半期から第2四半期に至るまで、新マーケティングミックスの継続実施により、前年同期を上回る水準で推移しており、明らかに業績の底上げが図られていると評価できる(子会社譲渡による影響を考慮すればさらに業績の伸びが顕著である)。

また、営業利益率もシステム投資や新マーケティングミックスの継続実施にかかる費用などの増加分を増収効果及び損益改善により賄いながら、40%を超える高い水準を確保しており、業績の波をつくらずに持続的な成長を目指す同社の狙いどおりの展開となっている。したがって、新マーケティングミックスを始め、インフラ・決済基盤の強化※、オウンドメディア及びアプリによる集客強化など、前期(2018 年1月期)からの各施策がうまく機能している結果と評価して良いだろう。

※特に、4つの新規決済手段(楽天ペイ、dケータイ払いプラス、auかんたん決済、paidy)の提供開始が顧客の利便性を高めた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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