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3479 ティーケーピー

東証G
1,436円
前日比
-34
-2.31%
PTS
1,437円
10:03 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.8 1.51 13.63
時価総額 608億円
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TKP Research Memo(5):前期業績は計画を上回る増収増益を実現。売上高、各利益ともに過去最高を更新


■決算概要

1. 2018年2月期の業績
ティーケーピー<3479>の2018年2月期の連結業績は、売上高が前期比30.5%増の28,689百万円、営業利益が同28.0%増の3,449百万円、経常利益が同25.4%増の3,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同53.2%増の2,071百万円と大幅な増収増益を実現し、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。また、期初予想を始め、増額修正予想(2018年1月24日)も上回る着地となっている。

売上高は、上位3グレードを軸とした拠点数やホテル事業の拡大に加えて、周辺サービスの取り込みによる単価の向上、利用用途の多様化に伴う稼働率の高まりなどが増収に寄与した。また、2017年9月に子会社化したメジャースの連結効果も上乗せ要因となっている。特に、計画を上回ったのは、利用用途の多様化による季節要因(繁閑差)の解消が大きく影響している。これまで稼働率が大きく低下する傾向のあった第4四半期の売上高が、年末年始の懇親会や大学入試利用等により過去最高(四半期ベース)を記録したところは注目に値する。

グレード別の内訳を見ると、上位3グレードの伸びが大きいほか、宿泊施設も大きく拡大。サービス別でも、主力である「会議室料」の伸びはもちろん、それ以上に「料飲」や「宿泊」といった周辺サービスの伸びが大きく、その結果、「会議室料」の構成比率(依存度)は51.8%(前期は57.6%)に低下している。すわなち、同社が目指す高付加価値化が順調に進展していると言える。

利益面では、単価の向上や稼働率の高まりにより原価率が改善。一方、今後の事業拡大に向けた先行費用(人員増※1に伴う人件費及び採用教育費、ホテル事業にかかる開業経費※2など)により販管費が拡大したものの、増収や原価率の改善により営業増益を実現した。一方、経常利益の伸びが比較的緩やかなのは、事業拡大に必要な資金枠(シンジケートローン)を確保したことに伴う支払手数料によるものである。したがって、全体を総括すれば、先行費用をこなしながら過去最高益を更新したものと評価できる。

※1 2018年2月末の従業員数は1,104名(前期末比+277名)に増加。
※2 ホテルの開業に伴う家具の取得(ベッドやテーブル等)については、現在のところ、貸会議室と同様に一括費用計上しており、開業時の費用負担が会計的に重くなっていることに注意が必要である(ただ、今後については、他のホテル事業者と同様、一旦資産計上した上で、耐用年数に応じて減価償却する会計処理を検討しているようだ)。


財政状態については、新規出店やホテル事業の拡大、大塚家具との業務・資本提携等により、総資産が前期末比43.0%増の34,530百万円に拡大した一方、株式上場に伴う公募増資(約16億円)や利益剰余金の積み上げなどに伴い、自己資本も同94.4%増の8,606百万円に大きく拡大したことから、自己資本比率は24.9%(前期末は18.3%)に改善。一方、資本効率を示すROEは自己資本の充実により31.8%(前期は36.0%)に低下したものの、30%を超える高水準を維持している。



利用用途の多様化により繁閑差が解消。第4四半期の売上高が過去最高(四半期ベース)を記録
2. 四半期業績の推移
四半期業績の推移で見ても、前述のとおり、第4四半期の売上高は第3四半期に引き続き、過去最高(四半期ベース)を更新している。特筆すべきは、季節要因によりこれまで業績依存度の高かった第1四半期の売上高を超えたことである。これは、株式上場や営業力の増強による効果に加えて、上位グレードの拡充や周辺サービスへの展開等を背景として、様々な需要(用途)に対応できるようになり、満遍なく案件を取り込んできたことの証左と言える。したがって、これまでの季節要因は構造的に解消に向かうものとみられる。

また、利益面でも、依然として四半期ごとのばらつきは見られるものの、単価向上や稼働率の高まりにより、明らかに全体的な利益水準の底上げが図られている。特に、第4四半期の営業利益については、季節要因の解消のほか、前期まで期末に偏っていた費用が一部平準化※されたことにより前年同期(2017年2月期第4四半期)を大きく上回っている。したがって、年間を通じて安定した収益が確保できる体制にコスト構造が変化してきたと言える。

※これまで「業績賞与」などは期末に一括費用計上していたことから、第4四半期は利益水準が落ち込む傾向がみられたが、この点については、今期から期間に応じて合理的に配分(費用の平準化)している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MW》

 提供:フィスコ

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