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3242 アーバネット

東証S
426円
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.7 0.97 4.69 17.99
時価総額 137億円
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決算発表予定日

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アーバネット Research Memo(3):都心エリアでの投資用ワンルームマンション開発・一棟販売に特化(2)


■会社概要

3. 企業特長
アーバネットコーポレーション<3242>の特長(強み)として、優れたデザイン性や機能性、好立地へのこだわりによる差別化、気候変動対策や社会貢献活動を通じた商品価値の向上、アウトソーシングを最大限に利用した少人数体制により固定費を圧縮する効率的な経営などを挙げることができる。

(1) 優れたデザイン性や機能性、好立地へのこだわり
同社は、得意とする設計・開発に経営資源を集中しており、デザイン性や機能性に優れた「ものづくり」による差別化をはじめ、用地取得の可否を短時間で決定できる自社内プラン設計体制に強みを有する。特に、「ものづくり」への「5つ」のこだわりとして、1) モノトーンでインパクトのある外観、2) アンケートによるユーザーニーズの徹底分析、3) 空間を最大限に生かした収納スペース、4) 自社開発までするこだわりのファシリティ「ユノバース」※1、5) アートのある居住空間、を掲げており、それらが一体となった価値提供により、ターゲットとなる若い世代からの支持を受けてきたと言える。また、立地に関しては、都内23区内で駅から徒歩10分以内の用地を基本としている。同社では、「ものづくり」のこだわりを通じて生まれてきた技術やアイデアを知的財産権への登録により保護しており、2023年6月期に取得した2件の特許権※2のほか、実用新案権(アッパーキャビネット)、意匠権(ユノバース)などを保有している。

※1 自社開発の、足を伸ばせるユニットバス。
※2 「建物の外壁照明構造」、「側壁構造及びエントランス」の2件を特許取得した。


同社開発物件の優位性の高さは、(一社)全国住宅産業協会(全住協)※優良事業審査会による優良事業賞において数多くの受賞実績があることでもわかる。最近では2023年4月に「レジデンス文京春日」が、同社プロジェクトとして8年連続10回目の受賞をした。

※中堅企業を中心に上場企業も含む全国1,700社を擁する団体で、会員は首都圏並びに北海道から沖縄まで各地域において、マンション及び戸建住宅の供給や住宅をはじめとする不動産流通事業等を行っている。優良事業賞は2010年から始まり、同協会協会員が企画・開発したプロジェクトの中から、特に優秀なプロジェクト(事業及び企画・開発)を表彰するものである。


(2) 気候変動対策や社会貢献活動を通じた商品価値の向上
2020年1月には、自社開発の投資用ワンルームマンションに台風対策を取り入れた「アーバネット防災プログラム」※1を導入した。経営理念である「人々の安全で快適な『くらし』の提案を行い、豊かで健全な社会の実現を目指す」取り組みを進めている。気候変動によって発生する台風等の防災対策として、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献や商品価値の向上にもつなげていく考えである。さらに2021年12月には、首都圏初となるZEH仕様マンションの開発※2にも着手し、2023年2月に完成した。

※1 防災倉庫の設置や電気室の地上階設置など設計面に加え、強風対策、豪雨対策、停電対策など設備面での対策を施すものである。
※2 経済産業省によると、ZEHとは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現したうえで、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅」のこと。同社は、オリックス銀行及びメイクス(ワンルームマンション販売会社)との協働により独自の事業スキームを構築し、「ZEH-M Oriented」認証のサステナビルな投資用マンション開発に着手した。


また、アートと住空間の融合による社会貢献活動(CSR)の一環として、学生のみを対象とした立体アートコンペティション「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)」を2001年より毎年開催し、若手アーティストの発掘、支援、育成を行っている。この活動は(公社)企業メセナ協議会※からメセナ(芸術文化支援)として認定されるとともに、同協議会が主催する「メセナアワード2017」にて優秀賞「アートの玄関賞」を受賞している。

※企業による芸術文化支援活動の活性化を目的とした中間支援機関。


(3) 少人数体制による効率的な経営
同社は、投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(卸売り:BtoB)をビジネスの核としているが、アウトソーシングを最大限に利用した少人数による効率的な経営を実現している。2023年6月期末における連結社員数(契約社員等を含む)は53名※1、1人当たりの売上高が約382百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が約27百万円と高い生産性を示している※2。

※1 なお、2023年新卒採用者2名については、用地仕入部門と設計部門にそれぞれ配属した。特に用地仕入要員については、新卒者と実績のある経験者をバランスよく採用し、人財育成を含めた仕入力の強化を図っている。
※2 2023年6月期の売上高、親会社株主に帰属する当期純利益を期末の連結社員数(契約社員等を含む)で割り算した指標


特に固定費を低く抑えることで、高い収益性の確保と景気変動にも柔軟に対応できる体制を堅持している。加えて、1棟での卸売りは売れ残りリスクが少なく、竣工から短期間での資金回収を可能としており、不動産業界にあって安定性の高い事業構造と言える。

人財育成や魅力ある職場づくりにも積極的である。2019年度の新卒採用再開を契機として、役員を含めた階層別研修、コンプライアンス研修・IT/DX研修などを実施し、生産性の向上やリスキリングにも取り組んできた。プロジェクト責任者への若手登用や用地仕入れにおける新卒採用など人財育成の成果も着実に出始めているようだ。また、2023年3月には4年連続で「健康経営優良法人2023」※に認定されている。

※地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YI》

 提供:フィスコ

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