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3192 白鳩

東証S
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白鳩 Research Memo(2):2023年2月期までの5ヶ年中期経営計画を発表。最終年度に売上高100億円目指す


■新中期経営計画と中長期の経営戦略

1. 5ヶ年中期経営計画の概要
白鳩<3192>は2018年10月25日に、上場後初めてとなる5ヶ年中期経営計画(2019年2月期-2023年2月期)を発表した。1965年創業の同社は、1995年にEC(eコマース)に進出した。インナーウェア専業EC事業者として順調に成長を続け、2014年に東証JASDAQ市場へ上場を果たした。その後小田急電鉄との2度の資本業務提携を経て現在では小田急電鉄の連結子会社となっている。これらの結果、財務基盤も含めて一段の成長加速を目指す体制が整ったことに加え、新社屋・物流センター建設や新規事業などの具体的な成長戦略が固まったことが計画策定の背景と弊社ではみている。

新中期経営計画では、スローガンとして『Far Together!』(未来へみんなで一緒に!)を掲げ、1)既存事業の維持成長、2)新規事業による成長、3)新価値創造、の3つの重点取り組みを通じて収益成長の加速を目指している(各重点取り組みの詳細については後述)。

業績計画の詳細は次のとおりだ。最終年度の2023年2月期において、売上高10,000百万円以上と100億円の大台乗せを計画している。(なお、同社は決算期変更により、2019年2月期決算は6ヶ月の変則決算である点に注意)。一方利益面では、当初の2年間は先行投資的な費用の発生のために、一時的に利益が低迷する見通しとなっているが、これは以前より想定されたことで、特に懸念する必要はないと弊社では考えている。内容的には新本社・物流センターの建設に伴う費用や、新規事業に向けた人材投資などだ。計画が順調に進展すれば、3年目からは新本社・物流センターの稼動に伴い、売上伸張し、利益面では減価償却費の計上による圧迫要因はあるものの、4年目の2022年2月期には利益額も拡大基調に転じ、過去最高益を更新する計画となっている。


品ぞろえの拡充が戦略の中心。新社屋・物流センターの建設で大幅なキャパシティアップを図り収益拡大につなげる
2. 既存事業の成長
既存事業とは言うまでもなく国内外でのインナーウェアのEC事業だ。この領域における成長戦略の柱は品ぞろえ、すなわち、取扱いブランド・商品の拡充で、これは従来から変わっていない。同社は2018年8月期末時点で取扱商品数が12,846点に達し、期末ベースで過去最高を記録した。今後も品ぞろえの拡充に一段と注力する方針だ。

この点に関して大きな貢献が期待されるのが新社屋・物流センターの建設だ。同社は2016年に取得した現本社の隣接地に、現本社の5倍の最大出荷能力を持つ新社屋・物流センターを2020年5月の完成予定で建設する計画だ。この計画のポイントの1つは、成長戦略の柱である品ぞろえの拡充についての物理的なキャパシティアップだ。加えて、すべての部署が同じフロアに集まることで、闊達なコミュニケーションによる業務連携が促進され、それが顧客ニーズの把握や商品の企画、仕入から受注、発送までの一連の流れのスピードアップ、ひいては業績拡大へとつながっていくことが期待される。

海外ECの成長については「海外販売のチャネル強化による、中国・東南アジアEC圏への進出強化」が掲げられている。同社は現在、海外ECについてはTmall(天猫国際)を通じた中国展開が主軸となっているが、今後は楽天が中国に出店するKaola.comへの出品数の増加や、他の海外モールへの積極的な出店を進め、現状の中国やシンガポールに加えた更なる地域的拡大によって業績拡大を目指すとみられる。

マーケティングの面では、2018年8月期までの結果を踏まえて今後はコンバージョンレシオ(CVR、転換率:サイトへのアクセス者が実際に購入に踏み切る割合)を挙げることに注力していく方針だ。その具体的な内容として、国内ECでは商品ページの拡充や“ささげ業務”の深堀りが、海外ECでは翻訳の質向上など“おもてなしの向上”を核としたカスタマー体制の充実が、それぞれ計画されている。さらに最後の一押しにつながるSNSプロモーションを効率的に活用することでCVRアップの実現を図る方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《RF》

 提供:フィスコ

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