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3175 APHD

東証S
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コロナ明けで盛り上がる忘年会需要、「居酒屋関連」株高の宴へ <株探トップ特集>


―開催企業に加えて社員の参加意欲も増加、予約状況がコロナ禍前を上回るところも―

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5月に5類に移行して以降、初めての忘年会シーズンに突入した。コロナ禍による規制が完全撤廃された約4年ぶりの忘年会とあって、職場での飲み会が初めての人や久しぶりの人まで楽しみにしている人も多く、一部調査によると開催する企業、社員の参加意欲ともに増加している。企業の忘年会や新年会は参加人数が多く、客単価も高額になりやすいことから、 居酒屋業界へのインパクトは大きそうだ。

●54%の企業が忘・新年会を実施へ

 東京商工リサーチが10月2日から10日に全国の4747社を対象に行った「2023年『忘・新年会に関するアンケート』調査」によると、「コロナ禍前も実施しており、今回も実施する」と答えた企業は全体の36.2%となったほか、「コロナ禍前は実施していなかったが、今回は実施する」は18.2%で、これを合わせた今シーズンに忘・新年会を「実施する」は54.4%と半数を超えた。前年同時期に実施した際に「開催する」と答え、忘・新年会を予定していた企業は38.6%だったことから、新型コロナの5類移行に伴い忘・新年会は復調している。

●56%の人が参加予定・意向あり

 一方、参加する側についても今年は増える可能性が高い。ぐるなび <2440> [東証P]が11月2日から4日に全国の20代から60代の会員1000人に行った「忘年会」をテーマにしたアンケートによると、「2023年の忘年会の参加予定・意向」について、職場・仕事関係の忘年会に「参加する」と答えた人は27.6%、「開催されれば参加する」と答えた人は28.3%で計55.9%の人が参加の予定・意向ありと回答した。

 コロナ禍のリモートワークなどで職場でのコミュニケーション不足を感じている人も多くいるとみられ、それが数字に表れているようだ。

●忘年会予約は好スタート

 忘年会の予約は既に本格化し始めており、海鮮居酒屋「はなの舞」などを全国に展開するチムニー <3178> [東証S]は11月24日、直営店の「はなの舞」「さかなや道場」を中心とした居酒屋ブランド189店舗の22日時点での12月の予約獲得状況(件数)が19年比で20%増とコロナ禍前を大きく上回る水準となったと発表した。前年比では2.7倍に増加しているとしており、プライベート需要の席予約より、大人数での宴会コースを予約する人が増加しているという。

 これらから見てとれるように飲食店、特に居酒屋業界は約4年ぶりに「忘年会需要」を享受している。一方で、為替相場の円安進行やロシア・ウクライナ情勢の影響による原材料価格の高騰、労働力不足による人件費の上昇などのコストアップ要因もある。ただ、居酒屋業界はコロナ禍で苦境に立たされたことから、業績見通しを保守的にみる企業も多い。足もと好調な銘柄を中心に注目が必要だろう。

●足もと好調な居酒屋チェーンに注目

 フジオフードグループ本社 <2752> [東証P]は、セルフ形式の定食屋「まいどおおきに食堂」を主力に居酒屋「かっぽうぎ」「串家物語」を展開している。23年12月期は第3四半期時点で国内直営既存店売上高が前年同期比14.9%増で進捗。10月も既存店売上高は前年同月比3.7%増と19カ月連続で前年実績を上回っており、通期営業利益は5億5700万円(前期18億8600万円の赤字)を見込む。

 DDグループ <3073> [東証P]は、居酒屋・ダイニング・カフェなどさまざまな業態を運営しており、「わらやき屋」や「九州熱中屋」など居酒屋だけで50近いブランドを展開している。居酒屋だけに絞った既存店売上高の推移は開示されていないものの、24年2月期の10月までの飲食事業の既存店売上高は前年同期比32.8%増で推移。コロナ禍前の20年2月期の同期間と比べると10.6%減となっているものの、下期は9月が19年同月比7.9%減、10月が同3.7%減とマイナス幅が1ケタ台に縮小しており、回復基調が鮮明になっている。足もとの売り上げ回復を受けて上期決算の発表と同時に通期業績予想を営業利益で22億5000万円から29億5000万円(前期比6.3倍)へ上方修正している点も注目だ。

 エー・ピーホールディングス <3175> [東証S]は、「塚田農場」を主力に、「四十八漁場」「やきとりスタンダード」などのブランドを展開している。24年3月期上期決算では、営業損益が期初予想を大きく下回り4億5000万円の赤字となったが、人流の回復やインバウンド需要の高まりを受けて売上高は計画を上回って着地した。10月までの国内飲食店の既存店売上高は前年同期比38.6%増と好調を維持しており、通期予想は据え置いている。

 鳥貴族ホールディングス <3193> [東証P]は、「鳥貴族」を全国に展開する焼き鳥チェーン大手。23年7月期は連結営業利益が14億1700万円(前の期24億3300万円の赤字)と黒字転換しており、24年7月期は同18億6100万円(前期比31.3%増)と大幅増益を見込む。今期は「鳥貴族」の既存店売上高を前期比14%増(上期前年同期比23%増、下期同7%増)と想定しているが、10月まで前年同期比28.3%増と想定を上回って推移。また、24年5月1日付で社名を「エターナルホスピタリティグループ」に変更し、米国やアジアでの出店を拡大させる方針であることも注目したい。

 SFPホールディングス <3198> [東証P]は、「磯丸水産」や「鳥良」、ネオ大衆酒場などを展開する、クリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387> [東証P]傘下の居酒屋チェーン。主力の「磯丸水産」を中心に既存店売上高が堅調なほか、インバウンド売り上げも順調に回復し上期決算が計画を上振れたとして、上期決算の発表と同時に24年2月期業績予想を連結営業利益で10億円から17億円(前期7億5400万円の赤字)へ上方修正した。既存店売上高も第2四半期は20%以上の伸びと堅調だ。

 ヨシックスホールディングス <3221> [東証P]は、寿司居酒屋「や台ずし」を中核に、低価格居酒屋「ニパチ」などを関東以西に展開している。既存店売上高は「や台ずし」を中心に10月まで19カ月連続で前年実績を上回って推移。足もとの好調から上期決算発表時に24年3月期業績予想を連結営業利益で12億4300万円から15億8000万円(前期比2.2倍)へ上方修正した。

 串カツ田中ホールディングス <3547> [東証S]は、「串カツ田中」を中核に新規事業として「鳥玉」「焼肉くるとん」などを展開している。23年11月期の既存店売上高は10月まで前年同期比31.4%増と好調に推移。10月に発表した第3四半期累計決算で連結営業利益は5億6100万円(前年同期1億8100万円の赤字)となったが、通期計画に対する進捗率は82.5%と高水準にある。また、海外展開にも再挑戦しており、8月には「TANAKA」米国2号店を出店。3号店目も出店準備中だ。

 ワタミ <7522> [東証P]は、「鳥メロ」「ミライザカ」などの居酒屋業態を展開している。コロナ禍からの回復が顕著であるとして、上期決算の発表と同時に24年3月期業績予想を連結営業利益で26億5000万円から30億円(前期比2.0倍)へ今期2度目の上方修正を行った。居酒屋事業の10月既存店売上高は19年同月比で3.9%増、うち宴会売上高は同33.1%増とコロナ禍前以上に回復しており、引き続き堅調な推移が期待されている。

 テンアライド <8207> [東証S]は、「天狗」「テング酒場」などを展開する居酒屋チェーンの老舗。24年3月期は9月までの既存店売上高が前年同期比28.7%増で推移。10月も前年同月比12.5%増と2ケタ増を維持している。8月に上期及び通期利益予想を下方修正したが、11月に発表した上期決算で連結営業損益は1000万円の赤字と修正値の3600万円の赤字を上回って着地。なお、通期予想の同1億6500万円(前期13億2800万円の赤字)は予想が据え置かれている。

 大庄 <9979> [東証S]は、「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」などを全国に展開している。23年8月期決算は連結営業損益が4億6100万円の赤字となったが、飲食需要の回復などで3月以降は黒字で推移しており、下期は黒字を確保。24年8月期は既存店売上高が10月まで前年同期比17.6%増で推移するなど順調に回復基調にある。今期は営業利益7億5000万円と通期で黒字転換を見込む。


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