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3167 TOKAI

東証P
960円
前日比
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PTS
960.5円
14:31 05/09
業績
単位
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14.8 1.52 3.33 1.85
時価総額 1,341億円
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TOKAI Research Memo(1):2023年3月期は減益見込むも、収益基盤となる継続取引顧客件数は順調に拡大


■要約

TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する総合生活インフラ企業。319万件を超える「顧客力」と多彩な商品・サービスをワンストップで提供する「総合力」、顧客ニーズに即応する「機動力」を強みに、ABCIR+S(アブサーズ)※1戦略を推進しながら、「Total Life Concierge(暮らしの総合サービス)構想※2」の実現を目指している。

※1 ABCIR+S(アブサーズ):同社グループのデジタル技術革新に向けた戦略のこと。「AI (A)」「Big Data (B)」「Cloud (C)」「IoT (I)」「Robotics (R)」「Smart Phone (S)」の頭文字をつなげた造語で、関連する新規サービスの創出・育成に注力する。
※2 Total Life Concierge構想:同社グループが提供する様々なサービスにより、顧客の快適な生活を総合的、かつきめ細かくサポートし、顧客満足度の向上を目指すビジョンのこと。


1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比7.1%増の210,691百万円、営業利益で同3.7%増の15,794百万円と4期連続で過去最高を更新し、会社計画(売上高207,000百万円、営業利益15,240百万円)に対しても上回って着地した。売上高は継続取引顧客件数の増加による増収やLPガスの仕入価格に連動した販売価格の上昇、法人向け情報通信事業の拡大に加えて、建築設備不動産事業のM&A効果が寄与した。一方、営業利益は、継続取引顧客の獲得コストが増加したものの、顧客件数増加によるCATV事業の増益や法人向け情報通信事業、建築設備不動産事業の増益等で吸収した。2022年3月期末の継続取引顧客件数は前期末比95千件増加の3,194千件となった。なお、2022年3月期より収益認識に関する会計基準等を適用したことにより36億円の減収要因となったが、販管費も同等程度減少したため、営業利益への影響はなかった。

2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.8%増の223,000百万円、営業利益で同8.2%減の14,500百万円を見込む。売上高は継続取引顧客件数の積み上げやLPガスの販売価格上昇、建築設備不動産事業のさらなる拡大により増収が続く見込みだが、利益面ではLPガスの仕入価格高騰による影響(51億円)をその他事業の増益でカバーしきれず減益に転じる見通しとなっている。継続取引顧客件数については前期末比102千件増の3,295千件を計画している。

3. 中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」の進捗について
2021年5月に発表した中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」では、2025年3月期までの4年間を「Life Designの実現に向けた基盤を造るステージ」と位置付け、経営数値目標として2025年3月期に売上高2,450億円、営業利益186億円、継続取引顧客件数356万件を掲げた。4年間の年平均成長率は売上高で5.6%、営業利益で5.2%と堅実な成長を見込んでおり、前半の2年間で先行投資を積極的に行い、後半の2年間で利益成長を加速していく計画となっている。継続取引顧客件数目標の356万件については、M&Aも活用しながら積み上げていく。重点施策として、1) LNG戦略※の推進、2) TLC(Total Life Concierge)の進化、3) DX戦略の本格化、4) 経営資源の最適配分、5) SDGsに向けた取り組み強化の5つを掲げ、これらを推進することで持続的成長を目指す。計画2年目の2023年3月期はエネルギー価格高騰の影響が利益面で出るものの、LPガスの顧客獲得の面ではM&Aも含めてチャンスが広がると見ることもできる。そのほか、法人向け情報通信事業やCATV事業、建築設備不動産事業については収益拡大が順調に進んでいる。今後はDX戦略の推進によるサービスの高付加価値化や業務効率化を図っていくほか、新規ビジネスの創出等にも取り組んでいく方針となっており、今後の動向が注目される。

※LNG戦略のLNGとは、Local(既存エリアにおけるシェア拡大)、National(国内新規エリアの拡大)、Global(海外への展開)の3つの頭文字を組み合わせたもの。


■Key Points
・2022年3月期は会社計画を上回る増収増益を達成、4期連続で過去最高を更新
・2023年3月期はエネルギー事業の仕入価格高騰で増収減益を見込むも、その他の事業は順調に拡大する見通し
・2025年3月期までの中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」は順調な滑り出し。2024年3月期以降は利益成長が加速見通し
・配当性向は40~50%を目安に実施、自己株取得も機動的に実施していく方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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