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2485 ティア

東証S
452円
前日比
-2
-0.44%
PTS
453.9円
09:49 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 1.30 4.42 230
時価総額 102億円
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決算発表予定日

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ティア Research Memo(4):2018年9月期第2四半期累計業績はほぼ会社計画どおりの増収増益を達成


■業績動向

1. 2018年9月期第2四半期累計業績の概要
ティア<2485>の2018年9月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比7.2%増の6,323百万円、営業利益が同1.7%増の876百万円、経常利益が同2.1%増の869百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.9%増の592百万円となり、売上高は上場来12期連続の増収、利益ベースではいずれも5期連続の増益となり、過去最高業績を連続更新した。また、会社計画比では売上高は0.1%増とほぼ計画どおりだったが、営業利益は4.3%上回った。これは販管費における人件費の増加額が計画を58百万円下回ったことが主因となっている。

2018年9月期第2四半期累計における新規出店は直営で3店舗(名古屋1店舗、東京都2店舗)となり、3月末の会館数は直営店が54店舗、FC店が43店舗の合計97店となった。前年同期比では直営店が7店舗増(うち、東京都で3店舗増)、FC店が3店舗増となっている。

葬儀件数は直営、FC合計で前年同期比10.1%増の7,763件、うち直営店は同11.0%増の5,293件と順調に拡大した。直営店に関しては既存店ベースでも同4.7%増と堅調に推移した。同期間における国内全体の葬儀件数伸び率は前年同期比2.0%増※となっており、業界平均を上回る成長が続いている。また、直営店の葬儀単価は前年同期比3.0%減の1,020千円に低下し、想定よりも下落率が大きかった。名古屋市内において90万円台の商品プランを投入し、シェアの拡大に取り組んだことや、競合先が祭壇の低価格化戦略を推進したことも影響した。単価下落の中身を見ると、祭壇が前年同期比で0.7%減、葬儀付帯品が1.0%減、供花・供物が1.2%減と総じて下落しており、家族葬など小規模葬が増えていることも平均単価下落の一因になっていると考えられる。実際、葬儀単価が50万円以下のプランの売上構成比は前年同期の17.4%から19.9%に上昇している。

※経済産業省で集計している「特定サービス産業動態調査報告書」に基づく同期間の葬儀施行件数。


売上高の主な増減要因を見ると、既存店の葬儀件数増加で236百万円、新店の稼働で313百万円、FC売上高で33百万円の増収要因となった一方、既存店の葬儀単価下落で129百万円の減収となった。また、経常利益の増減要因を見ると、増収効果で169百万円、売上原価低減で2百万円の増益要因となった一方、人件費の増加で68百万円、広告宣伝費の増加で91百万円の減益要因となった。

売上原価率は前年同期比0.1ポイント改善したが、これは商品原価率が同1.5ポイント低下したことが主因となっている。名古屋エリアにおける霊柩業務や納棺業務の内製化が進んだことや、葬儀付帯品の見直しを行ったことが改善要因となった。一方で、労務費率は1.3ポイント、雑費率が0.2ポイントそれぞれ上昇している。業務の内製化を進めたことによる人件費増等が主因となっている。

また、販管費率については前年同期比0.8ポイント上昇している。主に中長期の出店を見据えた人財確保により、人件費が68百万円増加したこと、東京都内への出店拡大に伴いインターネット広告を中心に広告宣伝費が91百万円増加したことが主因となっている。この結果、売上高営業利益率は前年同期比で0.7ポイント低下の13.9%となった。


葬儀件数拡大により葬祭事業、FC事業ともに増収増益に
2. 事業セグメント別動向
(1) 葬祭事業
葬祭事業の売上高は前年同期比6.8%増の6,122百万円、営業利益は同0.6%増の1,259百万円と増収増益基調が続いている。前述したとおり、葬儀単価の下落はあったものの、葬儀件数が新店稼働効果に加えて既存店でも堅調に推移し、前年同期比11.0%増の5,293件と順調に拡大したことが増収要因となった。利益面では、人件費や広告宣伝費など販管費の増加によって微増益にとどまったものの、いずれも今後の成長に向けた先行投資費用であり、計画どおりに推移したと言える。

エリア別の葬儀件数では地盤の名古屋市内を含めた愛知県の葬儀件数が順調に拡大したことに加えて、関西エリアが前年同期比16%増、関東エリアが同27%増といずれも好調に推移した。関西、関東合わせて全体の1割強の水準だが、各エリアでシェアの拡大が進んでいると言える。関西では2016年より専任の事業部長を配置したほか、2016年9月期下期から葬儀アドバイザー※を関西エリア担当として常駐させるなど営業強化を図った効果が引き続き出ており、収益率もほぼ中部エリアと同等水準まで向上している。

※葬儀アドバイザーとは、葬儀に関する知識が深く、故人の最後のセレモニーを充実したものとするため、顧客の希望も取り入れながら最適なプランを提案できる能力を持った営業スタッフのことを指す。葬儀アドバイザーが担当する葬儀単価の平均は、全社平均よりも3割以上高い実績を挙げている。現在は12名体制で各店舗を巡回している。


また、関東エリアについては主に埼玉で展開する2店舗(2012年、2013年オープン)が好調で利益面でも収益貢献している。2016年に進出した東京都内の葬儀サロンについては、当第2四半期累計期間で北千住店(足立区)や青砥駅前店(葛飾区)を出店し、荒川区の2店と合わせ合計4店舗体制となっている。まだ先行投資段階で、各種イベント(カルチャーイベントや葬儀に関する勉強会等)を定期的に開催し、認知度の向上に取り組んでいる。1号店目の日暮里店(荒川区)については月間で150名の来店があり、来店客の口コミ経由での受注も増えつつある。同社では2018年9月期中に単月ベースでの黒字化を目指している。

(2) FC事業
FC事業の売上高は前年同期比19.9%増の200百万円、営業利益は同14.0%増の48百万円と2ケタ増収増益となった。FC店舗数が前年同期比3店舗増の43店舗となり、ロイヤリティ収入や物品販売が増加した。FC店舗の葬儀件数は前年同期比8.3%増の2,470件となっており、各エリアにおいて件数は順調に伸びたようだ。なお、2016年9月期に新規加盟したFC企業の1号店目となる「ティア相模大塚」(2015年11月、神奈川県)、「ティア土浦北」(2016年1月、茨城県)については立ち上げ段階であるものの、葬儀件数は着実に増加している。


有利子負債の削減と自己資本の増加により財務体質の改善が進む
3. 財務状況と経営指標
2018年9月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比627百万円増加の11,617百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産で現預金が同496百万円増加したほか、固定資産では新規出店に伴い有形固定資産が同138百万円増加した。

一方、負債は前期末比66百万円増加の4,835百万円となった。有利子負債が179百万円減少した一方で、未払法人税等が64百万円、買掛金が25百万円、その他固定負債が129百万円増加した。また、純資産は同561百万円増加の6,782百万円となった。配当金の支払いで80百万円流出したが、親会社株主に帰属する四半期純利益592百万円の計上により利益剰余金が増加した。また、役員等への譲渡制限付き株式報酬として新株式を4.25万株発行しており、それに伴い資本金、資本剰余金がそれぞれ24百万円増加している。

経営指標を見ると、有利子負債の減少と収益拡大に伴い、自己資本比率が前期末比1.8ポイント上昇の58.4%、有利子負債比率が同6.2ポイント低下の37.9%とそれぞれ改善傾向が続いており、財務の健全性が向上していることがうかがえる。同社では、中長期的に店舗数を200店舗体制まで拡大していく目標を掲げており、その中でM&Aも経営の選択肢として検討している。このため、当面は財務基盤の強化に注力していく考えであり、設備投資に関しては営業キャッシュ・フローの範囲内で進めていく方針となっている。経営指標としては、自己資本比率で50%以上の水準を目安としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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