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2412 ベネフィット・ワン

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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
61.7 15.28 5.42
時価総額 3,446億円
決算発表予定日

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ベネ・ワン Research Memo(5):将来の成長加速に向けた積極投資を継続し、増収増益への転換を見込む


■今後の見通し

ベネフィット・ワン<2412>の2024年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比7.3%増の45,450百万円、営業利益で同3.3%増の10,830百万円、経常利益で同3.8%増の10,970百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.6%減の7,300百万円と売上高と親会社株主に帰属する当期純利益を除く各利益に関しては、増収増益を想定している。事業別業績予想では新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い新型コロナワクチン接種支援事業の縮小を想定し前期比で減収減益を想定するほか、ペイメント事業に関しても広告費等の先行投資による減益を想定している。そのほかの各事業は増収増益を見込んでいる。

2023年3月期にあったシステム面でのボトルネックが解消されることにより、ヘルスケアの健診・保健指導事業及びインセンティブ事業は大幅な増収増益を想定している。また、中長期的な成長加速のための基盤づくりとして、マーケティング投資、人材投資、システム投資を継続して行っていく。積極的な投資を継続しつつも、中期的には適切なコストコントロールを行い、利益率の向上を目指す方針だ。システム投資に関しては、2024年3月期をピークに開発・運用の内製化を進めることによって、売上高に占める割合は減少することを見込んでいる。

(1) ベネフィット・ステーション関連事業(福利厚生+パーソナル+CRM)
売上高で前期比5.0%増の29,000百万円、営業利益で同12.9%増の10,387百万円を見込んでいる。福利厚生事業の会員数は2024年4月までに125万人増加(うち既存顧客における非正規拡大を70万人見込む)を目指す。2023年3月期における増加スピードと比較すると加速する想定だ。コロナ禍によって意思決定を先延ばしにしていた企業の加入が見込まれる。人材不足などの外部環境の追い風に加えて、同社が非正規向けの低価格帯プランを導入したことも会員数の増加に寄与することが想定される。

就業人口約6,700万人のうち、福利厚生のアウトソーシングサービスを利用している割合は、特に中堅中小企業においてまだ小さく、伸び代がある。新中期経営計画では、公務・大企業の顧客に加え中堅中小企業の新規顧客の開拓、既存顧客の非正規社員獲得に取り組む計画だ。新規顧客の開拓は、非正規社員の割合が高い大手サービス業をターゲットにする方針だ。これは政府が同一労働同一賃金の推進に伴い、非正規社員の福利厚生レベルを正社員と同レベルに引き上げを急務としているためである。なお、システム投資、マーケティング投資、人材投資に関しても継続して実施していく。

(2) ヘルスケア事業
売上高で前期比1.9%減の8,035百万円、営業利益で同17.7%減の2,657百万円を見込んでいる。保健指導に関してはマーケット正常化、健康経営の追い風を受け、新規顧客及び既存顧客双方において営業活動を積極化する。なかでも単一健保をターゲットとして設定し、クロスセルの強化と営業活動の効率化を図る計画だ。保健指導・健診事業が好調に推移する一方で、ワクチン接種支援事業の縮小を想定していることから、全体としては減収減益の想定となっている。

(3) インセンティブ事業
売上高で同21.2%増の3,755百万円、営業利益で同14.7%増の624百万円を見込んでいる。コロナ禍による規制緩和が進み、企業の販促予算の拡大や人材投資機運の高まりといった外部環境の追い風が吹いている。同社は新規顧客の獲得によって付与ポイントの拡大を図る方針だ。新システムへの移行は、2024年3月期上期中に完了することを予定しており、新規顧客の獲得にリソースを集中的に投入する方針である。加えて、ポイント繰越残高が高水準となっていることも業績の拡大に寄与することが予想される。

(4) 購買・精算代行事業
売上高で前期比11.1%増の752百万円、営業利益で同18.6%増の230百万円を見込んでいる。出張利用がコロナ禍前の8割の水準まで回復することを見込み、大手企業を中心に出張精算の新規取引先の拡大に取り組む。加えて、新たな取り組みとしてアメリカン・エキスプレス<AXP>と共同でクレジットカードを活用した一括精算「支払ステーション」を開始する。これにより、企業間精算の支払い代行に関しても、業績を拡大する計画だ。

(5) ペイメント事業
売上高で前期比56.0%増の33百万円、営業利益で257百万円の損失(前期は57百万円の損失)を見込んでいる。同事業は中期経営計画の柱の1つとなる事業である。テレビCM等へのマーケティング投資によって会員数の拡大と利用促進を目指す。利用拡大に向けて人事担当者向けのプロモーションに注力するほか、直近では「給トク払い」を通じてお得に利用することができるサービスとして、Netflixとの提携を予定しているほか、au PAYギフトカードの優待提供も開始したことで会員数の拡大が期待される。

(6) 海外事業
売上高で前期比52.2%増の2,889百万円、営業利益で156百万円の損失(前期は342百万円の損失)を見込んでいる。シンガポール、インドネシア、タイは、堅調な業績推移を見込んでいる。利益化も視野に入ってきたと言える。北米に関しては、商品力強化のためのマーケティング投資とシステム投資によって費用が先行する見通しである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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