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2412 ベネフィット・ワン

東証P
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前日比
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PTS
2,164.1円
10:49 05/07
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
61.7 15.28 5.42
時価総額 3,445億円
決算発表予定日

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ベネ・ワン Research Memo(6):「ベネワン・プラットフォーム」の会員数拡大とペイメント事業を育成(1)


■中長期の成長戦略

ベネフィット・ワン<2412>は2024年3月期を最終年度とする3ヶ年中期経営計画を2021年5月に策定し、推進している。そのなかで「ベネワン・プラットフォーム」を利用する会員数を拡大させることで、2024年3月期に売上高60,640百万円、営業利益20,950百万円、営業利益率34.5%、決済事業の年間利用額100,000百万円、2024年4月の福利厚生サービス会員数1,600万人(2022年4月時点の会員数は902万人)、家族会員の獲得を含むアクティブユーザー2,000万人の達成を目標に掲げている。

同社は、会員数の拡大、収益構造の多様化とそれによるさらなる会員数の拡大、ベネワン・プラットフォーム上に蓄積された人事関連のビッグデータの活用による顧客支援によって、日本で唯一のBtoEプラットフォーマー「HRDXのリーディングカンパニー」を目指している。

1. これまでの進捗実績
(1) SaaSプレイヤーとの協業
同社は、SaaSプレイヤーとの協業により企業のHRDXを推進している。2021年6月にはSCSK<9719>と、2021年10月には(株)SmartHRとの協業・データ連携を開始し、人事・総務部の業務効率化支援、セミナーの共催やマーケティング、顧客紹介等の営業連携による会員の獲得加速を目指すなど、外部連携によりプラットフォームの価値向上及び企業のHRDXの一段の推進に取り組んでいる。

(2) M&Aによる成長加速
同社は2021年10月29日に旧JTBベネフィットの株式を12,177百万円で取得して子会社化するなど、M&Aにより成長を一段と加速した。JTBベネフィットの子会社化により、既存事業で積み上げてきた従業員会員635万人及び140万件以上のサービスにJTBベネフィット従業員会員253万人を加えることに成功した。これにより2022年9月末時点の総会員数は福利厚生会員が906万人、パーソナル・CRM会員が222万人の合計1,128万人となった。

同社では事業の加速度的な成長のため、今後もM&Aを積極的に活用していくことを明言していることから、既存事業の会員拡大やプラットフォームの強化における高いシナジーが見込まれる企業とのM&Aに弊社は注目している。

2. 2023年3月期第2四半期累計期間における進捗実績
(1) 「ベネワン・プラットフォーム」への移行促進
2021年6月より「ベネアカウント」の運用を開始し、引き続きベネワン・プラットフォームへのデータ移行を進めている。2022年9月時点での進捗状況は、福利厚生会員906万人のうち、移行済みが512万人である。旧システム終了に向けて引き続き同プラットフォームへの移行及び「ベネアカウント」の登録を進める。また、「ベネワン・プラットフォーム」への統合に向けて新「ベネフィット・ステーション」の準備も進んでおり、2023年のリリースを予定している。今までは会員が福利厚生やポイント、健康プログラムサービスにおいて個別の専用アカウントでのログインを行わなければならなかったが、「ベネアカウント」でログインを一本化できるようにする。各アプリケーションをシームレスに連携していくことでより利便性を高め、顧客企業のHRDXを支援する考えだ。

(2) 「ベネワン・プラットフォーム」のアプリケーション連携
同社は、従来単品売りしていたタレントマネジメント、教育研修、福利厚生、健康プログラム、ポイント、BTMなどのサービスを集約し、ワンストップでの提供を可能にする「ベネワン・プラットフォーム」を2020年6月にリリースした。

同プラットフォームにおいては様々な各社商材とのクロスセルが可能になったことを生かし、デジタルマーケティングへの積極的な投資を背景に会員拡大を目指す予定である。同社が取り扱っていない機能については、プラットフォーム上で他社サービスとも連携できる柔軟な設計となっている。また、ミドルウェアとして各サービスの利用実績や従業員の健康、そのほか多様な人事関連のビッグデータも融合し、顧客企業の人事分野でのデジタル化を推進する。アプリケーション連携も進んでおり、福利厚生、給与天引き、ポイント、カフェテリアプラン、保健指導の各アプリケーションは年度内のリリースを予定している。

コロナ禍において「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みが活発化するなか、同プラットフォームの普及はスムーズに進むと予想される。普及の先には、ヘルスケアやポイント、福利厚生といった課金アプリケーションの利用による収益計上が期待される。

(3) 給与天引き決済サービスの普及推進
同社は2021年6月より、給与天引き決済サービス「給トク払い」をリリースし推進している。同サービスは電気・ガス料金等を給与から自動的に天引きする新決済サービスで、給与天引きを条件に生活固定費を中心としたサービスを最安値で提供可能にするものである。人気コンテンツとして電気・ガスなどの生活インフラ関連に加えて定期購買のウォーターサーバーサービス、U-NEXT、電子書籍、フィットネス、学習塾などのサービスが利用可能となっているほか、「Amazonギフト券」やガソリンカード等の取り扱いもある。2023年3月期第2四半期末時点で提携サービスは232メニューまで拡大し、顧客も10万人(4月スタート内定含む)まで拡大している。

今後もガス、携帯電話、賃貸といった生活インフラ関連の月額課金型サービス等、日常的に利用されるメニューを中心に給与天引き対象として順次開発する方針である。また、給与のデジタル払い解禁を「給トク払い」の普及機会とし、各種電子マネーへのチャージを可能とする「ペイメントGateway構想」の実現に向け準備を行っている。大手電子マネー企業との提携により、「給トク払い」のプラットフォームの魅力を高め、利用企業と提携先、双方の拡大を目指す想定だ。

(4) 会員数拡大に向けたマーケティング戦略
俳優を起用したテレビ広告も積極的に打ち、会員の拡大に結びつける戦略を実施している。各プロモーションの効果に関しては、2023年春に効果を検証したうえで、2024年3月期以降も投資を行う考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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