信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

2153 E・Jホールディングス

東証P
1,857円
前日比
-5
-0.27%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.1 1.01 2.96 224
時価総額 299億円
比較される銘柄
オリコンHD, 
いであ, 
ウエスコHD

銘柄ニュース

戻る
 

イージェイHD Research Memo(5):受注は中央省庁、市町村向けが減少、売上高は民間向けが2ケタ増に


■E・Jホールディングス<2153>の業績動向

2. 受注、売上高の動向
(1) 受注高の動向
2022年5月期の受注高は前期比7.7%減の34,074百万円となった。発注機関別の増減率で見ると、中央省庁が同24.1%減、市町村が同13.6%減、海外が同15.6%減と減少した一方で、都道府県が同4.7%増、民間が同18.4%増と増加した。中央省庁向けは、前期に自然災害の増加に伴う補正予算が組まれた影響で多くのプロジェクトを受注し、受注残高が積み上がったことから、2022年5月期はこれら受注残の消化を優先して、選別受注を行ったことが減少要因となった。また、市町村向けに関しては、前年度に引き続き自治体の予算がコロナ対策に振り向けられた影響が出た。海外についてもコロナ禍の影響でJICAのプロジェクトの動きが鈍く減少に転じている。一方、民間向け(主に高速道路会社)に関しては、老朽化した高速道路の点検業務や耐震補強設計業務を中心に2ケタ増となり、2期ぶりに過去最高を更新した。都道府県向けについても過去最高を連続更新した。

地域別受注状況を見ると、九州が前期比6.3%増と唯一増加し、その他の地域は減少した。このうち、北海道・東北、関東、中部地域については2020年5月期をピークに2期連続の減少となり、近畿、中国、四国地域についても2021年5月期をピークに減少に転じた。

なお、重点分野の受注状況については、環境・エネルギー、自然災害リスク軽減、都市・地域再生、インフラマネジメント、情報・通信の5つに分類していたが、2022年5月期より分類を6つに再編成した。インフラマネジメントをインフラメンテナンス、公共マネジメントに分け、情報・通信をデジタル・インフラソリューションに改称した。重点6分野の受注額は合計で前期比3.8%減の20,491百万円と減少したものの、全体に占める比率は前期の57.7%から60.1%と上昇傾向が続いた。分野別では、環境・エネルギー、自然災害リスク軽減をテーマとした受注が減少した一方で、都市・地域再生やデジタル・インフラソリューション分野については増加した。また、インフラメンテナンス関連なども民間向け等を中心に増加したと見られる。

(2) 売上高の動向
売上高を発注機関別で見ると、中央省庁が前期比6.1%減、都道府県が同2.3%減となったものの、市町村が同7.9%増、民間が同54.0%増、海外が同77.0%増とそれぞれ伸長した。官公庁合計では同2.0%減の28,475百万円となり、民間向けの大幅伸長により全体で増収を維持した格好だ。海外向けについては2021年5月期がコロナ禍の影響で低水準だったこともあり増収となったが、水準的にはまだコロナ禍前の水準までには戻り切っていない。

地域別の売上状況を見ると、北海道・東北が前期比12.4%減、中国が同2.4%減、九州が同1.5%減とそれぞれ過去最高を更新した2021年5月期から減収に転じたものの、関東が同3.7%増、中部が同20.4%増、近畿が同34.2%増、四国が同9.6%増とそれぞれ豊富な受注残を背景に増収基調が続き、過去最高を更新した。


自己資本比率は70%台まで上昇、財務内容は良好
3. 財務状況と経営指標
2022年5月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,727百万円増加の39,240百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が885百万円減少した一方で、期末にかけて売上が膨らんだことにより受取手形及び売掛金、契約資産が同1,493百万円増加したほか、たな卸資産が394百万円増加した。固定資産では、有形固定資産が40百万円、投資その他資産が546百万円それぞれ増加し、のれんが125百万円減少した。

負債合計は前期末比319百万円減少の11,696百万円となった。業務未払金及び未払金が483百万円増加した一方で、有利子負債が356百万円、未払消費税等が315百万円、未成業務受入金及び契約負債が342百万円それぞれ減少した。また、純資産合計は前期末比2,047百万円増加の27,544百万円となった。収益拡大に伴い利益剰余金が2,457百万円増加し、自己株式の取得等により自己株式が383百万円増加(減少要因)した。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は収益拡大に伴い、前期末の68.0%から70.2%に上昇した。また、有利子負債依存度も2.5%から1.5%に低下するなど、財務基盤は一段と強化されたと言える。一方、収益性についてもROAが12.3%、ROEが11.8%、売上高営業利益率が12.3%とそれぞれ連続で10%以上を維持した。ここ数年、付加価値の高い技術提案型業務を強化してきたことや、業務の平準化による生産性向上などに取り組んできたことが収益の拡大と収益性の向上につながったものと評価される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均