2146 UTグループ JQ 15:00
840円
前日比
+21 (+2.56%)
比較される銘柄: ワールドHDnmsトラスト・T
業績: 今期予想
サービス業
単位 100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.3 6.76

銘柄ニュース

戻る
2016年07月15日16時28分

UTグループ Research Memo(8):リーマン・ショックの金融危機後に製造派遣事業へ回帰する経営判断を行う


■会社の概要・沿革

(1)会社の概要

UTグループ<2146>は、「はたらく力でイキイキをつくる」というグループミッションのもと、国内の半導体・電子部品を中心に環境・エネルギー、自動車関連業界等に構内作業業務の正社員派遣・請負の製造派遣事業を主力事業として手掛けるほか、エンジニア派遣事業も展開する。主力業種であるパナソニック、ソニーなどの半導体関連分野における製造請負・派遣社員数は業界トップを誇る。一方、エンジニア派遣事業は国内メーカーを主要顧客とし、ソフトウェアの受託開発、機械・電気・電子の設計開発等の技術者派遣を行う。正社員雇用や職能給制度などを業界でいち早く導入し業界No.1の定着率を実現、「工程一括請負」という独自のビジネスモデルで他社を差別化し、成長を遂げる。

(2)沿革

同社は、代表取締役社長兼CEOの若山陽一(わかやまよういち)氏の「職を求める人」と「人を求める企業」の両方に貢献したいとの思いから、1995年4月に設立された。その沿革は、a)2001年までの創業期、b)半導体分野に特化するニッチ戦略を採った2009年までの第1成長期、c)製造アウトソーシング業に回帰、マーケットリーダー戦略に転換による脱半導体を目指す2010年からの第2成長期、の3つのステージに分類できる。

a)創業期(1995年~2001年)
同社の起源は、1995年4月に構内作業業務請負事業を行うために横浜で設立されたエイムシーアイシー(有)。1996年7月に日本エイム(株)へ改組された。設立当初から製造分野に的を絞り、正社員雇用、社会保険100%加入に加えて職能給制度を導入するなど当時の業界の常識を覆す雇用制度を相次いで採用したことにより、社員の定着率と生産効率を高めることに成功。加えて、個別派遣からチーム単位で工程全体を一括受託する工程一括請負という独自のビジネスモデルを打ち出し、社員の働き方の改革を実施。これにより顧客企業の経営効率向上に貢献し、取引先数が一段と拡大、第1成長期に向けた事業基盤が整った。

b)第1成長期(2001年~2009年)
ITバブル崩壊により、取引先である製造業企業の業績悪化で同社の業績も悪化を余儀なくされた。こうした状況下で、高度な専門性が要求され、工程単位の請負に適している半導体分野に特化するニッチ、トップ、グロース(成長)戦略へ転換。2002年10月に半導体デバイスメーカーでの工程一括型請負化の推進、半導体事業に特化する機能社員の能力向上に関する企画を行う半導体開拓チーム(現つくばトレーニングセンター)を設置する。これらの成果が結実し、リーマン・ショック前の2007年頃までに半導体関連産業の製造請負・派遣社員数で製造アウトソーシング業界第1位の地位を確立した。2006年4月には半導体デバイス設計事業進出のために(株)アルティスタ(2011年12月にコムリーディング(株)と合併)を子会社化し設計開発技術者派遣事業へも参入。

さらに、2007年4月には半導体製造中古装置の販売及び技術サービスを提供する(株)エイペックスとともに共同持株会社ユナイテッド・テクノロジー・ホールディングス(株)(2009年1月にUTホールディングス(株)へ、2015年7月にUTグループへ社名変更)を設立した。続く2007年6月には日本エイム(2012年7月にUTエイムへ社名変更)が半導体製造装置の製造・販売を行うミクロ技研(株)を子会社化し半導体装置の製造・販売事業へ進出し半導体事業領域の拡大戦略を加速。

しかし、リーマン・ショックによる世界景気悪化による半導体業界の業績悪化で半導体事業の拡大をあきらめ、2009年6月にミクロ技研を売却、11月にはエイペックスを売却し、創業以来の事業ドメインである製造分野の技術者派遣ビジネスへ回帰する決断を行った。

なお、2003年12月には前身の日本エイムで「社員が筆頭株主になれる会社をつくる」を株式公開の目的の1つとして株式を店頭登録。ちなみに、株式公開はアウトソーシング企業として業界初、また社員持株会の組成も業界で初めてであった。

c)第2成長期(2010年~現在)
製造アウトソーシング事業への本業回帰を決定してからは、主力の製造派遣事業において取引深耕と取引先業種を環境・エネルギー分野、自動車関連分野、住宅分野などの成長分野に拡大することに加えて、エンジニア事業(設計及び建設技術者派遣)の拡大という事業基盤の拡大を図る。これにより脱半導体、請負会社でNo.1になるというマーケットリーダー戦略を展開すると同時に、財務リストラクチャリングを推進。東日本大震災、円高による製造業の海外移転というアゲインストな環境であったにもかかわらず、2012年問題※1が正社員雇用の同社にとって有利に働いたことも手伝って取引工場数が増大、業績回復、拡大トレンドが加速する格好となった。

※同社に影響する2012年問題とは、リーマン・ショック後に急激に生産が拡大したことに伴い、2009年から再び製造業務についても派遣労働者の再活用が始まり、その時にスタートした派遣労働者の派遣受入期間が、2012年に一斉に終了期限を迎えたこと。顧客である製造業企業は、派遣労働者・期間工を自社採用するか請負に切り替えるかの選択を迫られた。以降、半導体業界以外でも請負化の流れが加速した。

事業基盤拡大を図るために、2010年1月にコムリーディング(設計開発技術者派遣事業)※1を設立、続く3月にコムエージェント(株)(流通小売派遣事業)※2を設立したほか、2013年7月にはパナソニックバッテリーエンジニアリング(株)の株式81%を取得し、子会社化(同時にUTパベックへ社名変更)。さらに、2015年3月にエンジニア事業の一段の拡大を図るため、ソフトウェア開発事業を展開するシステム・リボルーションを子会社化した※3。創業20周年を迎えた2015年を新たな創業の年と位置付け、2015年7月に「日本全土に仕事をつくる」という新たなビジョンを掲げ、UTホールディングスからUTグループへ社名を変更し、同時にブランドマーク※4を刷新した。

※1 2012年7月にUTリーディング(株)に社名変更、さらに2015年10月にUTテクノロジーへ社名変更。
※2 2012年4月にUTアイコム(株)へ社名変更と同時に製造派遣・請負事業を開始したが、2012年6月に流通小売派遣事業を分割しUTエージェント(株)を設立。UTエージェントは2013年4月にUTアイコム(UTアイコムは2014年4月にUTエイムに吸収合併された)へ事業を譲渡。
※3取得価額は1,000百万円。2015年10月にUTシステムに社名変更。
※4優れた人材、チームワーク、成長をイメージして開発された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

日経平均