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1419 タマホーム

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タマホーム Research Memo(4):2018年5月期第2四半期累計業績は2ケタ増収、営業損失は大幅縮小に


■業績動向

1. 2018年5月期第2四半期累計の業績概要
タマホーム<1419>の2018年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比13.6%増の72,126百万円、営業損失で55百万円(前年同期は1,346百万円の損失)、経常損失で186百万円(同1,494百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失で598百万円(同1,547百万円の損失)となった。半期ベースでの会社計画は開示していないが、売上高、利益ともに計画を若干上回る進捗になったと見られる。

売上高は主力の注文住宅において、地域限定商品やベーシックライン商品(低価格帯商品)等の販売が好調に推移し、販売棟数で前年同期比15.6%増の3,369棟、売上高で同11.6%増の57,130百万円となったほか、リフォーム事業や不動産事業、金融事業などもそろって2ケタ増収となった。増収効果により売上総利益は前年同期比8.0%増益となったが、売上総利益率は同1.3ポイント低下した。これは地域戦略商品やベーシックライン商品など、相対的に利益率の低い商品の販売構成比が上昇したことによる。販管費は人件費の増加があったものの、広告宣伝費やその他経費を抑制したことで前年同期比0.3%増にとどめ、営業損失の大幅縮小につながった。また、特別損失として事業撤退損失157百万円を計上したが、これは中国での飲食店事業、カンボジアでのホテル事業からの撤退による損失となっている。

2. 事業セグメント別動向
(1) 住宅事業
住宅事業の売上高は前年同期比12.4%増の60,733百万円、営業損失は822百万円(前年同期は1,522百万円の損失)となった。売上高の内訳を見ると、注文住宅事業が前年同期比11.6%増の57,130百万円、リフォーム事業が同27.1%増の3,078百万円、その他が同23.1%増の524百万円といずれも2ケタ伸長となった。

注文住宅事業の販売棟数は前年同期比15.6%増の3,369棟と上期としては2期連増で増加した。このうち、既存ライン商品は地域限定商品の拡大により同8.1%増の3,041棟に、また、ベーシックライン商品は同228.0%増の328棟に拡大した。ハイライン商品については2017年10月に東京都立川市に「KOTT 東京の森 立川展示場」をオープンし受注活動を本格的に開始したが、実績はまだ数棟のみで販売までには至っていない。

地域限定商品については地域ごとのシェア拡大戦略として、2016年7月の九州エリアを皮切りに11月に中国・東北・関西エリア、2017年2月に首都圏・北陸エリア、6月に東海エリアで順次展開し、12月末時点では37都道府県で販売を行っている。2017年5月期の販売棟数は全体の3%だったが、当第2四半期累計では30%を占めるまでになっている。地域ごとの特性を分析し、競合商品と機能・品質が同等水準であっても価格面で優位性を持たせた商品を開発できたことが販売好調の要因となっている。注文住宅の平均販売単価が前年同期比3.5%減の1,695万円となったが、これはベーシックライン商品の構成比が上昇したことに加え、地域限定商品が大きく伸びたことも一因となっている。地域限定商品は既存商品よりも売上総利益率で2?3%低くなるが、まずは市場シェアを拡大していくことを優先している。地域的には東海、近畿、中・四国エリアでの販売が特に好調だったようだ。

国土交通省が発表している戸建住宅(持家)の着工件数を見ると、当第2四半期累計期間では前年同期比4.7%減となっており、同社のシェア拡大が進んでいると言える。なお、注文住宅の受注については前年同期比1.7%増の4,568棟、受注額で同2.4%増の77,661百万円と堅調に推移し、受注残も積み上がる格好となっている。

一方、リフォーム事業については、同社が販売してきた住宅のうち入居後10年を経過したお客様を中心に、保証延長工事等の受注活動を積極的に展開したことが増収要因となった。受注単価は平均で150~200万円となるため、リフォーム件数としては1,700棟前後になったと見られる。同社が販売した築10年以上の住宅は累計で1万棟を超えていること、直近5年間の販売戸数は年平均で7~8千棟で推移していることなどを考えると、半期ベースで3?4千棟まで今後は伸びる可能性があり、売上成長余地は依然大きいと言える。リフォーム事業の収益性は案件によってばらつきがあるものの注文住宅事業よりも高く、当第2四半期累計における増益寄与度でも注文住宅事業を上回った。

(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前年同期比25.1%増の7,694百万円、営業利益は同222.3%増の449百万円となった。事業別の動向を見ると、戸建分譲は販売棟数で前年同期比19.3%増の173棟、売上高で同24.4%増の5,514百万円となったほか、分譲マンションの売上高も同68.4%増の1,019百万円といずれも好調に推移した。分譲マンションについては「アンシア西新井パークレジデンス(全42戸)」、「グレンドール二子玉川(全23戸)」が完売したことが寄与した。また、サブリース事業の売上高は前年同期比5.2%増の1,082百万円となった。営業利益については、増収効果により上期としては3期ぶりの増益に転じ、営業利益率も前年同期の2.2%から5.8%に上昇した。

(3) 金融事業
金融事業の売上高は前年同期比19.3%増の535百万円、営業利益は同45.2%増の193百万円となった。住宅販売棟数の増加に伴い、住宅火災保険の契約件数が増加したほか、生命保険販売手数料収入やフラット35の利用促進による住宅ローン手数料収入等が増加したことも増収増益要因となった。ただ、この影響は上期で一巡しており、半期ベースで見れば17/5期の下期は売上高で前年同期比24.1%増の612百万円、営業利益で同41.9%増の254百万円と増収増益に転じている。住宅販売戸数の増加や火災保険付保率の上昇に加えて、フラット35の利用促進による手数料収入増やファイナンシャルプランナーによる生命保険販売契約件数の増加が収益回復要因となっている。人員1人当たり売上高の増加に伴い営業利益率も前年同期の29.7%から36.1%まで上昇した。

(4) エネルギー事業
エネルギー事業では太陽光発電設備の発電量が安定して推移したことで、売上高は前年同期比1.3%減の454百万円、営業利益は同1.3%減の193百万円となった。

(5) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比12.1%増の2,708百万円、営業損失は84百万円(前年同期は306百万円の損失)となった。売上高は住宅事業における販売棟数の増加に伴い、子会社で展開する家具・インテリア販売など住宅周辺事業が好調に推移したことが増収要因となった。一方、利益面では住宅周辺事業の増収効果に加えて、海外子会社における不採算事業の縮小を進めたことで、損失額が縮小した。具体的には、中国の飲食店事業、カンボジアのホテル事業からの撤退を決定しており、中国の店舗(1店舗)については2017年12月に閉店している。

なお、国内のホテル関連事業に関しては2016年3月に開業した「タマディアホテル羽田」(客室数160室、宿泊料7,500~10,500円)の稼働率がインバウンド需要の効果もあって90%超と引き続き好調に推移しており、若干の黒字となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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