明日の株式相場に向けて=材料株ヒットパレード・年末年始の勘所
きょう(25日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比63円高の5万0407円と反発。クリスマス休暇で海外投資家の参戦が限られるなか、一段と売買代金が細り3兆円台を割り込んだ。海外筋だけではなく、ここ数日は国内機関投資家も本腰を入れて動く気配はみられないが、きょうに関して言えば、サンタラリーという名のもとに個別株物色は旺盛だったといえる。値上がり銘柄数が1100を上回り、プライム市場全体の73%を占有した。相場の中身を見る限り「恋人はサンタクロース」ならぬ個人投資家がサンタクロースという体(てい)であった。もっとも、プレゼントを受け取る側も個人投資家であり、足もとの年末イベント的な喧騒は、全体売買代金の減少とはかけ離れた体感温度をもたらしたかもしれない。
短縮取引となった前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数がしっかりと足並みを揃えて5連騰を記録した。AIバブル懸念が前面に押し出され投資家の不安心理を煽った時間帯が昔のことのようにも思える健脚ぶりで、ダウとS&P500は史上最高値を更新した。投資家の強気心理を象徴するのが、恐怖指数とも称されるVIX指数で前日はついに終値で14ポイントを割り込んだ。25年相場のゴールテープを目前にして初のことで、これは特筆に値する話である。東京市場ではこの流れに追随するような勢いはなかったが、先物絡みで売り方が暗躍するようなこともなく、個人投資家にすれば与(くみ)しやすい地合いとなっている。
前日取り上げたクロスキャット<2307>や、ニーズウェル<3992>といった好実態のAI関連株(プライム上場)に、もみ合い離脱の動きが出ているが、この流れは復活の狼煙を上げているグロース市場に上場するAI関連、あるいは バイオ関連にも波及し始めた感触がある。損益通算目的の実質的な投げ売りの後に予想された光景ではあったが、市場筋いわく「とんでもなく値引きされた玩具が積み上げられたワゴンセールの状態」(中堅証券ストラテジスト)となっており、そこに個人投資家マネーが押し寄せているイメージだ。
グロース市場のAI関連ではヘッドウォータース<4011>が突発的なリバウンドに転じたが、こうした動きが横に広がるケースも考えられ、トリプルアイズ<5026>やニューラルグループ<4056>、セカンドサイトアナリティカ<5028>など大底圏に位置する中低位株は目先チェックしておく価値がありそうだ。グロース市場のバイオ関連では売買高の流動性で群を抜くトランスジェニックグループ<2342>や免疫生物研究所<4570>などが、既に逆襲高モードの片鱗を覗かせている。
このほか“メタル系”に物色の流れが来ている印象もある。何といっても金、銀、プラチナ、銅が一斉に最高値圏に舞い上がるなかで、株式市場でも純金上場信託(現物国内保管型)<1540>、純銀上場信託<1542>、純プラチナ上場信託<1541>などに対する投資マネーの視線が熱を帯びている。個別株はチタン関連の東邦チタニウム<5727>などが動兆しているが、高市早苗首相が安定調達に腐心するレアアース関連株にも再び出番が回りそうだ。アサカ理研<5724>がいち早く動意含みとなった。足もとでは押し目を形成しているものの単発で終わる可能性は低そうである。そして、ここで要注目のタイミングといえるのが第一稀元素化学工業<4082>だ。ジルコニウム化合物のトップメーカーだが、レアアースを使用しないセラミックス材料の開発に成功しており、経済安全保障の観点からも重要なポジションに浮上している。26年3月期経常利益は従来の大幅減益見通しから一転して9割増益という強烈な増額修正で耳目を驚かせ、27年3月期は更に大幅な伸びを見込んでいる。
また、来年相場を先取りするうえで、建設セクターに注目する市場関係者も少なくないようだ。PERやPBR、配当利回りなどトラディショナル投資指標でみて依然として水準訂正余地があるほか、高市政権下での「責任ある積極財政」のもと、 国土強靱化という大義名分が立つ建設関連は国策的に潤う可能性が高い。即時的ではないがインバウンドの恩恵も享受するセクターであり、海外投資家の関心を引き寄せそうだ。これに加えて、かつてのバブル相場でインフレと共鳴する形で建設セクターが大相場を演じたというマーケットの記憶、これが潜在的な人気を呼び覚ます公算もある。国土強靱化絡みでは、先駆して株価を上昇させたゼネコンに次ぐ第2グループに着目。港湾土木に関連する銘柄で東亜建設工業<1885>や若築建設<1888>のほか、特殊土木の大手で“麻生関連”でもある日特建設<1929>をマークしたい。
あすのスケジュールでは、11月の有効求人倍率、11月の失業率、12月の都区部消費者物価指数(CPI)、11月の鉱工業生産指数・速報値、11月の商業動態統計・速報値がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、この日は12月権利付き最終売買日となり、来週から実質新年商いとなる。海外では香港、オーストラリア、ニュージーランドのほか、英国、ドイツ、フランスなどの市場が休場となる。なお、27日土曜日は中国で1~11月期の工業利益が開示される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
短縮取引となった前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数がしっかりと足並みを揃えて5連騰を記録した。AIバブル懸念が前面に押し出され投資家の不安心理を煽った時間帯が昔のことのようにも思える健脚ぶりで、ダウとS&P500は史上最高値を更新した。投資家の強気心理を象徴するのが、恐怖指数とも称されるVIX指数で前日はついに終値で14ポイントを割り込んだ。25年相場のゴールテープを目前にして初のことで、これは特筆に値する話である。東京市場ではこの流れに追随するような勢いはなかったが、先物絡みで売り方が暗躍するようなこともなく、個人投資家にすれば与(くみ)しやすい地合いとなっている。
前日取り上げたクロスキャット<2307>や、ニーズウェル<3992>といった好実態のAI関連株(プライム上場)に、もみ合い離脱の動きが出ているが、この流れは復活の狼煙を上げているグロース市場に上場するAI関連、あるいは バイオ関連にも波及し始めた感触がある。損益通算目的の実質的な投げ売りの後に予想された光景ではあったが、市場筋いわく「とんでもなく値引きされた玩具が積み上げられたワゴンセールの状態」(中堅証券ストラテジスト)となっており、そこに個人投資家マネーが押し寄せているイメージだ。
グロース市場のAI関連ではヘッドウォータース<4011>が突発的なリバウンドに転じたが、こうした動きが横に広がるケースも考えられ、トリプルアイズ<5026>やニューラルグループ<4056>、セカンドサイトアナリティカ<5028>など大底圏に位置する中低位株は目先チェックしておく価値がありそうだ。グロース市場のバイオ関連では売買高の流動性で群を抜くトランスジェニックグループ<2342>や免疫生物研究所<4570>などが、既に逆襲高モードの片鱗を覗かせている。
このほか“メタル系”に物色の流れが来ている印象もある。何といっても金、銀、プラチナ、銅が一斉に最高値圏に舞い上がるなかで、株式市場でも純金上場信託(現物国内保管型)<1540>、純銀上場信託<1542>、純プラチナ上場信託<1541>などに対する投資マネーの視線が熱を帯びている。個別株はチタン関連の東邦チタニウム<5727>などが動兆しているが、高市早苗首相が安定調達に腐心するレアアース関連株にも再び出番が回りそうだ。アサカ理研<5724>がいち早く動意含みとなった。足もとでは押し目を形成しているものの単発で終わる可能性は低そうである。そして、ここで要注目のタイミングといえるのが第一稀元素化学工業<4082>だ。ジルコニウム化合物のトップメーカーだが、レアアースを使用しないセラミックス材料の開発に成功しており、経済安全保障の観点からも重要なポジションに浮上している。26年3月期経常利益は従来の大幅減益見通しから一転して9割増益という強烈な増額修正で耳目を驚かせ、27年3月期は更に大幅な伸びを見込んでいる。
また、来年相場を先取りするうえで、建設セクターに注目する市場関係者も少なくないようだ。PERやPBR、配当利回りなどトラディショナル投資指標でみて依然として水準訂正余地があるほか、高市政権下での「責任ある積極財政」のもと、 国土強靱化という大義名分が立つ建設関連は国策的に潤う可能性が高い。即時的ではないがインバウンドの恩恵も享受するセクターであり、海外投資家の関心を引き寄せそうだ。これに加えて、かつてのバブル相場でインフレと共鳴する形で建設セクターが大相場を演じたというマーケットの記憶、これが潜在的な人気を呼び覚ます公算もある。国土強靱化絡みでは、先駆して株価を上昇させたゼネコンに次ぐ第2グループに着目。港湾土木に関連する銘柄で東亜建設工業<1885>や若築建設<1888>のほか、特殊土木の大手で“麻生関連”でもある日特建設<1929>をマークしたい。
あすのスケジュールでは、11月の有効求人倍率、11月の失業率、12月の都区部消費者物価指数(CPI)、11月の鉱工業生産指数・速報値、11月の商業動態統計・速報値がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、この日は12月権利付き最終売買日となり、来週から実質新年商いとなる。海外では香港、オーストラリア、ニュージーランドのほか、英国、ドイツ、フランスなどの市場が休場となる。なお、27日土曜日は中国で1~11月期の工業利益が開示される。(銀)
出所:MINKABU PRESS

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