貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7203 トヨタ自動車

東証P
2,674.5円
前日比
-24.0
-0.89%
PTS
2,675円
20:09 11/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.8 1.02 3.37 10.58
時価総額 422,437億円
比較される銘柄
ホンダ, 
日産自, 
デンソー

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【杉村富生の短期相場観測】 ─物色の核銘柄はメガバンクに!


「物色の核銘柄はメガバンクに!」

●地経学上のリスクに警戒を!

 古来、政治は経済を越える、という。そう、政治が基本である。トランプ大統領(2025年1月20日に就任予定)は強力な権力(独裁?)を手に入れようとしている。共和党内の旧主流派は一掃された。上院のトップはトランプ氏と対立していたマコネル議員に代わり、穏健派のスーン議員が院内総務の座に就く。下院議長はトランプ氏側近のジョンソン氏が続投する。

 次期政権の閣僚が次々に発表されているが、ラトクリフCIA(中央情報局)長官、ゲーツ司法長官、ヘグセス国防長官、ルビオ国務長官、ノーム国土安全保障長官など身内ばかり。大統領と上院・下院の多数派は共和党(いわゆる、トリプルレッド)である。頼みの連邦裁判所の判事(9人)のうち、6人は共和党系だ。誰がトランプ暴走列車を止めるのだろうか。

 最近、「地経学上のリスク」という言葉を耳にすることが多くなった。中東情勢などの地政学上のリスクではない。「政→経」だ。政治が経済に大きな影響を与え始めている。“欧州の病人”と形容されるドイツの苦境がそうだ。トランプ氏はUSMCA(アメリカ、メキシコ、カナダ3カ国の自由貿易協定)を「見直す」と広言している。

 メキシコからの輸入車に「100%の関税を課す」という。メキシコには日産自動車 <7201> [東証P]、トヨタ自動車 <7203> [東証P]など自動車メーカーを中心に、多くの日本企業が進出している。欧州企業もそうだ。対米輸出の拠点となっている。最悪のケースではメキシコペソは急落するだろうし、経済は危機的状況を迎えつつある。

 テスラ<TSLA>のCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏は新設される政府効率化省のトップに就任する。彼は「連邦予算の3割に相当する2兆ドルは削減可能だ」と豪語している。トランプ氏の巨額の財政出動プランとは明らかに矛盾する。国防長官に起用されるヘグセス氏はウクライナ支援に「反対」の立場だ。“暴走”を許せば国際情勢、世界経済は大混乱に陥るだろう。

●大上放れの青山財産ネットワークス

 関税の引き上げは輸入物価の上昇を通じ、インフレを招くし、関税強化の報復合戦は貿易の停滞につながる。すでに、米10年物国債利回りはデッドラインの4.5%に接近している。金利上昇はドル高になる。日本には円安(1ドル=156円台に)が好材料だが、喜んでばかりはいられない。日銀は12月18~19日に開く日銀金融政策決定会合において、利上げ(0.25%)に進む、と思う。

 円安の状況下、「金融正常化」を安心して遂行できる。この局面での狙い目は三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]などの メガバンクだろう。好業績に加え、引き続いて増配、自社株買いが期待できる。

 さて、話は前後するが、これだけのネガティブな情報が乱れ飛んでいるのに、世界の株式市場が意外に堅調なのはなぜか。それはトランプ氏の第1次政権時代がそうであったように、彼は“変節”を得意とすることにあろう。要するに、言いたい放題の選挙公約と実際の政策は違う。マーケットはそれを知っている。

 とはいえ、アメリカはもちろん、日本、ドイツ、イギリスなど政治は迷走気味だ。安定しているのはロシア、中国など強権国家だけ? だからこそ、株式投資では「地経学上のリスク」に細心の注意が必要になる。とりあえず、当面はメガバンクを軸に、これまで同様にテーマ性を有する好業績銘柄での小すくい戦術が有効だろう。

 具体的にはベーカリーレストランを展開するサンマルクホールディングス <3395> [東証P]、いつも満員の回転ずしの銚子丸 <3075> [東証S]、アクティビスト(物言う株主)が介入している青山財産ネットワークス <8929> [東証S]、2025年9月期の配当は35円(前期は16円)を行うタスキホールディングス <166A> [東証G] などに注目できる。

2024年11月15日 記

株探ニュース

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