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7888 三光合成

東証P
614円
前日比
+4
+0.66%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.5 0.64 3.26 102
時価総額 188億円
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政局動乱でも買える! 株価3ケタ台の「好業績・赤札銘柄」特出6選 <株探トップ特集>


―石破政権のカラータイマー点滅、総選挙後の荒野を行く中低位の好実態株に刮目せよ―

 週末25日の東京株式市場は下値模索の動きに終始した。日経平均株価はフシ目の3万8000円台をあっさり下回り、下げ幅は一時400円を超える場面もあった。直近では先物主導で海外ファンド筋とみられる売りが全体相場を押し下げている。日本の政治が今危殆に瀕しているとの認識が、株式市場からのグローバルマネー退避につながっている。

 27日に行われる衆議院選挙では自民・公明の連立与党の苦戦が伝えられている。自民党の議席数単独過半数割れはおろか、自公合わせても233議席確保が怪しいという状況が報じられ、株式市場でもポジション調整の売り圧力が拭えない状況となった。国内の政局不安がここまで株式市場に影響を与えたのは久し振りといってもよい。現在、世界的にみれば欧米をはじめ金融緩和局面にあり、経済減速への懸念を利下げで打ち消すという金融政策面からの対応が可能だ。しかし、日本の場合は遅かれ早かれ日銀が利上げに動くことが濃厚視されており、株式市場にとっては政治と金融両面からの向かい風を意識せざるを得ない環境に晒されている。

●11日連続陰線でにわかに警戒モード

 そうしたなか、今週は日経平均の「日足陰線」が記録的に続いたことが話題となった。23日まで11営業日連続陰線を示現、これは2012年4月から5月にかけて13営業日連続陰線をつけて以来約12年半ぶりとなるネガティブ現象であった。24日にはようやく陽線をつけたものの、それで吹っ切れたということはなく、25日には再び売り直され3万7000円台後半まで水準を切り下げている。

 日足チャートで陰線をつけるということは、その日の日経平均の高安に関係なく、始値を終値が下回った状態を意味する。つまり、取引終了時間までに保有株を売却したいという思惑が強まれば、後場に売り注文を出すという投資行動が促され、それが結果的に株価の下げトレンドを助長することになる。11営業日連続で陰線を形成したということは、それだけ保有株をキャッシュ化するニーズが強いことを意味し、日本株の先行き警戒感が取り沙汰されることになった。

●引き続き株式はリスクアセットの中軸を担う

 これから3月期決算企業の決算発表が本格化していくことになる。総じて増額修正に動く企業が多いという見立てだが、東京市場はその期待を先食いしてしまっている部分もあり、為替の円安進行にもかかわらず慎重なムードが漂う。全体指数への寄与度が高い半導体セクターの株価不振も投資家の疑心暗鬼を増幅させているようだ。ただし、大勢トレンドが下降トレンド転換していると判断するのは早計である。

 米国では前週末18日までNYダウが史上最高値更新基調を続けていた。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も前週末時点で最高値をつけた。米国だけではない。欧州でも前週末にドイツの主要株価指数であるDAXが史上最高値を更新している。株式はむしろリスクアセットとしてグローバルマネーフローの中心軸に堂々と位置しているのだ。そのなか、いうまでもなく日本株は出遅れ感が非常に強く、企業のファンダメンタルズ面を考慮すれば株価見直し余地が大きい。ここは買い場である。

●半導体株や銀行株は宴の後始末がしばらく続く

 東京市場で足もとリスク回避の相場環境を作り出しているのは、来週以降の相場に対する不安心理にほかならない。具体的には選挙後の政局不透明感を警戒しているのだが、それは漠とした不安材料でもある。懸念されるビッグイベントを通過する直前、それは最も暗い夜明け前の闇である。総選挙で仮に与党が大敗したとしても、日本株が総売り状態になるほど国内政治が企業収益の成長を左右するのかと言えば、答えはノーだ。足もとリスクオフの波に揉まれバランスを失ってしまっているが、実はかなりの部分が空売りによって株価の下げ圧力が演出されているという実態も理解しておきたい。

 とはいえ、どういった銘柄を物色ターゲットとするかは、不安定な相場環境下での個別株戦略として重要な要素を占める。半導体関連の値がさ株はアドバンテスト <6857> [東証P]など一部の銘柄を除き、なかなか底値圏から離脱できない。半導体主力株のように今年前半までに大相場を形成して上値で売買代金をこなしてしまっている銘柄については、どうしても戻り売り圧力が意識され実需の買いが入りにくい。また、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]のような大手金融株も日銀による金融引き締め政策への転換期待から買いを集めたが、配当利回りも際立って高いわけではなく、ここにきて買い疲れ感が台頭。これが利益確定の動きを誘発し、目先上値の重さが顕在化している。

●米国でも復権の流れにある中小型株物色

 一方、最近では業績が好実態で時価総額のそれほど大きくない、あまり注目度の高くなかった銘柄群に光が当たり始めている。米国株市場でも今月中旬以降にラッセル2000が強い動きを示すなど、大型株から中小型株への資金シフトが一部で観測されている。東京市場では東証グロース市場の低迷が目立つものの、中小型株全般が回避されているということではなく、これは大型株指数、中型株指数、小型株指数のチャートを見比べてみれば大差がないことに気付く。

 ここは上値での戻り売り圧力が乏しい中小型株にスポットを当ててみたいタイミングだ。その中で業績好調かつテクニカル的にも投資妙味のある銘柄に照準を絞ってみたい。また、最近では超低位株も含め株価が3ケタ台に位置する、いわゆる“値がさ株ではない銘柄”に人気化するものが相次いでいる。これは打診買いを含め小口から参戦しやすく、分散して買い溜めることが可能となっている点が個人投資家の琴線に触れているようだ。今回のトップ特集では、そうした条件を満たす銘柄を対象に先行き有望な6銘柄(3月期決算企業3社・それ以外3社)を厳選リストアップした。

●業績好調で成長シナリオの描ける中低位株6選

◎いちご <2337> [東証P]

 いちごは中規模不動産を対象とした再生・流動化ビジネスを展開し、J―REITの運用も手掛ける。また、太陽光発電事業なども行っている。同社が「心築事業」と銘打つ不動産再生ビジネスは首都圏や主要都市を中心に、オフィスビルやホテルなどの案件が好調で、特にホテル事業はインバウンド特需の追い風が強力だ。太陽光発電所も大規模案件のストック収益が業績に反映されている。25年2月期営業利益は前期比24%増の160億円を見込む。株価は400円近辺での強含みもみ合いだが、今月11日にマドを開けて動意した後は陽線の多さが目立つ。株主還元にも前向きで10日には1700万株(発行済み株式数の3.88%相当)の自社株買いを発表した。早晩、年初来高値468円奪回が視野に。

◎三光合成 <7888> [東証P]

 三光合成は工業用の樹脂成形部品の大手メーカーで自動車向けを主力に展開しており、成形用金型の設計・製作も手掛けている。業績は好調を極めている。総売り上げの7割以上を占める自動車向け内外装部品が、ハイブリッド車(HV)用などを中心に高水準に推移しており、高付加価値製品の受注拡大も利益率の向上に貢献。25年5月期第1四半期(24年6~8月)決算は営業利益が前年同期比2.7倍の10億1900万円と急拡大した。通期の営業利益は前期比16%増の48億円予想と連続過去最高利益更新を見込んでいる。高い業績変化率に加え、PER6倍、PBR0.6倍前後は超割安圏にあり、3.5%前後の配当利回りも併せて高成長バリュー株として、見逃せない存在といえる。

◎ポールトゥウィンホールディングス <3657> [東証P]

 ポールHDはゲームソフトの不具合検出などデバッグを主力事業として展開するほか、インターネット掲示板及びSNSの投稿監視、通販サイトでの不正チェックといったネット監視業務も行う。国内eコマース市場向けではQRコード決済に関する業務が好調なほか、売上高の約3割を占める海外ソリューションでは人材確保のために現地法人の設立を推進するなど、業容拡大の布石に余念がない。25年1月期は営業利益が前期比4.5倍となる18億300万円予想と回復色を鮮明とする。上場以来減配をしたことがなく、時価予想配当利回りは3.7%前後と高い。株価は8月5日の急落から順調に立ち直り、下値切り上げ波動を形成。75日移動平均線近辺は買い場でフシ目の500円台復帰を目指す。

◎レントラックス <6045> [東証G]

 レントラクスは成果報酬型(アフィリエイト)のネット広告サービスを展開している。登録する際に既存運営者の紹介などを必要とするクローズド型サービスを主力としているが、営業戦略の強化が顧客獲得に結び付いている。直近開示された9月の月次売上高は前年同月比22.3%増と大幅な伸びを確保した。25年3月期は利益面の回復が顕著で、営業利益段階で前期比36%増の8億8500万円を見込んでいる。これは23年3月期に記録したピーク利益には届かないものの、それに次ぐ水準となる見通し。配当も22年3月期以降は毎期増配を繰り返しており、今期は前期実績に1円上乗せとなる23円を計画、配当利回りは3.4%前後と高い。株価は年初来高値奪回から800円台を指向する動きに。

◎新田ゼラチン <4977> [東証S]

 新田ゼラチンはグミキャンディーなどをはじめ幅広い需要があるゼラチンの製造販売を収益の主柱としており、国内では断トツのシェアで約6割を占める。また、グローバルシェアも世界上位だ。国内とほぼ同水準の売上高を海外向けで確保している点もポイント。ゼラチン以外では美容用途のコラーゲンペプチドに注力、アジア地域を中心に展開し、インドでは来年6月の稼働をメドに生産ラインの大幅増強に動いている。人工骨や人工皮膚など生体材料用途バイオメディカル分野への展開にも期待が大きい。25年3月期の営業利益は前期比63%増の30億円と急拡大を見込み、2期ぶりに過去最高利益を大幅更新予想にある。株価は目先調整も買い下がりで対処し、中勢4ケタ大台回復から一段の上値も。

◎パンチ工業 <6165> [東証S]

 パンチは自動車業界や半導体・電子部品業界などを主要顧客に金型部品の製造販売を手掛けるが、特注品に強く国内や中国向けでトップクラスの商品シェアを誇っている。海外では中国向けを中心に実績が高く、海外売上高比率は前期実績ベースで7割近くに達する。また、インドや欧米でも需要獲得に向けた成長戦略を推進中だ。25年3月期はリストラ特損などから解放され利益が急改善、前期赤字だった最終損益は大幅黒字化を見込む。営業利益段階では前期比73%増の21億5000万円を予想している。10倍を下回るPERや0.5倍台のPBRなど指標面の割安さが際立つほか、今期予想配当利回りは4.8%前後と非常に高い。株価は目先調整場面ながら仕込み場で、中期500円台活躍を目指す。

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