欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米大幅利下げ観測後退も150円を意識
15日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利下げ観測の後退で、ドル買い地合いに振れやすい。ただ、150円台では日本の為替介入が意識され、円売りは縮小しそうだ。
前日は米債券市場の休場で手がかりが乏しいなか、前週発表された予想外に強いインフレ指標が改めて材料視された。長期金利の底堅い推移でややドル買い基調に振れ、ユーロ・ドルは1.09ドルを割り込んだ。ドル・円は中国財政支援策も好感され、心理的節目の150円台に接近する場面もあった。本日アジア市場は連休明けの東京株式市場で強含む展開となったが、ドル・円は150円付近の売りに押され失速した。
この後の海外市場は主要中銀の金融政策がテーマ。米インフレ再加速はFRBのハト派的な政策方針を弱める手がかりとなり、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ期待はいったん後退。欧州中銀(ECB)は今週の理事会で追加利下げが見込まれ、ドル買い基調に。ただ、ドル・円は150円の大台が視野に入り、日本政府による過去の為替介入が意識されやすい。引き続き円売りは抑えられ、ドルの上値は重いとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・10月ZEW景気期待指数(予想:10.0、9月:3.6)
・18:00 ユーロ圏・8月鉱工業生産(前月比予想:+1.8%、7月:-0.3%)
・21:30 米・10月NY連銀製造業景気指数(予想:3.6、9月:11.5)
・21:30 カナダ・9月消費者物価指数(前年比予想:+1.8%、8月:+2.0%)
・24:00 米・9月NY連銀調査1年インフレ期待(8月:3.00%)
・24:30 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁基調講演(ニューヨーク大学)
・02:00 クーグラー米FRB理事討論会参加
《CS》
提供:フィスコ