欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米利下げペースにらみドル買いも中東に警戒継続
7日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースは緩慢との見方から、ドル買い先行の見通し。ただ、中東情勢の不安定化が警戒されるなか、リスク回避の円買いがドルの上値を抑える。
前週末発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数は大幅増、失業率は低下、平均時給は上昇といずれも予想より強い内容となり、ソフトランディング期待のドル買いが優勢に。ユーロ・ドルは1.1030ドル付近から1.09ドル台半ばに失速し、ドル・円は146円半ばから2円超も強含み一時149円を付けた。週明けアジア市場は利益確定売りが先行したが、ドル売りは限定的。ドル・円は下げ渋り、148円台前半を維持した。
この後の海外市場は前週末の強い雇用統計を消化し、軟着陸を期待したドル買いが入りやすい。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者から今後の大幅利下げに慎重な見解が相次ぎ、ドル買いに振れやすい。一方、イスラエルのイランに対する報復攻撃に懸念が一層強まり、ドルに有事の買いが見込まれる。ただ、同時にリスク回避の円買いも強まりドルの重石に。ドル・円は前週の大幅高で調整売りも想定され、上値が重いだろう。
【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・8月小売売上高(前月比予想:+0.3%、7月:+0.1%)
・02:50 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁質疑応答
・04:00 米・8月消費者信用残高(予想:+134億ドル、7月:+254.52億ドル)
・07:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁対談
・07:30 ムサレム米セントルイス連銀総裁講演(米国経済と金融政策
《CS》
提供:フィスコ