欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米追加利下げ観測も円売りがサポート
26日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和的な政策方針を背景にドル売りは継続の見通し。ただ、日銀の金融正常化をにらみ円売り地合いが続くとみられ、ドルをサポートしそうだ。
前日発表された米国の住宅関連指標は低調な内容で先行きに不透明感を深めるなか、前日に続きFRBの利下げ継続の見方からドル売り先行。その後は月末のフローによりドル買いに転じ、ユーロ・ドルは1.1210ドル台から1.1120ドル台に沈み、ドル・円は143円80銭台から144円70銭台に値を上げた。本日アジア市場は日経平均株価の急伸で円売りが強まり、ドル・円は短期的に145円台へ浮上する場面もあった。
この後の海外市場は米経済指標にらみ。今晩発表の4-6月期国内総生産(GDP)確定値は横ばい、耐久財受注、新規失業保険申請件数は悪化が予想される。当局者内で大幅利下げに関する見解は分かれるものの、パウエル議長が一段の金融緩和に前向きな姿勢ならドル売り地合いに振れる見通し。ドルは145円台に定着する好材料は乏しく、下押しされそうだ。一方で、日銀の追加利上げ観測は後退し下値の堅さが意識されよう。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・8月マネーサプライM3(前年比予想:+2.5%、7月:+2.3%)
・17:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.4万件、前回:21.9万件)
・21:30 米・4-6月期GDP確定値(前期比年率予想:+3.0%、改定値:+3.0%)
・21:30 米・8月耐久財受注速報値(前月比予想:-2.8%、7月:+9.8%)
・22:10 コリンズ米ボストン連銀総裁とクーグラーFRB理事が座談会参加
・22:15 ボウマン米FRB理事講演(経済見通しと金融政策)
・22:20 パウエル米FRB議長開会あいさつ(事前収録、米国債市場会議)
・22:25 ウィリアムズNY連銀総裁発言(米国債市場会議)
・22:30 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁あいさつ
(欧州システミックリスク理事会)
・23:00 米・8月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+1.0%、7月:-5.5%)
・23:30 バー米FRB副議長(銀行監督担当)発言(米国債市場会議)
・02:00 米財務省・7年債入札
・02:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、バーFRB副議長が座談会司会
《NH》
提供:フィスコ