網屋 Research Memo(2):安全・安心な情報通信基盤の実現をミッションとするサイバーセキュリティカンパニー
■網屋<4258>の会社概要
● 経営方針
国産メーカーとしてログマネジメントサービス「ALogシリーズ」を開発するほか、通信インフラのクラウドサービス「Network All Cloud」を提供する。「SECURE THE SUCCESS.-自動化で、誰もが安全を享受できる社会へ-」というビジョンを掲げ、「安全・安心な情報通信基盤」の実現をミッションとし、企業のDX促進を支援する。
社名の「網」は、同社がインターネットのインフラを構築してきたことに由来する。創業当時はオフィスなど限られたエリアで接続されるネットワークであるLANを、広域ネットワークであるWANにつなぐ事業を展開していた。その後、内部不正対策やサイバー攻撃対策などサイバーセキュリティ市場の需要増を背景に、サイバーセキュリティカンパニーとして舵を切り、着実な事業拡大を続けている。自社でサイバーセキュリティ製品を開発できる技術力が強みだ。
■事業概要
データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業の2軸で展開
1. 事業内容
同社の事業は、情報の安全を守る「データセキュリティ事業」と通信の安全を守る「ネットワークセキュリティ事業」の2つで構成される。2024年12月期第2四半期の事業別売上構成比はデータセキュリティ事業が41.5%、ネットワークセキュリティ事業が58.5%、セグメント利益構成比はデータセキュリティ事業が55.2%、ネットワークセキュリティ事業が44.8%となった。
同社では事業別にARRを重要なKPIに設定している。ARRとは毎年得られる売上のことで、「年間経常利益」や「年間定期収益」とも呼ばれる。継続購入や月額・年額制のサブスクサービスによる1年間の売上高もARRに含まれることから、特にSaaSビジネスで重要な指標とされている。2024年12月期第2四半期は、データセキュリティ事業で960百万円(前年同期比28.0%増)、ネットワークセキュリティ事業で1,510百万円(同21.8%増)と右肩上がりで成長している。加えて、2024年12月期第2四半期より主力製品である「ALogシリーズ」のオールサブスク販売を開始しており、収益体質のより一層の安定とLTVの向上が期待できると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
《EY》
提供:フィスコ