FCE Research Memo(3):人的資本の不足を補い、人的資本のパフォーマンスを向上する
■中期経営計画
1. ミッションと特徴
日本では、人口減少による生産力の低下が懸念されており、これをどのようにカバーしていくかが重要な課題となっている。こうした課題を解決するには、人的不足をカバーするテクノロジーと人的パフォーマンスを向上させる投資が必要となる。FCE<9564>は、人口減少というリスクにさらされている日本企業に対して、「チャレンジあふれる未来をつくる」というパーパスを策定し、「『人』×『Tech』で、人的資本の最大化に貢献する」というミッションを実践している。具体的には、DX推進事業の「Robo-Pat DX」によって人的資本の不足を補い、教育研修事業の「Smart Boarding」によって人的資本のパフォーマンス向上をサポートし、企業の生産力向上を支援している。同社ビジネスモデル上の特徴は、人的資本の最大化に向けて、DX推進事業と教育研修事業の両輪を有していること、両輪ともに商品・サービスに加えてコンサルティングサポートも提供していることにある。片方のみのビジネスでサポートが別料金という運営が多い他社と最も差別化された点であり、ランキングで高評価を得る背景にもなっている。
2. 中期経営計画
同社は2023年5月に、3ヶ年の中期経営計画(2023年9月期~2025年9月期)を策定した。売上高は毎期10%以上の成長、ストック型収益が積み上がり続けることで経常利益率は毎期25%以上の成長を見込み、2025年9月期に売上高4,915百万円、経常利益885百万円の達成を目指している。その前提として、「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」「フォーサイトアプリ」を重点的に強化することで、導入社数・校数を戦略的に伸ばしていく。足元は「Robo-Pat DX」と「Smart Boarding」の好調によって売上高は中期経営計画の目標を上回って推移し、経常利益は先行費用を積み増しているものの目標を射程圏に入れた。さらに、中期経営計画発表後に実行された、教育事業とのシナジーが期待される日本コスモトピアの子会社化、新事業の生成AIプロンプトプラットフォーム「FCEプロンプトゲート」の本格展開、補完関係にあるリンクアンドモチベーションとの資本業務提携といった新たな取り組みによって、成長に弾みがつくと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ