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明日の株式相場に向けて=FOMCは嵐を呼ぶか

 きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比176円高の3万6380円と3日ぶり反発。相変わらず方向感の定まらない相場で、きょうは朝方に円安を追い風に470円あまりの上昇をみせたが、その後は伸び悩み、後場に入ると下げに転じる場面があった。取引時間中に為替市場で再び円が買い戻される展開となり警戒された。地合いが弱ければ、日経平均もそのままズルズルと下値を探る動きとなるところだったが、取引終盤は再び買いが優勢でプラス圏に切り返した。もっとも、売買代金は低調で、国内外の機関投資家がFOMC前に様子見を決め込んだことが窺われる。

 FOMCでは利下げ幅が0.5%か0.25%かで見方が真っ二つに割れている。直近で0.5%を示唆する声が相次いだが、依然として微妙である。前日発表された8月の米小売売上高が市場予想に反し2カ月連続上昇したことで、この結果を踏まえてFRBが0.5%の利下げを行うとなると、米経済に対する不安感をむしろ煽ることにもなりかねない。ここは0.25%の利下げにとどめ、会合後の記者会見でパウエルFRB議長が極めてハト派寄りの発言でケアするというのが実践的ではある。

 つまり、記者会見では年内あと2回の会合(11月と12月)でいずれも利下げの用意があるとし、データ次第でそのうち1回は0.5%の引き下げで対処可能という姿勢を前面に押し出す。アドバルーンを上げた関係で0.25%ならば米株市場の波乱は避けられないとの見方が強いが、「ドットチャートとパウエル発言との合わせ技でマーケット心理を冷やさない方向でまとめるのは不可能ではない」(生保系エコノミスト)という指摘もある。いずれにしても答えは日本時間あす未明に判明する。

 個別では、消去法的に中小型株に短期筋を中心とした資金が流れ込んでいる。そのなか、バイオ関連株の一角にも物色の矛先が向いており、きょうは当欄でも継続的にマークしていた免疫生物研究所<4570>が突発人気化した。また、8月22日にリストアップしたキャンバス<4575>も持ち前の仕手性を発揮し大勢2段上げの様相。きょうは上ヒゲ形成を余儀なくされたものの、一時22%高の1490円まで駆け上がる場面があった。秋の学会シーズンということもあって、この時期のバイオ関連は人気化に向けた土壌が醸成されやすい。当然ながら株価材料がリリースされれば瞬く間に引火するが、火がついてから消えるまでの時間が読みにくく、下手をすればヤケドして終わる。また、材料がリリースされるタイミングについても個別企業ごとの話で、こればかりは事前に推測不能である。あたりをつける作業としては、当該株のチャート、日柄、出来高を注視するよりない。

 業績内容にも目を配っておくところで、バイオといえど足もとの収益動向はポイントとなる。そのなか、タウンズ<197A>に着目。感染症の抗原検査キットの大手で、会社としての歴史は古いが、今年6月20日に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄だ。24年6月期は営業利益段階で前の期比62%増の80億3000万円を達成、続く25年6月期も前期比4%増の83億800万円予想と増益基調をキープする。検査キットといえば新型コロナのイメージが強いが、もちろんそれは一例に過ぎない。インフルエンザをはじめ多種多様のウイルスが日常の脅威となるなかで、これから先も同社の活躍余地は大きいといえる。PER9倍、配当利回り5%超はバイオ関連株では稀少な存在だ。

 このほかトランスジェニック<2342>も改めてマーク。創薬マウス作製受託で高実績を有するが、25年3月期営業利益は前期比3.9倍の3億5000万円予想と回復色が鮮明。プライム上場銘柄ではペプチドリーム<4587>。一目均衡の雲を下抜けそうなタイミングでもあり目先正念場だが、75日移動平均線のサポートで踏ん張れれば狙い目となる。24年12月期は営業利益が前期比3倍の201億円を見込むが、一段の上振れも視野。

 あすのスケジュールでは、4~6月期の資金循環統計、3カ月物国庫短期証券の入札、8月の首都圏マンション販売、福留全銀協会長の記者会見など。また、日銀の金融政策決定会合が20日までの日程で開催される。海外では英金融政策委員会の結果開示のほか、ブラジル中銀、ノルウェー中銀、トルコ中銀、南アフリカ中銀などが政策金利を発表。米国では週間の新規失業保険申請件数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4~6月期経常収支、8月の中古住宅販売件数、8月の景気先行指標総合指数などが開示される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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