【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンケン、アンビスHD、トヨタ
サンケン <日足> 「株探」多機能チャートより
トランコム<9058>はストップ高。17日取引終了後にMBOを実施すると発表した。米投資ファンドのベインキャピタル系のBCJ-86(東京都千代田区)が1株1万300円でTOBを行うとしており、これにサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は669万4841株(下限350万8200株、上限設定なし)で、買い付け期間は9月18日から10月31日まで。TOB成立後に上場廃止となる予定で、これを受け東京証券取引所は17日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。
■サンケン電気 <6707> 6,428円 +383 円 (+6.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
サンケン電気<6707>が切り返し急。旧村上ファンド系とされるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントによるサンケンの保有比率が上昇したことが17日の取引終了後に判明し、思惑視した買いが入ったようだ。同日に関東財務局に提出された変更報告書によると、エフィッシモの保有比率は26.98%から28.34%に上昇した。報告義務発生日は9月9日。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。
■アンビスHD <7071> 1,869円 +92 円 (+5.2%) 本日終値
アンビスホールディングス<7071>が3日続伸。同社は17日の取引終了後、取得総数25万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.3%)、取得総額5億円を上限とする自社株買いの実施を発表。これを材料視した買いが入ったようだ。取得期間は9月18日から10月31日までとする。
■三共生興 <8018> 590円 +29 円 (+5.2%) 本日終値
三共生興<8018>が急反発。17日の取引終了後、同日終値561円で、東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を通じ、総数170万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.26%)、総額9億5370万円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。自己株式1000万株(発行済み株式総数の17.86%)を9月27日に消却することも公表している。資本効率の向上に向けた取り組みを評価した買いが入ったようだ。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、三共生興は18日、取得総数の上限となる170万株を買い付けた。
■トヨタ自動車 <7203> 2,485円 +79 円 (+3.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が3日ぶりに切り返しに転じた。ここ下値模索の動きが続いており、前日までの直近10営業日で高く引けたのは1営業日のみという軟調ぶりで、この間に株価を370円以上も下げていた。きょうは上値抵抗ラインとなっていた2400円台半ばの5日移動平均線を巡る攻防で反騰の狼煙を上げている。日米の金融政策決定会合を目前に日米金利差縮小が改めて意識され、外国為替市場では仕掛け的なドル売り・円買いの動きを誘発している。前日は一時1ドル=139円台まで一気に円高が進んだことで、輸出採算悪化を警戒した売りが同社株を直撃した。同社の25年3月期想定為替レートは1ドル=145円であり、実勢はそれよりも円高方向に振れていることが売りの根拠となっている。ただ、足もとで円高が一服していることに加え、同社のPBRは解散価値を下回る0.9倍前後まで水準を切り下げており、過剰に売り込まれているとの判断も働くところ。為替市場の動向を横にらみに2400円近辺は機関投資家などの実需買いも観測される状況にある。
■フジテック <6406> 4,865円 +154 円 (+3.3%) 本日終値
フジテック<6406>が続伸し、新値街道をまい進している。SMBC日興証券が17日、フジテックの目標株価を4100円から4700円に引き上げた。投資評価は「2」を継続する。地域ごとの業務別受注動向などのデータから、インド市場での成長継続や今後の製品ミックスの改善効果が示唆されていると指摘。インドでの新販売拠点の開設などを通じ、マーケットの期待に沿った取り組みを進めていることは好印象だとの見方を示す。同証券はフジテックの26年3月期営業利益予想をこれまでの194億8100万円から205億3000万円に増額修正した。
■荏原実業 <6328> 3,995円 +95 円 (+2.4%) 本日終値
荏原実業<6328>が6日続伸。17日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。上限を17万株(発行済み株数の1.42%)、または5億円としており、取得期間は9月18日から来年3月31日まで。株主還元の拡充を図るとともに、資本効率の向上を図ることが目的としている。
■住友金属鉱山 <5713> 3,727円 +85 円 (+2.3%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>が4連騰。前日のニューヨーク商品取引所で金先物相場は下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にポジション調整目的の売りに押される格好となった。ただ仮にこの先、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げサイクル入りが鮮明となり、ドル売りが加速した際には、ドルと逆相関の関係にある金相場に上昇圧力が掛かるとの期待はマーケットでは根強いようだ。金先物相場の先高観が膨らむなか、金関連銘柄と位置付けられる住友鉱を物色する流れが続いている。
■PAコンサル <4071> 2,173円 +45 円 (+2.1%) 本日終値
プラスアルファ・コンサルティング<4071>が続伸。この日の寄り前に、タレントマネジメントシステム「Talent Palette(タレントパレット)」に、アルムナイ(退職者)との関係を維持し、再雇用を支援する機能の提供を開始したと発表しており、好材料視された。同機能は、アルムナイ情報を一元管理したうえで、企業が退職後も元従業員とコミュニケーションや交流を図り、アルムナイネットワークを活用した人事戦略を支援するのが狙い。近年、人材の獲得競争が激しくなり、企業の人事戦略として退職者に対する注目度が高まり、即戦力人材の獲得/採用・教育コストの抑制/組織の活性化などを企図して、退職者との関係を維持・強化する企業が増えていることから開発したもので、アルムナイ情報の管理・分析やアルムナイ採用管理、アルムナイネットワークの構築などを提供するとしている。
■グリー <3632> 443円 +7 円 (+1.6%) 本日終値
グリー<3632>が3日ぶりに反発した。17日の取引終了後、東証プライム市場の上場維持基準への適合を確認したと発表。パッシブ系ファンドの資金が流出する恐れが低下したと受け止めた買いが入ったようだ。これまで上場基準のうち、流通株式比率についての基準に適合していない状況にあったが、今年6月末時点で全基準の適合が確認されたという。
株探ニュース