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大塚竜太氏【再び波乱含みの展開、どうなるFOMC後の風景】(1) <相場観特集>


―円高警戒ムード、0.5か0.25かFOMCに視線集中―

 17日の東京株式市場は朝方こそ強弱観を対立させていたが、その後は為替市場での円高進行を警戒して主力株中心に売りが加速する地合いとなり、日経平均株価は下げ幅を広げる展開となった。一時3万6000円台を大きく割り込む水準まで売り込まれたが、大引け間際に急速に下げ渋った。今週は中銀ウィークであり、差し当たって18日(日本時間19日未明)の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に思惑が錯綜する状況となっている。ここからの東京市場の展望について、ベテラン市場関係者2人に意見を聞いた。

●「足もと波乱含みも10月は上昇トレンドへ」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 東京市場は目先軟調地合いとなっているが、下期相場入りとなる10月以降、大勢トレンドは戻り歩調に転じる公算が大きいとみている。結論を先にすれば、向こう1ヵ月の日経平均のレンジは、下値は3万5000円前後とみているが、上値は3万9000円前後まで上昇余地があるとみている。

 今週のFOMCでは利下げが確実視されるが、0.5%の利下げが行われるとの見方が急速に広がり、足もとの円高を助長した。しかし、株価下落は円高局面で先物を絡めた仕掛け的な売りによるものだ。ファンダメンタルズを反映したものではなく、一時的な揺れにとどまるだろう。企業のEPSとの比較で全体指数は冷静にみて売られ過ぎといえる。また、輸出株への円高デメリットがクローズアップされがちだが、内需セクターには輸入採算の改善などで追い風となり、景気活性化につながる。したがって、仮にここから日経平均が下値を一段と試すような局面があれば、買い下がって報われる可能性が高いと考えている。

 9月に入ってから再び荒れ模様の地合いで、日経平均ボラティリティ・インデックスも目先32ポイント台まで上昇している。外国人はハイボラティリティなマーケットを敬遠する傾向があり、日本株のポジションを低める背景となっているようだ。しかし、これは恒常的な日本株売りを暗示するものではなく、10月下期相場入りとなれば流れは変わりそうだ。今週は日米をはじめ中銀ウィークであり、来週末27日の自民党総裁選の行方など重要イベントが続くが、ここを通過することによって方向性は見えてくる。

 物色対象としては、まず半導体関連は押し目買いでよい。ディスコ <6146> [東証P]や東京エレクトロン <8035> [東証P]などは底値圏にあり少し長い目で見れば時価近辺は買い場となっている公算が大きい。また、内需セクターには相対的に上値が期待できる銘柄も少なくない。大成建設 <1801> [東証P]を筆頭とするゼネコン株や東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]など不動産株に着目。食品株では日本ハム <2282> [東証P]やニチレイ <2871> [東証P]あたりをマークしたい。このほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]などメガバンクをはじめとする銀行株も投資妙味があるとみている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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