貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3569 セーレン

東証P
2,530円
前日比
-150
-5.60%
PTS
2,520円
15:24 11/13
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.0 0.97 2.37 0.79
時価総額 1,635億円
比較される銘柄
帝人, 
ユニチカ, 
東レ
決算発表予定日

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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 物言う株主・ファンドの虎の子銘柄を仕込む!


「物言う株主・ファンドの虎の子銘柄を仕込む!」

●株式市場を蘇生に導く“鶴の一声”

 最近は「鶴の一声」で株式市場が蘇る。「なんだ、それは?」となろうが、思い出していただきたい。8月1日から5日にかけて東京市場は暴落した。そこから急反発したきっかけは何だったのか。それは、8月7日に内田日銀副総裁が北海道函館市での金融経済懇談会で講演し、東京市場の暴落を受けて、

(1)7月末に決定した追加利上げで円安の修正が進み、これが株価をより大きく下落させた要因の一つだ。
(2)このように金融市場が不安定な状況で利上げすることはない。

こう明言したことで、市場に安心感が戻り、実際に日経平均株価は急回復した。まさに内田副総裁の「鶴の一声」が状況を好転させてくれたのだ。この点、ゲームチェンジ的な発言だったと言ってよい。その効果はまだ持続しているものの、9月に入って効果はかなり薄らいでしまい、先の暴落ほどではないにしても再び大きく下げる懸念があった。米国市場が経済指標の発表を受けて神経質な反応をするようになっており、東京市場も続伸力を失ってしまったといえる。

 しかし、幸い、それも新たな「鶴の一声」で再び好転することになった。「えっ、そんな『声』があった?」と思われる方も多いだろうが、重要な発言があったのだ。それは、エヌビディア<NVDA>のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が9月11日、サンフランシスコで開催された会議で、同社が製造している次世代人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」の需給状況について、

 「需要は非常に高くて逼迫している」
 「顧客は争ってブラックウェルを求めている」
 「そのため受注に応じ切れず不満の声がある」
 「当社はそれに応じるために最大限の努力をしている」

 以上のように語ったことだ。「鶴の一声」ならぬ「鶴の数声」になるが、これにより同社株が急反発。下落を続けていた半導体株のほとんどが急反転するとともに、他業種銘柄もそれに続く形になった。もちろん、東京市場もそれに追随、12日の日経平均株価は1213円高と8日ぶりに急反発した。3連休を控えた13日には251円安(-0.68%安)があり、絶対安心とまでは言い切れないものの、目先は米国の利下げ実施も想定されることから、ここは日本株も蘇生高が見込める状況にある。

●オアシスやニッポン・アクティブの保有株などに注目

そこでまずは、市場環境悪化の中でも狙う銘柄への投資を着々と進めている物言う株主や投資ファンドに倣い、彼らが手掛けている銘柄に目を向けたい。

 トップバッターはセーレン <3569> [東証P]になる。大量保有報告書によると、香港に拠点を置くオアシス・マネジメントが6.28%の株を取得したことが明らかになった。自動車用シート材に強く、海水淡水化用の逆浸透膜スペーサーにも展開し、好業績を続けている。オアシスは現在、小林製薬 <4967> [東証P](5.20%)や日本ゼオン <4205> [東証P](6.29%)も保有している。紅麹問題などで小林製薬への投資はお勧めしづらいが、日本ゼオンなら賛成だ。業績に問題はなく、利益剰余金は2939億円と潤沢だからだ。

 なお、オアシスといえば、花王 <4452> [東証P]を忘れてはなるまい。いまのところオアシスの投資で株価が上がる気配はないものの、オアシスが花王株から下りたという話しは聞かない。花王はメガ企業。一時会社に揺さぶりをかけていたが、いまは静かだ。じっくり取り組むつもりと見てよく、株価が調整気味のところで拾っておきたい。

 英国に拠点を置くニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドが6.6%の株を保有(大量保有報告書)するのは、自動車用バックミラー最大手の村上開明堂 <7292> [東証S]。ニッポン・アクティブは消防ホース最大手の帝国繊維 <3302> [東証P]にも投資(7.14%保有)しているが、どちらも時間をかけて育てる方針と見受けられる保有ぶりであり、投資するならこの点を考えて取り組みたい。

 カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けているセブン&アイ・ホールディングス <3382> [東証P]も、ここから第二幕、第三幕があると見られるため、投資しておいても損はなさそう(あっても小さくて済むだろう)。

 最後に、企業が望まぬ投資とは無縁の銘柄を紹介しておきたい。マルマエ <6264> [東証P]になる。エヌビディア株の反発で半導体株が見直されつつあると述べたが、この会社は半導体製造装置の部品加工メーカー。それでも収益が悪化、24年8月期業績は赤字予想だった。しかし、12日には経常損益を従来予想の3900万円の赤字から4200万円の黒字に上方修正。数字は小さいが、黒字転換の株価へのインパクトは意外に大きい。この点、期待が持てる。

 そして、最後の最後にもう一銘柄。神戸物産 <3038> [東証P]だ。食材を安く購入したいという主婦たちの願望は強烈。この会社が運営する「業務スーパー」の集客力は高まっている。今期も35店舗の増加が予定されており、成長を続けているため、株価は21年のタピオカブームの時ほどではないだろうが、新たな浮上が見込める。

2024年9月13日 記

株探ニュース

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