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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8279 ヤオコー

東証P
9,162円
前日比
-112
-1.21%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.1 2.09 1.20 3.49
時価総額 3,838億円
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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】テーマ性有する銘柄や円高メリット関連などにシフト


「テーマ性有する銘柄や円高メリット関連などにシフト」

●米景気の減速懸念で日経平均は再び不安定な値動きに

 日経平均株価は再び不安定な値動きをみせてきた。米国では足もとの経済指標を受けて米景気の減速懸念が強まっており、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の倍に当たる0.5%の利下げに踏み切るとの見方が高まっている。そのなかで6日に発表される8月の雇用統計に対する警戒感が強まり、持ち高調整の売りが優勢となった。米長期金利は約1カ月ぶりの水準に低下し、円相場は一時1ドル=142円台を付けている。雇用統計が予想を大きく下回るようだと、FRB(米連邦準備理事会)の大幅利下げがコンセンサスとなり、円高が加速する展開が警戒される。

 一段の円高となれば、円安が追い風となっていた企業には下期の業績下振れリスクが高まる可能性がある。雇用統計を無難に通過すればリバランス買いが意識されるだろうが、FOMC通過までは楽観はできない。また、エヌビディア<NVDA>の株価調整は他の半導体株へと売りが広がっており、東京市場でも東京エレクトロン <8035> [東証P]が年初来安値を更新した。ハイテク株の底入れを確認するまでは、投資家は神経質にならざるを得ないだろう。これらを踏まえると、物色はテーマ性のある銘柄や 円高メリットなどにシフトしやすいと考える。

●活躍が期待される「注目5銘柄」

◆NOK <7240> [東証P]
自動車用オイルシール最大手。薄型・軽量かつ柔軟性の高いフレキシブルプリント基板(FPC)でも首位。なお、米アップル<AAPL>が9月9日午前10時(日本時間10日午前2時)から、スペシャルイベントを開催する。同イベントでは新型の「iPhone 16」や「Apple Watch」などの発表が予想されている。生成AIの搭載により新機種は例年以上に買い替え需要を喚起する可能性があり、株式市場ではサプライヤー企業に思惑買いが向かう展開も想定される。株価は9月3日に年初来高値の2474円まで買われた後は調整をみせているが、押し目狙いのスタンスで臨みたい。

◆ヤマタネ <9305> [東証P]
倉庫準大手。売上のおよそ5割を占めるコメ卸売販売などの食品事業のほか、情報関連や不動産関連事業も展開。新米が出回り始めたものの、コメ価格の高騰はなお続いており、思惑的な動きが強まりやすい。ふるさと納税の返礼品でコメを手に入れる動きなども出てきている状況であり、株主優待でコメを贈呈している企業にも関心が集まりやすい。同社は年2回、株主優待を実施しているが、9月の権利確定では300株以上、500株以上、1000株以上と株数に応じてコメを贈呈している。株価は9月5日に3440円まで買われ、7月以来2カ月ぶりに年初来高値を更新。9月末に向けて優待狙いの買いが強まりそうだ。

◆ヤオコー <8279> [東証P]
埼玉県を地盤に食品スーパーを展開。新業態のディスカウント型スーパーマーケット「フーコット」では、開店前に全ての商品を陳列し、営業中に補充を行わないほか、支払いを現金のみに絞り、商品ポップもなくすなど徹底したコストカットにより低価格を実現する。物価上昇を背景に消費者の生活防衛意識が高まるなか、開店前から行列ができるなど好調である。新業態により新たな顧客層を囲い込むことで、業績押し上げへの期待も高まる。株価は週末6日に1万円台に乗せ、上場来高値を更新。いったんはピーク感が強まる可能性はあるが、投資家の押し目買い意欲は強そうだ。

◆エービーシー・マート <2670> [東証P]
靴専門店「ABC-MART」などをチェーン展開。8月の月次動向は、既存店売上高が前年同月比11.0%増と30カ月連続で前年実績を上回った。残暑が厳しく、サンダルやTシャツが好調だった。9月入りで季節としては秋を迎え、アウトドアやスポーツシーズンとなる。関連商材の売上の伸びが見込まれるほか、足もとの円高基調によって採算改善も期待される。株価はリバウンドを継続し、5月10日に付けた上場来高値3244円が射程に入ってきた。高値更新からの一段の上昇に期待したい。

◆大阪製鐵 <5449> [東証S]
日本製鉄グループの中核電炉メーカー。日本製鉄<5401>が進めるUSスチール<X>の買収は、米大統領選を前に民主、共和両党から強い反発の声があがっている。買収の行方は不透明だが、米政界の反発により買収が不成立になる可能性が警戒される。最先端の電炉技術を有するUSスチールの買収に失敗した場合、高炉から電炉への本格的な転換を進める日本製鉄が、国内で再編の動きを加速させてくる可能性がある。株価は強気トレンドを継続し足もとで上場来高値を更新したが、PBRはなお0.8倍台であり上値余地があろう。

(2024年9月6日 記)

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