システムサポート Research Memo(4):2024年6月期も連続2ケタ増収増益を達成
■システムサポート<4396>の業績動向
1. 2024年6月期の業績概要
2024年6月期の連結業績は、売上高で前期比14.3%増の22,029百万円、営業利益で同14.7%増の1,670百万円、経常利益で同19.0%増の1,743百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同21.2%増の1,224百万円と2ケタ増収増益が続き、連続で過去最高業績を更新した。
物価上昇や円安、中東情勢の緊迫化などの影響により景気の先行き不透明感が続くなかでも、企業における事業拡大や競争力強化、業務効率化等を目的としたIT投資は積極的に行われた。省力化推進や業務効率向上を目的としたDXに対する取り組みは活発で、情報システムのクラウドシフトや生成AI、IoTなど新たな技術を用いたソリューションの需要も拡大するなど、同社を取り巻く事業環境は良好で、引き続きクラウドインテグレーション事業が業績のけん引役となった。
利益面では、売上構成比の変化や増収効果によって売上原価率が前期の72.9%から72.3%に低下し、売上総利益が同16.5%増の6,091百万円となった。販管費は人件費や営業経費の増加に加えて、成長投資(採用関連費用、研修費、研究開発費、M&A関連費用)が同128百万円増の535百万円となったほか、貸倒損失とそれに伴う貸倒引当金(合計で57百万円)※を第4四半期に計上したことなどにより同17.2%増の4,420百万円となったが、売上総利益の増加で吸収し、営業利益率は前期比横ばいの7.6%となった。
※ システムインテグレーション事業で仕掛中であった案件が、顧客企業の倒産によって貸倒損失となったもので、一過性の損失である。
会社計画比で見ると、売上高はシステムインテグレーション事業の未達分をクラウドインテグレーション事業の拡大によりカバーし、計画を若干上回った。一方、営業利益が92百万円の未達となったが、主には貸倒損失・貸倒引当金やM&A関連費用(30百万円)を計上したこと、また2025年1月に予定している持株会社移行の準備費用が想定よりも増加したことなどが要因である。なお、通期の従業員の純増数は136名とおおむね計画どおりの進捗で、サービス提供体制の強化が進んだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ