米景気のソフトランディング期待から買い戻しの動きに【クロージング】
30日の日経平均は反発。285.22円高の38647.75円(出来高概算20億株)で取引を終えた。前日の米国市場でNYダウが最高値を更新したことで投資家心理が上向いたことから、主力株を中心に買いが先行。ただ、米半導体大手エヌビディア株の下げが重荷となり、半導体関連株には売りが継続、日経平均はほどなくして38316.87円とマイナスに転じた。しかし、月内最終売買日とあって国内機関投資家の持ち高調整の買いなどが入ったことから、半導体株の一角が持ち直し、後場終盤には海外勢とみられる先物買いが断続的に入ったことから、大引け間際には38669.79円まで上値を伸ばした。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、非鉄金属、海運、卸売、サービスなど25業種が上昇。一方、精密機器、小売、倉庫運輸、医薬品など8業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、TDK<6762>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、テルモ<4543>、ニトリHD<9843>、KDDI<9433>が軟調だった。
前日の米国市場では、4-6月期国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.0%増と速報値の2.8%増から上方修正された。特に個人消費は2.3%増から2.9%増に大幅に修正され、米景気のソフトランディング期待が高まった。国内企業への好業績期待から「海外ファンド筋による先物買いが前場中盤以降、断続的に入った」との声が聞かれ、日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。
米国では30日、7月の個人消費支出(PCE)デフレーターが発表される。コア指数は前月から小幅に加速することが見込まれており、強い結果となれば米景気の軟着陸に対する期待が一段と高まるだろう。一方、来週はISM製造および非製造業景況指数、雇用統計など重要な経済指標の発表が相次ぐだけに、引き続き、米経済指標をにらみながらの展開が続きそうだ。
《CS》
提供:フィスコ