こう着ながらもリバウンドを意識した相場展開/オープニングコメント
30日の日本株市場は、こう着ながらもリバウンドを意識した相場展開になりそうだ。29日の米国市場は、NYダウが243ドル高、ナスダックは39ポイント安だった。4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたほか、新規失業保険申請件数は予想に一致した。米経済がソフトランディングできるとの期待から買われ、NYダウが最高値を更新した。一方で、エヌビディアの下落が重荷となり、ナスダックは下落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比65円安の38285円。円相場は1ドル144円80銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売りが先行することになりそうだ。ただし、エヌビディアは売られたものの、前日の時間外取引では一時8%ほど下げる場面もみられていたこともあり、織り込み済みとなろう。警戒されていた米国市場の全体への影響も限られており、アク抜けの動きが意識されそうである。また、日経225先物はナイトセッションで一時38830円まで買われる場面もみられた。抵抗線として意識される75日線を一時上回る動きにより、押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。
まずは東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>などの底堅さを見極めつつ、ハイテク株への買い戻しの動きがみられてくるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均を押し上げてくる可能性があるだろう。一方で、週末要因から積極的な売買は手控えられるものの、下値の堅さがみられるようだと、買い遅れていたファンドなどによるインデックス買いが入りやすくなりそうだ。
また、強いリバウンドを続けていたグロース250指数は、足もとで200日線に上値を抑えられる形である。ただし、タイミー<215A>など直近IPO銘柄の強い値動きが目立っており、個人投資家の売買意欲は強そうだ。日経平均が週末要因からこう着感が強まるようだと、中小型株などに値幅取り狙いの資金が集中しやすいと考えられる。
《AK》
提供:フィスコ