貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

6810 マクセル

東証P
1,667円
前日比
-6
-0.36%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.0 0.80 3.00 1.32
時価総額 828億円
比較される銘柄
パナHD, 
リコー, 
TDK

銘柄ニュース

戻る
 

マクセル Research Memo(3):エネルギーからライフソリューションまで幅広い製品を製造販売


■マクセル<6810>の事業概要

1. 事業内容
同社グループは、同社及び子会社19社、関連会社2社で構成されている。事業内容は幅広く、独自のアナログコア技術を基盤にエネルギー、機能性部材料、光学・システム及びライフソリューション製品の製造販売を行っており、現在の主要顧客は法人で、OEM製造も請け負っている。エネルギーでは民生用リチウムイオン電池、リチウムイオン電池用電極、コイン形リチウムイオン電池、リチウム一次電池、ボタン電池、充電器・組電池、電極応用製品などの製造販売を行っているほか、全固体電池の開発・製造販売や太陽光発電による売電事業も展開している。機能性部材料事業では様々な用途の粘着テープ、機能性材料、塗布型セパレータ、工業用ゴム製品など、光学・システム事業では光学部品、電鋳・精密部品、半導体関連組み込みシステム、金型・合成樹脂成形品、RFIDシステム、ICカードなど、ライフソリューション事業ではイズミブランドを中心としたシェーバーなど健康・理美容機器や電設工具、音響機器、光ディスク、充電機器、アクセサリー、乾電池など多岐にわたる製品の製造や販売をしている。2024年3月期のセグメント別の売上高構成比はエネルギー27%、機能性部材料23%、光学・システム32%、ライフソリューション18%とバランスがよく、海外売上高の構成比は48%とやや高くなっている。


強みは「まぜる」「ぬる」「かためる」アナログコア技術
2. アナログコア技術
アナログコア技術とは、アナログとデジタルをつなぎ、さらにデジタル技術だけでは到達しえない複雑で繊細な領域のモノづくりを実現する技術で、創業以来同社の強みとなっている。アナログコア技術には「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」の3つの技術があり、それぞれを単一または複合して利用している。「混合分散」は異なる大きさや硬さ、粘度の材料を均一に混ぜる技術で、組み合わせることで新たな素材をつくることも可能である。要素技術は粉体の表面改質(乾式処理、液相処理)、混錬/分散(ビーズミル・メディアレス分散)、塗料化(精密希釈、脱泡処理、流動性コントロール)で、材料に応じて高精度・高速で混合加工することにより、大容量で高温低温に耐える長寿命の電池などを製造できる。こうした強みの背景には、乾電池の創業からトライアンドエラーを繰り返しながら電池の材料を混ぜてきた経験があり、デジタルには到達不可能な技術領域ということができる。

「精密塗布」は磁性紛の塗布技術が音質を左右する磁気テープを起源とし、数ミリからナノメートル単位まで均一な厚さできれいに高速で塗る技術である。要素技術は塗工(ダイ内部・スリット形状設計、流体シミュレーション)、塗膜乾燥(気流制御、温度分散コントロール、乾燥シミュレーション)、精密送液(配管、ポンプ設計、フィルター技術、脱泡、粘度調整)、基材搬送(ロール形状設計、テンションコントロール、高速走行)で、溶解・混合した粘着剤を数十ミクロンに薄膜化することで高い粘着力と優れた剥離性の両立を実現した。このため製品性能の安定性を向上することができ、半導体工程用テープや電極などに利用されている。「高精度成形」はカセットテープの高精度なハーフ成形技術を起源とし、ディスクやレンズの製造で培ったかためる技術である。要素技術は成形(独自ノウハウと流動解析による高精度技術)、40年以上のノウハウ蓄積による高性能技術、加工(レンズ駒磨き匠技術、ハイサイクル技術)で、設計から金型製造、成形まで一貫したモノづくりに強みがある。このため精度の高い成形部品を量産することができ、非球面で複雑な車のLEDヘッドランプレンズなど高精度レンズの実現につながった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SO》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均