マクセル Research Memo(2):アナログコア技術を生かして様々な成長事業を展開
■会社概要
1. 会社概要
マクセル<6810>は、電池や粘着テープ、光学部品などを製造販売する電気機器メーカーである。乾電池や磁気テープを製造していた創業時より培ってきた「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」という独自のアナログコア技術により幅広い製品を製造販売し、顧客のより小型化、精緻化、高密度化に対するニーズに応じている。事業セグメントは4つあり、エネルギー事業では各種電池を製造販売、近年は全固体電池の開発及び製造販売に力を入れている。ほかに、機能性部材料事業では粘着テープや塗布型セパレータなどを取り扱い、光学・システム事業では車載光学部品や半導体関連組込みシステムを展開、ライフソリューション事業では健康・理美容機器や電設工具などを手掛けている。現在、中期経営計画MEX26(Maximum Excellence 2026)に沿って、成長が期待される「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」を注力分野に、アナログコア技術を生かして様々な事業を展開するとともに、強固な経営基盤の構築に向けて事業基盤や人財育成を強化、サステナビリティ経営を推進している。
事業の主軸を民生品から産業用部品へシフト
2. 沿革
同社は、1960年にマクセル電気工業(株)として設立され、1961年に日東電気工業(株)(現 日東電工<6988>)から乾電池と磁気テープ部門が分離独立する形で創業に至った。1964年に日立マクセル(株)に商号を変更、1977年に東京及び大阪の証券取引所市場第2部に上場(1980年に1部上場)する一方、国産初のカセットテープや世界初の書換型DVDディスクなど数々の民生品を他社に先駆けて開発、海外にも進出した。2000年代に入ってカセットテープやディスクの市場が縮小するのに伴い、事業の主軸を民生品から産業用部品へとシフトさせ、業務用テープやリチウムイオン電池、車載カメラ用レンズユニットなどへと展開した。その間、2010年に日立製作所<6501>による完全子会社化に伴って、一旦上場を廃止するが、2014年に東京証券取引所市場第1部に再上場(2022年にプライム市場に移行)、2017年には日立グループから外れて商号をマクセルホールディングス(株)とし、2021年に現商号へと変更した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《SO》
提供:フィスコ