PBシステムズ---第3四半期は減収増益、大型案件の貢献で通期計画達成へ
PBシステムズ<4447>は8月9日の大引け後、2024年9月期第3四半期決算を発表した。売上高は前年同期比27.1%減の1,500百万円、営業利益は同1.2%増の96百万円、経常利益は同7.6%増の96百万円、四半期純利益は同3.4%増の64百万円で着地した。減収となっているものの、大型案件(※受注について2024年8月2日付で開示済み)の受注時期が第4四半期にずれ込んだことが背景である。
セグメント別で見ると、セキュアクラウドシステム事業の売上高は前年同期比26.8%減の1,457百万円、セグメント利益は同24.6%増の116百万円と減収増益となった。東京オフィスを起点としてCitrix製品を核とした中堅企業のハイブリッドクラウド案件やSaaS事業者の継続的なクラウド基盤改修などの販売を積み上げた。九州近郊では老朽化した基幹システムの移行案件や旧世代のクラウド基盤の刷新案件など、中堅企業の旧式システムを最新システムへ熟練の技術でスムーズに移行する「2025年の崖」需要関連の販売が好調。レジリエンス関連では、自治体向けプライベートクラウドの継続的なサイバー攻撃対策商品の販売が売上に寄与した。ただし、円安の進行を背景に海外メーカーとの仕入交渉期間が長期化したことで、当初第3四半期に見込んでいたSaaS事業者向け大型案件の受注が第4四半期にずれ込んだことが減収の背景となっている。一方、利益面についてはプロジェクト体制の強化により受注済案件が順調に進捗したことに加え、高付加価値案件の増加が寄与した。
エモーショナルシステム事業については、売上高が前年同期比37.1%減の43百万円、セグメント損益は19百万円の赤字(前年同期は1百万円の黒字)となった。特許技術に基づく360度の3D仮想空間の表現装置である「MetaWalkers」の宣伝効果が見込めるイベント案件や企業向けメタバースのサブスクリプション販売など、比較的小規模な案件が中心となった。ただし、「SusHi Tech Tokyo 2024ショーケースプログラム」への宇宙エレベータ体験装置としての出展が契機となり、宇宙産業などから引き合いが増加した(※各セグメント数値は決算説明資料ベース、全社費用を各セグメントの人員割合で配賦)。
なお、2024年9月期の業績予想については、売上高が前期比10.3%増の3,200百万円、営業利益が同15.1%増の347百万円、経常利益が同17.0%増の346百万円、当期純利益が同15.3%増の237百万円の計画を据え置いている。
《FA》
提供:フィスコ